Contents
- 年明けの公募に向けて、年内に準備しておく理由
- 事業計画の下書きを年内に作っておく
- 直近の決算書と見積書を、年内に最新の状態にしておく
- GビズIDを取得して、jGrantsの利用準備を進める
- 賃上げと投資の計画を、数字と方針で整理しておく
- 公募要領の確認方法を知っておく
- 採択前に発注・契約すると対象外になる場合がある
- 採択後の手続きの流れを把握しておく
- 年内に準備する項目を、チェックリストで確認する
- 社内の担当者と、準備の時期を決めておく
- 準備で迷いやすいポイント
- 制度選定と計画づくり、採択後の支援を担当する
- 書類の保管と更新を、年明け以降も続けられるようにする
- 事業計画の数字に、根拠を持たせて説明できるようにする
- よくある質問
- 補助金の準備のお悩みはストラーダグループへ
年明けの公募に向けて、年内に準備しておく理由

公募が始まってから書類を集め始めると、締切までの期間が限られ、内容を十分に練る時間が取りにくくなります。年内に下準備を済ませておけば、公募の開始後は内容の確認と最終調整に集中しやすくなります。
補助金の公募は、制度ごとに募集期間や提出書類が異なります。そのため、次の公募の詳細が分かる前でも、自社の事業内容や財務状況など、複数の制度の検討に使う情報を整理しておくことが役立ちます。公募の開始日と申請受付の開始日は異なることもあるため、それぞれ確認してください。
事業計画の下書きを年内に作っておく

事業計画の下書きを年内に作っておくと、公募の開始後は修正を中心に申請の準備を進めやすくなります。下書きは完成品である必要はなく、現状と課題、取り組みたいことが整理されていれば十分です。
下書きを作るときは、次の3つを分けて書くと整理しやすくなります。
- 現状:自社の事業内容、売上の動き、従業員の状況
- 課題:人手不足、設備の老朽化、販路の不足など、困っていること
- 取り組み:課題を解決するために、いつ、何を、どのように行うか
事業計画の書き方は、公募ごとに求められる項目が変わります。公募が出た後は、各補助金の事務局が公表する公募要領(「公募要領」)に書かれた項目に合わせて、下書きを組み直す形で進めます。年内の下書きは、その組み直しの土台になります。
直近の決算書と見積書を、年内に最新の状態にしておく

補助金では、制度や申請段階に応じて決算書や見積書などを求められます。決算書は確定済みのものを、公募要領で指定される期数・種類に合わせて揃えます。まだ決算が確定していない期の試算表は、直近の状況を把握する補足資料として用意します。試算表で提出必須の決算書を代替できるとは限らないため、決算未了や創業直後の取扱いは個別に確認してください。
見積書は、導入予定の設備やサービスの費用を把握する資料として取得しておくと役立ちます。ただし、提出を求める段階や、相見積もりの要否、発行時期・有効期間の条件は制度によって異なり、年内に取得したものを再取得する場合もあります。見積の取得と、契約が成立する発注・承諾は区別してください。発注の注意点は、後の章で説明します。
- 確定済みの決算書を、貸借対照表・損益計算書など指定される種類と期数に合わせて揃えます
- 未確定の期の試算表は補足資料として準備し、提出書類の代替可否は公募要領で確認します
- 導入予定の設備やサービスの見積書を、取引先ごとに保管します
- 登記事項証明書などの要否と、発行日から何か月以内などの提出条件を確認し、取得時期を決めます
書類の名称や必要な通数は、公募要領の提出書類一覧で確認してください。前回の公募で使った書類が、次回もそのまま使えるとは限りません。
GビズIDを取得して、jGrantsの利用準備を進める

