TOP > ビジネスサポートトップ > お役立ち情報 > M&A > M&Aの売り手のメリット・デメリットと売却前の確認事項

M&A column

M&A
2024.06.27 M&A

M&Aの売り手のメリット・デメリットと売却前の確認事項

M&Aの売り手のメリット・デメリットと売却前の確認事項

ストラーダグループ

ストラーダグループは日本橋、水天宮前、人形町、茅場町の
税理士・社労士・司法書士・行政書士・公認会計士・FP・宅建士が在籍している士業の専門家集団です。
無料相談のご予約は下記にてお願いいたします。

無料相談予約案内

お電話から予約はこちら 0120-709-459 平日:9:00-18:00

メールお問い合わせ

LINEで予約

会社や事業を売却する「売り手」になることを、考え始めた経営者にとって、M&Aの、メリットと、デメリットを、正しく理解しておくことは、とても大切です。「売却すると、何が、得られるのか」「売却したあと、どのようなリスクがあるのか」を、事前に知っておくことで、納得のいく、決断ができます。

この記事では、M&Aで、会社や事業を売る、売り手の、メリットと、デメリットを、整理します。あわせて、売却の方法による違い、税金、売却後の、生活や、経営への影響、売却を決める前に、確認しておきたいことも、解説します。売却は、会社の「終わり」ではなく、新しい選択肢の一つとして、前向きに、検討するための材料にしてください。

なお、制度や税制は、改正されることがあります。この記事は、2026年10月時点で、中小企業庁、国税庁などの公表資料をもとにしています。実際の判断では、最新の情報を確認し、専門家にご相談ください。

Contents

売り手にとっての、M&Aのメリット

売り手にとっての、M&Aのメリット

メリット1:後継者の問題を、解決できる

経営者の高齢化が進む中で、後継者がいないことが、悩みの一つです。後継者がいない場合は、事業を、続けることができず、廃業を選ぶ、会社も少なくありません。M&Aで、第三者に、事業を引き継ぐことで、会社の事業や、従業員の雇用を、守れる可能性があります。

メリット2:売却の代金を、受け取れる

会社の株式や、事業を売却することで、売却の代金を、受け取れます。経営者は、長年、育ててきた、会社の価値を、現金に変え、老後の生活や、新しい事業の資金に、できます。個人の株主が、株式を売却した場合の、譲渡益には、国税庁のタックスアンサーによると、20%(所得税15%、住民税5%)の税率で、申告分離課税が、適用されます(このほか、復興特別所得税の申告・納付もあります)。

メリット3:従業員の雇用を、守れる

廃業を選ぶと、従業員は、職を失います。M&Aで、事業が、引き継がれれば、従業員は、新しい会社で、働き続けられる場合があります。買い手が、従業員の雇用を、維持することを、条件にすることも、できます。

メリット4:取引先との関係を、維持できる

事業が、引き継がれることで、長年の、取引先との関係が、続く可能性があります。取引先にとっても、供給や、サービスが、途切れずに続くため、安心です。

メリット5:個人保証や、担保から、解放される場合がある

会社の借入について、経営者が、個人保証や、個人の財産を担保にしている場合は、M&Aで、買い手が、借入を引き継ぎ、経営者の保証が、外れることがあります。経営者の負担の軽減につながります。ただし、保証の扱いは、金融機関との交渉によるため、一律ではありません。

メリット6:事業の成長の、機会になる

買い手の、資金力や、販売網、技術などを、活用することで、事業が、さらに成長する可能性があります。自社の力だけでは、難しかった、事業の拡大が、実現することもあります。

売り手にとっての、M&Aのデメリット・リスク

売り手にとっての、M&Aのデメリット・リスク

デメリット1:希望する価格で、売れるとは限らない

会社の価値は、財務の状況や、将来の収益、市場の状況、買い手の事情などによって決まります。希望した価格で、売れるとは、限りません。複数の評価方法で、価格の幅を、知り、現実的な価格を、設定する必要があります。

デメリット2:時間と、手間がかかる

M&Aは、準備から完了まで、数か月から、1年以上、かかることもあります。資料の準備、買い手との交渉、デューデリジェンスへの対応など、経営者の負担は、大きくなります。日常の経営と、並行して進めるため、体制を、整える必要があります。

デメリット3:情報が漏れるリスクがある

M&Aの話が、従業員や、取引先に、早く伝わると、従業員の不安や、取引先の離反につながるおそれがあります。秘密保持を、徹底する必要があります。

デメリット4:売却後の、制約がある

事業譲渡の場合は、会社法第21条により、事業を譲渡した会社は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村と、これに隣接する市町村の区域内で、事業を譲渡した日から20年間は、同一の事業を行ってはならないとされています。株式譲渡でも、契約で、売却後の競業の禁止や、一定期間の、経営の関与を、求められることがあります。

