TOP > 行政書士法人トップ > お役立ち情報 > 会社設立 > 会社設立後の初給料の注意点!役員報酬の決め方とルールを解説

会社設立 column

会社設立
2018.11.14 会社設立

会社設立後の初給料の注意点!役員報酬の決め方とルールを解説

会社設立後の初給料の注意点!役員報酬の決め方とルールを解説

ストラーダグループ

ストラーダグループは日本橋、水天宮前、人形町、茅場町の
税理士・社労士・司法書士・行政書士・公認会計士・FP・宅建士が在籍している士業の専門家集団です。
無料相談のご予約は下記にてお願いいたします。

無料相談予約案内

お電話から予約はこちら 0120-709-459 平日:9:00-18:00

メールお問い合わせ

LINEで予約

会社を設立して、いよいよ自分自身(代表者)に、初めての給料(役員報酬)を支払うときは、普通の従業員の給与とは異なる、特別なルールがあります。何も知らずに支払いを始めると、法人税の計算で、給与の一部が経費にならなくなったり、源泉徴収や、社会保険の手続きを、忘れたりするおそれがあります。

この記事では、会社設立後に、役員報酬を支払うときの注意点を、金額の決め方、支払いの時期、変更のルール、手取りの考え方、必要な手続きに分けて、解説します。従業員を雇って、初めて給与を支払う場合のポイントも、あわせて紹介します。

なお、制度は改正されることがあります。この記事は、2026年10月時点の国税庁の公表資料などをもとにしています。実際に決めるときは、最新の情報を確認し、税理士にもご相談ください。

役員報酬は、自由に決めて、自由に変えられない

役員報酬は、自由に決めて、自由に変えられない

個人事業主は、事業の利益が、そのまま自分の所得になるため、自分への報酬を決める必要はありません。一方、法人は、会社と経営者が、別の存在です。経営者は、会社から、役員報酬を受け取ります。会社は、役員報酬を、経費(損金)にできますが、そのためには、ルールを守る必要があります。

定期同額給与:毎月、同じ額を支払う

国税庁のタックスアンサーによると、法人が役員に支給する給与のうち、定期同額給与、事前確定届出給与、または一定の業績連動給与のいずれにも該当しないものの額は、損金の額に算入されません。多くの中小企業の役員報酬は、このうち、「定期同額給与」にあたります。

定期同額給与とは、次のような給与です。

  • 支給の時期が、1か月以下の一定の期間ごと(毎月など)である
  • その事業年度の、各支給時期における支給額(または、源泉税や社会保険料などを控除した金額)が、同額である

つまり、毎月、同じ金額の報酬を、支払い続けることが、基本です。

途中で金額を変えられる場合

事業年度の途中で、役員報酬の額を、変えると、原則として、変えたあとの金額が、定期同額給与と、認められなくなります。ただし、国税庁によると、次のような改定は、認められます。

  • 事業年度の開始の日から3か月を経過する日までに行う改定(通常の改定)
  • 役員の職制上の地位の変更、職務の内容の重大な変更など、やむを得ない事情(臨時改定事由)による改定
  • 経営状況が著しく悪化したことなどの理由(業績悪化改定事由)による、減額の改定

ただし、法人の一時的な資金繰りの都合や、単に、業績目標に達しなかったことなどは、業績悪化改定事由に含まれません。「業績が良いから、期の途中で、報酬を増やしたい」と思っても、原則として、増額した部分は、経費になりません。

なぜ、慎重に決める必要があるのか

設立のときに決めた金額は、原則として、その事業年度の間は、変えられません。次のようなことが、起こり得ます。

  • 報酬を高く設定しすぎると、売上が計画に届かなかったときに、資金が不足し、報酬の支払いが、難しくなる
  • 報酬を低く設定しすぎると、会社に利益が残って、法人税が増え、一方で、経営者個人の生活費が、足りなくなる

事業の売上の見込みや、生活に必要な金額、法人税や、社会保険料の負担を、総合的に考えて、決めることが大切です。

支払いを決める時期:設立から3か月以内に

支払いを決める時期:設立から3か月以内に

役員報酬の改定は、事業年度の開始の日から3か月以内に行うのが、通常です。設立したばかりの会社は、設立の日が、事業年度の開始の日にあたるため、設立から3か月以内に、役員報酬の額を、決定し、支払いを始める必要があります。

設立の直後は、銀行口座の開設、税務署への届出、事業の準備などで、時間が過ぎやすくなります。忙しくて、役員報酬を決めないまま、3か月が過ぎると、あとから、報酬を決めても、経費にならない部分が生じるおそれがあります。設立の時に、役員報酬の額を、決めておくことをおすすめします。

株主総会などでの決定

役員報酬の額は、定款や、株主総会の決議などで、決めるのが、基本です。株主総会の議事録に、役員報酬の額を記録して、保管しておきます。税務調査のときに、役員報酬が、正式な手続きで決められたことの証拠になります。

