2024年8月5日、上場企業の株式会社ゆとりが、元AKB48の小嶋陽菜氏が運営する「ハートレボリューション」の51%の株式を取得したことが明らかになりました。今回はこのM&Aの背景と今後の展望について解説します。
小嶋陽菜が代表務めるアパレル会社、東証上場企業のグループ入り 「yutori」へ約17億円で株式譲渡(Yahooニュース)
M&Aの詳細
ゆとり社が取得したのはハートレボリューションの過半数である51%の株式です。小嶋氏は引き続き会社の約30-50%の株式を保有しており、今後の経営に関与する形となります。この取引は段階的なM&A戦略の第一段階と見られています。
参考:『Her lip to』を運営する株式会社heart relationと資本業務提携契約に合意 yutoriグループにジョイン!(ゆとりIR資料)
ゆとり社の戦略
ゆとり社は以前から、段階的な株式売却やIPO戦略を実行してきました。今回のM&Aもその一環であり、小嶋氏に対して説得力のあるオファーを提示したと考えられます。ゆとり社の狙いは、ハートレボリューションのブランド力だけでなく、小嶋氏の持つインフルエンサーとしての影響力を活用することです。
小嶋氏の影響力
小嶋氏は、Instagramが約400万フォロワー、エックスが約300万フォロワー、YouTube登録者数約63万人、TikTokフォロワー数60万人、中国のSNS「微博」が約128万フォロワーなど、SNS層フォロワー数が1000万人を超えています。これにより、ハートレボリューションの商品は、ゆとり社の他の商品と合わせて広く宣伝・販売されることが期待されます。
経営陣の強み
ハートレボリューションの経営陣も優秀であり、例えば、安倉社長はリクルートやフリークアウトなどで経験を積んだ後、2021年にゆとり社に副業として参加し、翌年には社長に就任しました。他にも、アパレル事業を管轄する戸高純氏や、元サイバーエージェント執行役員の岡田氏など、強力なメンバーが揃っています。
バリエーションと今後の展望
ハートレボリューションのバリュエーション(企業価値)は、営業利益の約11倍に相当する33億円と評価されています。これは、ゆとり社が上場企業としてのバリエーションを元にして算出されたものであり、今後の成長が期待されています。
まとめ
今回のM&Aは、ゆとり社の成長戦略の一環であり、今後もインフルエンサー型ビジネスモデルを展開する企業の買収を続ける可能性があります。小嶋氏の影響力と優秀な経営陣を活用し、新たなシナジーを生み出すことが期待されます。
この取引の成功は、他のインフルエンサー企業にも影響を与える可能性があり、今後の動向に注目が集まります。