デメリット5:契約後の責任を、負う場合がある

売却の契約では、売り手が、会社の状況について、事実であることを保証する「表明保証」を、求められるのが一般的です。保証した内容が、事実と異なっていた場合は、損害を賠償する責任を、負うことがあります。契約の条項は、慎重に、確認する必要があります。

デメリット6:従業員や、取引先の同意が得られないことがある

事業譲渡では、従業員や、取引先の同意が、必要な場合があります。同意が得られないと、事業の引き継ぎが、できず、売却の価格にも、影響します。

デメリット7:売却後の、経営者の役割の変化

売却のあと、経営者が、会社に、残るのか、退くのかによって、その後の生活が、大きく変わります。買い手から、一定期間、引き継ぎのために、会社に、残ることを、求められることもあります。売却後の、自分の役割を、事前に、考えておくことが、大切です。

メリットとデメリットの整理

メリットとデメリットの整理

メリット デメリット・リスク
後継者の問題を、解決できる 希望の価格で、売れるとは限らない
売却の代金を、受け取れる 時間と、手間がかかる
従業員の雇用を、守れる 情報が漏れるリスクがある
取引先との関係を、維持できる 売却後の、競業避止などの制約がある
個人保証から、解放される場合がある 表明保証など、契約後の責任を、負う場合がある
事業が、成長する機会になる 従業員や取引先の同意が得られない場合がある

売却の方法による、違い

売却の方法による、違い

M&Aで、売り手になる場合の、主な方法には、株式譲渡と、事業譲渡があります。

  • 株式譲渡:会社そのものを、売却する方法。売り手の経営者個人に、譲渡益の税金がかかる。手続きは、比較的、簡単
  • 事業譲渡:事業の一部、または全部を売却する方法。売り手の会社に、法人税などがかかる。契約や、従業員を、個別に引き継ぐ必要がある

どちらが、有利かは、会社の状況によって、異なります。手法の違いは、別の記事「M&Aの手法とは?種類・選び方・税金の違いを解説」で、解説しています。

売却を、決める前に、確認しておきたいこと

売却を、決める前に、確認しておきたいこと

  • M&Aの目的は、何か(後継者問題の解決、資金の確保、事業の成長など)
  • 譲れない条件は、何か(従業員の雇用、取引先との関係、売却の価格など)
  • 売却後の、自分の役割と、生活の計画
  • 会社の価値は、どのくらいか(複数の評価方法で、試算する)
  • 売却した場合の、税金の負担は、どのくらいか
  • 相談できる、専門家(税理士、弁護士、M&A支援機関)は、いるか

中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版)」では、M&A支援機関への依頼のときに、手数料の算定の基準や、契約の内容を、確認することが、求められています。依頼先は、複数を比べて、選ぶことをおすすめします。

売却を、検討し始めたら、最初にやること

売却を、検討し始めたら、最初にやること

1. 会社の現状を、把握する

決算書を、確認し、会社の財産、借入、収益の状況を、整理します。役員への貸付金や、事業に関係のない資産など、整理すべき項目が、ないかも、確認します。

2. 専門家に、相談する

税理士や、公認会計士に、会社の価値の見立てと、売却した場合の、税金の試算を、依頼します。M&A支援機関にも、相談し、進め方を、確認します。

3. 秘密の管理の体制を、整える

M&Aの話を、知る人を、必要最小限に絞り、情報管理のルールを、決めます。

4. 従業員や、取引先への説明の計画を、立てる

いつ、誰に、どのように、説明するかを、あらかじめ、計画しておきます。説明のタイミングを、間違えると、不安や、混乱を招きます。

売却後の、経営者の選択肢

売却後の、経営者の選択肢

売却のあと、経営者には、いくつかの選択肢があります。どの道を選ぶかで、売却の条件も、変わります。

  • 完全に、引退する:売却と同時に、経営から退く。引き継ぎの期間は、短くなる傾向がある
  • 一定期間、会社に残る:買い手の求めで、顧問や、役員として、一定期間、引き継ぎを手伝う
  • 新しい事業を、始める:売却の資金を、新しい事業に、投資する。ただし、競業避止義務の範囲に、注意する
  • 投資や、地域の活動に、取り組む:資産の運用や、地域の活動に、時間を使う

売却のあとの、生活の資金を、どのくらい確保するかも、考えておく必要があります。税金を引いたあとの、手取りの額を、試算し、老後の資金や、家族の生活費の計画に、反映させます。

売却益の手取りの、イメージ(想定)

売却益の手取りの、イメージ(想定)

株式を売却した場合の、手取りの額の、イメージを示します。この例は、理解のための想定で、実際の金額を保証するものではありません。

  • 売却価格:8,000万円
  • 株式の取得費と、譲渡の費用の合計:1,000万円
  • 譲渡所得:8,000万円-1,000万円=7,000万円
  • 税金(約20.315%):7,000万円×約20.315%=約1,422万円
  • 手取り(概算):8,000万円-約1,422万円=約6,578万円