手取りの額の考え方

手取りの額の考え方

役員報酬の額が決まったら、実際に、受け取る手取りの額を、確認します。手取りの額は、おおまかに、次の計算で、求められます。

  • 役員報酬の額
  • マイナス:社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料など)
  • マイナス:源泉所得税
  • マイナス:住民税(特別徴収の場合)

源泉所得税

国税庁のタックスアンサーによると、給与から差し引く源泉所得税の額は、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」で求めます。「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人は、甲欄を使います。税額表に当てはめる金額は、給与の額から、社会保険料などを差し引いたあとの金額です。役員も、自分自身の扶養控除等申告書を、会社に提出しておきます。

社会保険料

法人は、社長一人の会社であっても、原則として、健康保険と厚生年金保険への加入が必要です。保険料は、役員報酬の額に応じて、決まり、会社と本人が、折半して負担します。加入の手続きや、保険料の額は、年金事務所や、社会保険労務士に確認してください。

住民税

住民税は、前の年の所得をもとに、計算されます。会社を設立した年は、前の年の所得が、会社員時代のものである場合など、個人の状況によって、納付の方法や額が異なります。自治体から届く通知で、確認してください。

初給料までに必要な手続き

初給料までに必要な手続き

役員報酬を支払う前後に、次の手続きが必要です。

手続き 内容・期限
給与支払事務所等の開設届出書 税務署に提出する。開設の日から1か月以内(国税庁の案内による)
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 給与の支給人員が常時10人未満の場合、半年分をまとめて納付できる。随時、提出できる
給与所得者の扶養控除等申告書 役員や従業員から、提出を受ける
社会保険の加入の手続き 年金事務所に届出を行う
源泉所得税の納付 給与を支払った月の翌月10日まで(納期の特例を受けている場合は、7月10日と、翌年1月20日)

特に、源泉所得税は、役員報酬から差し引いたあと、国に納める必要があります。納め忘れると、延滞税や、不納付加算税などが課されるおそれがあります。

従業員に、初めて給与を支払うときの注意点

従業員に、初めて給与を支払うときの注意点

従業員を雇って、初めて給与を支払うときは、役員報酬のルールに加えて、次の点にも、気を付けてください。

  • 雇用契約書や、労働条件通知書で、給与の額、支払日、支払方法を、あらかじめ明確にしておく
  • 賃金は、通貨で、直接、全額を、毎月1回以上、一定の期日に支払うという、労働基準法の原則を守る
  • 給与明細書を、従業員に交付し、支払額や、控除額を、見える形にする
  • 従業員の源泉徴収、社会保険、労働保険(雇用保険、労災保険)の手続きを、行う
  • 年末調整の準備として、扶養控除等申告書を、提出してもらう

労働保険や社会保険の手続きは、社会保険労務士に、相談することもできます。

役員報酬を決めるときの、考え方のヒント

役員報酬を決めるときの、考え方のヒント

役員報酬の額を決めるときは、次のようなステップで、考えると、整理しやすくなります。

ステップ1:生活費から、必要な手取りを出す

家賃、食費、保険料、ローンの返済など、経営者の生活に、必要な、毎月の手取りの額を、洗い出します。

ステップ2:会社の売上と、利益の見込みを確認する

1年間の売上、経費、利益の見込みを、試算します。役員報酬を、支払ったあとでも、資金が、十分に残る金額かを、確認します。

ステップ3:税金や、社会保険料の負担を、試算する

役員報酬の額が変わると、法人税、所得税、社会保険料の負担が変わります。税理士に、試算を依頼して、会社と個人の負担の合計が、小さくなる金額を、探します。

ステップ4:余裕を持った額に決める

事業の初期は、売上が、安定しない時期です。無理のない金額から始め、事業が軌道に乗ってから、次の事業年度の初めに、見直すという進め方が、安全です。

高すぎる報酬は、経費にならない

高すぎる報酬は、経費にならない

国税庁のタックスアンサーによると、定期同額給与などに該当する場合でも、不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入されません。不相当に高額かどうかは、役員の職務の内容、会社の収益の状況、使用人に対する給与の支給の状況、同じ規模の同業の会社の役員の報酬の状況などを、考慮して、判断されます。事業の規模に、見合わない、極端に高い報酬を設定すると、経費として、認められないおそれがあるため、注意してください。

役員報酬と、配当の違い

役員報酬と、配当の違い

経営者が、会社から、お金を受け取る方法には、役員報酬のほかに、株主としての「配当」があります。役員報酬は、経営者が、会社の仕事をした対価で、会社にとって、経費(損金)になりますが、配当は、会社の利益の分配で、経費になりません。また、受け取る側の、課税の方法も異なります。

どちらの方法で、どのくらいの額を、受け取るのが、有利になるかは、会社の利益の状況や、経営者の所得の状況によって、変わります。役員報酬を決めるときに、配当も含めた、全体の設計を、税理士に相談するのも、一つの方法です。

設立年度の、役員報酬の例(想定)

設立年度の、役員報酬の例(想定)