電子申請システムのJグランツ(旧表記jGrants)を使う補助金では、GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーが必要で、GビズIDエントリーでは申請できません。GビズIDは、複数の行政サービスで使える共通認証の仕組みです。まず法人代表者または個人事業主がプライムを取得し、従業員が操作する場合はメンバーの発行と利用権限の設定を確認します。取得方法や必要書類、各公募で利用できるアカウントは、GビズIDの公式サイトとJグランツの利用案内、公募要領で確認してください。
GビズIDプライムにはオンライン申請と書類郵送申請があり、必要な本人確認手段や審査状況によって発行までの時間が異なります。公募の開始を待って手続きを始めると締切に間に合わないおそれがあるため、未取得の場合は早めに申請してください。取得済みの場合も、登録情報と有効期限、認証方法を確認しておくと安心です。
- GビズIDプライムの取得方法と、公募で認められるアカウントの種類を確認します
- プライムを従業員と共用せず、従業員が操作する場合は本人用のメンバーに必要な権限を設定します
- 発行後に、Jグランツへのログインと、担当者の申請権限を確認します
- 各利用者が登録情報と認証手段を管理し、パスワードなどを社内外の他人に渡さない運用を決めます
賃上げと投資の計画を、数字と方針で整理しておく

賃上げや設備投資の計画は、事業計画の中で重要な項目になることが多いため、年内に方針と数字を整理しておくと役立ちます。計画の数字は、後から説明できる根拠を持たせることが大切です。
次の表は、年内に整理しておくと役立つ項目の例です。
| 整理する項目 | 年内に決めておくこと | 確認する資料の例 |
|---|---|---|
| 賃上げ | 対象となる従業員、引き上げの方針、実施の時期 | 賃金台帳、就業規則、賃金改定の予定 |
| 設備投資 | 導入する設備、導入の目的、導入の予定時期 | 見積書、カタログ、設備の稼働計画 |
| 人材育成 | 研修の内容、対象者、実施の時期 | 研修の計画、外部講座の案内 |
| 販路開拓 | 新しい取引先や販売方法、取り組みの時期 | 営業資料、販売計画、市場の調査資料 |
表の内容は、計画を整理する例で、記載した取組がすべて補助対象になるという意味ではありません。公募で求められる項目や評価の観点は、公募要領で確認してください。賃上げが要件となる制度では、対象従業員、基準年度、計画期間、給与支給総額や事業場内最低賃金の算定方法を確認します。従業員への計画の表明や事業終了後の報告が必要な場合もあり、目標未達などにより補助金の全部または一部の返還を求められることがあります。
公募要領の確認方法を知っておく

公募要領は、補助金の対象者、対象となる取り組み、提出書類、審査の観点などを定めた資料で、公募ごとに各事務局が公表します。公募が始まったら、まず公募要領を読んで条件を確認することが基本です。
確認するときは、次の順番で進めると見落としを防ぎやすくなります。
- 制度の公式サイトで、最新の公募要領と、公募の開始日・締切日を確認します
- 申請できる会社の条件(業種、従業員数、資本金など)を確認します
- 対象となる経費と、対象とならない経費を区別します
- 提出書類の一覧と、電子申請の方法(Jグランツなど)を確認します
- 発注や契約の時期に関する注意事項を確認します
前回の公募要領は、次回の公募で内容が変わる場合があるため、参考として使い、最新版と見比べるようにしてください。
採択前に発注・契約すると対象外になる場合がある

採択前だけでなく、採択後でも交付決定前に設備の発注や契約を済ませると、原則として補助対象外となる制度があります。採択通知だけで発注できるとは判断せず、交付決定日と補助事業の実施期間を確認してください。年内の導入を急ぐ場合も、制度の条件に沿って時期を判断することが大切です。
「採択」は補助金の交付候補として選ばれた段階で、「交付決定」とは異なります。採択後に交付申請を行い、交付決定を受けてから発注する制度では、その決定を待つ必要があります。事前着手の特例がある場合も、対象となる経費や着手日などの条件が決まっています。発注・契約・支払の前に、公募要領や交付規程を読み、不明点は事務局へ確認してください。専門家への相談だけで制度上の要件を満たすわけではありません。
見積の取得や導入計画の検討は、発注前の準備として行えますが、提出に使う見積書の取得時期などに条件がある場合があります。見積への承諾や申込書の提出が契約に当たらないかも確認し、契約の成立や費用の発生を伴う行為は、着手時期の条件に照らして判断してください。
採択後の手続きの流れを把握しておく