会社に、借入が残っていて、経営者の個人保証がある場合は、その扱いによって、手元に残る金額が、変わることもあります。仲介手数料などの費用も、かかります。売却の前に、手取りの額を、試算して、生活の計画を、立てておくことが、大切です。

売り手が、買い手を選ぶときの基準

売り手が、買い手を選ぶときの基準

売却の価格だけでなく、買い手の考え方や、体制も、重要な判断基準です。次のような点を、確認します。

  • 従業員の雇用や、労働条件を、守る考えがあるか
  • 取引先との関係を、大切にしてくれるか
  • 事業を、続けていく、資金や、体制があるか
  • 会社の理念や、文化を、理解してくれるか
  • 代金の支払いが、確実か(一括か、分割か、条件はあるか)
  • 売却後の、経営者の役割(引き継ぎの期間など)について、無理のない条件か

価格が、高くても、従業員や取引先に、配慮のない買い手の場合は、事業が、うまく引き継がれず、長い目で見て、後悔につながることもあります。価格と、それ以外の条件を、総合的に、比べて、判断してください。

売却の時期の考え方

売却の時期の考え方

会社の売却は、業績が、良い時期に、検討を始めるのが、一般的です。業績が、下がってから、売却を考えると、希望する条件で、成立しにくくなります。経営者の、年齢や、健康の状態も、考慮してください。売却の準備には、時間がかかるため、「まだ早い」と思う時期から、情報を集め、専門家に、相談しておくことをおすすめします。

売り手のM&Aに関する、よくある質問

売り手のM&Aに関する、よくある質問

Q1. 会社が赤字でも、売却できますか?

赤字でも、売却できる場合があります。顧客、技術、従業員、許認可などに、価値があれば、買い手が、見つかることがあります。ただし、価格は、低くなる傾向があります。赤字の理由や、改善の見込みを、説明できるようにしておくことが、大切です。

Q2. 売却を決めたら、従業員には、いつ伝えますか?

一般的には、買い手との、基本的な合意が、できたあとなど、一定の段階で、伝えます。早く伝えすぎると、不安を招き、遅すぎると、不信感につながります。タイミングは、専門家と、相談しながら、決めてください。

Q3. 仲介会社に払う手数料は、どのように決まりますか?

中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版)」によると、手数料の体系は、着手金、月額報酬、中間金、成功報酬など、支援機関によって異なります。契約の前に、手数料の算定の基準、最低手数料、支払いの時期、手数料以外に必要な費用などを、書面で、説明を受け、複数の支援機関を、比べることが、大切です。

Q4. 売却の相談を、すると、必ず、売らなければいけませんか?

いいえ。相談したからといって、売却する義務は、ありません。会社の価値の見立てや、選択肢を知るために、相談することは、有効です。売却するか、続けるかは、自分で決められます。

M&Aと事業承継のお悩みはストラーダグループへ

M&Aと事業承継のお悩みはストラーダグループへ

ストラーダグループでは、税理士や公認会計士などの専門家が連携して、中小企業のM&Aや事業承継を、サポートしています。会社の価値の見立て、売却した場合の税金の試算、手法の選択、デューデリジェンスへの対応、売却後の税務の支援まで、一貫してご相談いただけます。初回のご相談は無料です。お気軽にご相談ください。

※本記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。制度や税制は変更されることがあるため、手続きの前に、中小企業庁、国税庁などの公式情報をご確認ください。

ストラーダグループ

ストラーダグループは日本橋、水天宮前、人形町、茅場町の
税理士・社労士・司法書士・行政書士・公認会計士・FP・宅建士が在籍している士業の専門家集団です。
無料相談のご予約は下記にてお願いいたします。

無料相談予約案内

お電話から予約はこちら 0120-709-459 平日:9:00-18:00

メールお問い合わせ

LINEで予約

この記事の監修者
山田 直輝
税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
プロフィールを見る

あなたにおすすめの記事

M&Aにかかる税金と節税の考え方!株式譲渡・事業譲渡を解説

2024.07.2 M&A

M&Aにかかる税金と節税の考え方!株式譲渡・事業譲渡を解説

2024.06.18 M&A

M&Aスキームの基本とポイントを公認会計士が解説!

2024.06.18 M&A

【上場後の成長戦略】スタートアップのためのM&A活用法

新着記事

振込遅延を防ぐ経理の振込業務と資金繰り管理【税理士無料相談】

2026.10.25 財務支援

振込遅延を防ぐ経理の振込業務と資金繰り管理【税理士無料相談】

家族信託を活用した収益物件の売買と資産承継

2026.10.25 家族信託

家族信託を活用した収益物件の売買と資産承継

不動産賃貸オーナー企業の事業承継・M&Aと相続税対策

2026.10.25 事業継承

不動産賃貸オーナー企業の事業承継・M&Aと相続税対策

 

TOPへ戻る