設立の年度の、役員報酬の考え方を、数字で、イメージします。次の例は、理解のための想定で、実際の金額を、保証するものではありません。

  • 会社の設立の日:4月1日、決算期:翌年3月31日(第1期は、12か月)
  • 役員報酬の額:毎月30万円、第1期を通して、同じ額を支払う
  • 第1期の役員報酬の合計:30万円×12か月=360万円

この場合、第1期は、毎月、同じ額の報酬を支払うことで、定期同額給与として、経費にできます。もし、10月から、報酬を40万円に増やした場合は、原則として、増額した部分が、経費にならないため、増やす場合は、次の事業年度の開始の日から、3か月以内に、改定するのが、安全です。

支払日を決めるときのポイント

支払日を決めるときのポイント

役員報酬の支払日は、毎月の資金繰りと、源泉所得税の納付の期限(翌月10日)を考えて、決めます。多くの会社は、月末払い、または、翌月の特定の日に支払います。支払日が、休日に当たる場合の扱い(前倒し、または、後ろ倒し)も、決めておくと、混乱しません。

また、役員報酬の支払いは、会社の銀行口座から、役員個人の口座への振込で、行い、記録を残しておきます。現金で、手渡しする場合も、受領の記録を、残してください。会社のお金を、必要なときに、必要な額だけ、引き出して使うという方法は、役員報酬として処理されず、税務上の問題が、生じるおそれがあります。会社のお金と、個人のお金を、はっきり分けて、管理することが、大切です。

給与明細書と、帳簿の記録

給与明細書と、帳簿の記録

役員報酬を支払うときは、給与明細書を作成し、報酬の額、社会保険料や、源泉所得税などの控除額、差引支給額を、記録しておきます。会社の帳簿には、役員報酬を、経費として、記録します。源泉徴収した所得税や、社会保険料は、預り金として処理し、納付したときに、預り金を減らします。

クラウド会計ソフトや、給与計算ソフトを使うと、給与明細や、源泉徴収の計算を、自動で行えるため、手間を減らせます。設立の段階で、使うソフトを決めておくことをおすすめします。

初給料に関する、よくある質問

初給料に関する、よくある質問

Q1. 設立後すぐに、役員報酬を支払わなくてもよいですか?

支払わない選択もできますが、設立から3か月以内に、役員報酬を決めておかないと、その後に支払いを始めた報酬が、経費にならない部分が生じるおそれがあります。無報酬にする場合も、その事業年度の間は、無報酬のまま、続ける必要があります。

Q2. 役員報酬を、年度の途中で、増やすことはできますか?

原則として、増額した部分は、経費になりません。ただし、役員の職制上の地位の変更などの、やむを得ない事情がある場合は、認められることがあります。

Q3. 賞与(ボーナス)は、出せますか?

役員に賞与を支払う場合は、「事前確定届出給与」などの、一定の要件を満たす必要があります。要件を満たさない賞与は、経費になりません。事前の届出が必要になるため、支払う予定がある場合は、早めに、税理士に相談してください。

Q4. 社長一人でも、社会保険に加入しますか?

法人は、社長一人でも、原則として、健康保険と厚生年金保険に、加入する必要があります。年金事務所や、社会保険労務士に確認してください。

役員報酬のご相談はストラーダグループへ

役員報酬のご相談はストラーダグループへ

ストラーダグループでは、会社設立の際の、役員報酬の決め方、法人税や、社会保険料を含めた、負担の試算、設立後の届出、毎月の給与計算、決算と申告まで、税理士などの専門家が連携して、サポートしています。初回のご相談は無料です。お気軽にご相談ください。

※本記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。制度は変更されることがあるため、手続きの前に、国税庁などの公式情報をご確認ください。

ストラーダグループ

ストラーダグループは日本橋、水天宮前、人形町、茅場町の
税理士・社労士・司法書士・行政書士・公認会計士・FP・宅建士が在籍している士業の専門家集団です。
無料相談のご予約は下記にてお願いいたします。

無料相談予約案内

お電話から予約はこちら 0120-709-459 平日:9:00-18:00

メールお問い合わせ

LINEで予約

この記事の監修者
山田 直輝
税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
プロフィールを見る

あなたにおすすめの記事

会社設立で法務局に提出する書類は?株式会社の必要書類を解説

2021.06.29 会社設立

会社設立で法務局に提出する書類は?株式会社の必要書類を解説

個人事業主から会社を設立するメリット・デメリットとは?

2022.12.2 会社設立

個人事業主から会社設立をするメリット・デメリットとは?

2023.07.25 会社設立

【必見】東京で成功する会社設立の手順・ビジネス戦略を徹底解説!

新着記事

インボイス登録の取りやめと免税事業者に戻る条件【税理士無料相談】

2026.10.31 消費税

インボイス登録の取りやめと免税事業者に戻る条件【税理士無料相談】

インバウンド旅行業の始め方|第3種旅行業登録の要件

2026.10.31 許認可

インバウンド旅行業の始め方|第3種旅行業登録の要件

海外在住者の相続税申告と納税管理人の役割

2026.10.31 相続税

海外在住者の相続税申告と納税管理人の役割

 

TOPへ戻る