採択後の手続きには、例えば、交付申請、交付決定、事業の実施、実績報告、検査・補助金額の確定、請求・入金という流れがあります。手続きの名称や順番、期限は制度によって異なるため、公募要領や交付規程で確認します。補助金は後払いを原則とする制度があるため、自己負担分に加え、入金までの立替資金も計画してください。
- 採択の通知を受け、交付申請などの期限を確認します
- 必要な交付申請を行い、交付決定を受けます
- 交付決定後の指定された期間内に、発注・契約から納品・支払まで、制度が求める手続きを終えます
- 事業の完了後、指定された期限までに実績報告を提出します
- 実績報告に基づく検査・額の確定を経て、必要な請求を行い、補助金の支払を受けます
採択後は、経費の証拠書類を整理して保管することも大切です。見積書、発注書・契約書、納品書、請求書、振込の記録などを、取引の経緯が分かる形でまとめます。検査の結果、対象外の経費が除かれ、交付決定額より受取額が少なくなる場合もあります。書類は入金後すぐに廃棄せず、制度所定の保存期間・起算日を確認してください。事業終了後の報告や、取得設備の処分の制限があるかも併せて確認します。
年内に準備する項目を、チェックリストで確認する

年内に準備を終えておきたい項目は、次のとおりです。すべてを完璧に揃えるよりも、公募が始まった時点で着手できる状態を目指すと取り組みやすくなります。
- 事業計画の下書きを作り、社内の必要な担当者と共有しました
- 指定される決算書の写しを用意し、必要に応じて試算表を補足資料として準備しました
- 導入予定の設備やサービスの見積書を保管しました
- GビズIDプライムの取得と、利用するアカウントのログイン・権限の確認を進めました
- 賃上げと投資の計画を、社内の担当者と話し合いました
- 過去の公募要領を読み、次の公募で確認する項目を把握しました
- 採択後でも交付決定前の発注・契約は対象外となる制度があることを、社内で共有しました
社内の担当者と、準備の時期を決めておく

補助金の準備は、経理、総務、現場の担当者が関わるため、年内に担当者を決めておくと進めやすくなります。誰が何を集めるかを決めておくと、公募が始まってから書類の抜けを防ぎやすくなります。
準備の時期は、公募予定や自社の決算期、年末年始の休業日を踏まえて決めます。社内の方針を決め、書類を集め、事業計画の下書きを必要な担当者に共有する順で、各作業の期限を置くと進めやすくなります。年内に対応する項目と、年明けに最新情報を確認する項目を分けておくと安心です。
準備で迷いやすいポイント

準備を進めるなかで迷いやすいのは、補助金の対象となる経費の範囲と、発注の時期です。対象かどうか判断に迷う場合は、公募要領の記載を確認し、必要に応じて専門家に相談すると安心です。
よくあるつまずきは、次の3つです。
- 年内に導入を決めた設備を、採択後ならよいと思い込み、交付決定前に発注してしまいます
- GビズIDの取得を公募の開始後に始め、締切までに間に合わなくなります
- 事業計画の数字に根拠がなく、後から説明できません
これらは、年内に準備しておけば防げることが多いため、早めに社内で確認しておくことをおすすめします。
制度選定と計画づくり、採択後の支援を担当する

補助金の支援を依頼する際は、制度選定、事業計画への助言、採択後の手続きのうち、契約に含まれる支援範囲を確認してください。官公署への提出書類に当たる補助金申請書類を、他人の依頼を受け、名目を問わず報酬を得て業として作成することは、他の法律に別段の定めがある場合などを除き、行政書士または行政書士法人に限られます。依頼先の資格と受任できる範囲に加え、公募要領が申請者自身による作成・申請を求めていないかも確認します。
制度選定では、自社の事業内容や目的に合った公募があるかを整理します。計画づくりでは、申請者自身が事業内容や数字の根拠を検討し、必要に応じて制度や財務面の助言を受けます。有償の申請書類作成を依頼する部分は、資格法上の受任可否と公募ごとの本人作成・代理申請の条件を分けて確認してください。採択後の支援についても、交付申請、実績報告、事後の報告のどこまでを担当するのか、契約前に確認しておくと安心です。
書類の保管と更新を、年明け以降も続けられるようにする

年内に集めた書類は、年明けに内容が古くなっていないかを確認してから使うことが大切です。決算書や見積書は、日付と版を分けて保管しておくと、公募ごとに差し替えやすくなります。
書類は社内の所定の場所にまとめ、業務上必要な担当者や引継ぎ先が探せるようにします。賃金台帳など個人データを含む資料は、閲覧・編集できる人と情報の範囲を限定してください。外部へ渡す場合も、利用目的と提供範囲、委託に当たるかなどを確認し、必要な安全管理や委託先の監督を行います。次の項目を一覧にしておくと、年明けの作業を進めやすくなります。
- 書類の名称、作成日、最終更新日
- 書類の保管場所と、更新を担当する人
- 公募ごとに提出が必要かどうかの確認結果
- 取引先から受け取った見積書の有効期限
年末に作った一覧は、そのまま年明けの確認表として使えます。年末年始を挟むと担当者が変わることもあるため、引き継ぎの際に一覧を一緒に渡しておくと、準備が途切れにくくなります。
事業計画の数字に、根拠を持たせて説明できるようにする

事業計画の数字は、売上や費用の見込みを示すだけでなく、なぜその数字になるのかを説明できることが大切です。数字の根拠が社内で共有されていると、公募の審査で質問を受けたときにも落ち着いて答えられます。
根拠として使える資料は、過去の決算書、取引先との契約書、見積書、社内の販売実績などです。どの数字がどの資料から来ているかを、下書きの段階で書き留めておくと安心です。
- 売上の見込みは、過去の実績や取引先の計画と結びつけます
- 費用の見込みは、見積書や契約書の金額と照らし合わせます
- 賃上げや投資の効果は、対象の人数や設備の稼働計画から説明します
- 根拠が弱い数字は、見込みであることを明記して、慎重な表現にします
根拠の確認に時間がかかる場合は、年内に社内の担当者と数字を見直しておくと、年明けの作業が減ります。数字の見直しは、一度に完成させようとせず、売上、費用、人員、投資の順に分けて進めると取り組みやすくなります。
よくある質問

Q.年内に準備しておけば、公募が始まったら申請をすぐ進められますか?
A.年内に事業計画の下書きや必要書類を揃えておくと、公募の開始後に申請の準備を進めやすくなります。ただし、公募ごとに提出書類や条件が異なるため、最終的には公募要領の内容に合わせて確認する必要があります。
Q.採択が決まる前に、設備を発注しても問題ありませんか?
A.採択後であっても、交付決定前の発注・契約・支払が原則として補助対象外となる制度があります。発注できる時期や事前着手の特例の有無は、公募要領や交付規程で確認し、不明点は事務局へ問い合わせてください。
Q.GビズIDは、いつ取得すればよいですか?
A.Jグランツで申請するには、GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーが必要です。エントリーでは申請できません。未取得の場合は、公募開始前からプライムの取得手続きを進めてください。発行までの時間は申請方法や審査状況によって異なります。
補助金の準備のお悩みはストラーダグループへ

年明けの補助金公募に向けた準備は、制度の選定や事業計画の整理を早めに始めるほど、余裕を持って進められます。どの補助金が合うのか、年内に何を準備すればよいのか迷ったときは、ストラーダグループにご相談ください。ご相談の際は、支援を担当する法人・資格者、対応する業務の範囲、申請者自身が行う手続きをご確認ください。




