本記事では中小規模のM&Aにおける売却金額の計算方法について解説します。
本記事は方向けの記事です。
Contents
中小企業の経営者
自社を売却したい、または売却の可能性を検討している中小企業の経営者。
会社の価値を理解し、適正な売却価格を知りたいと考えている人。
M&Aを検討しているビジネスオーナー
企業買収や売却を検討しているビジネスオーナーや投資家。
M&Aの基本知識を習得し、売却金額の計算方法を知りたい人。
M&Aアドバイザーやコンサルタント
中小企業向けのM&Aを支援するアドバイザーやコンサルタント。
クライアントに対して分かりやすくM&Aの売却金額の計算方法を説明したい人。
会計士や税理士
中小企業の会計や税務を担当し、M&Aに関するアドバイスを提供する専門家。
クライアント企業の価値を評価し、最適な売却金額を提案したい人。
経営企画部門の担当者
企業内でM&A戦略を担当している経営企画部門の担当者。
会社の売却や買収に関する知識を深め、実務に役立てたい人。
MBAやビジネススクールの学生
将来的にM&Aに携わる可能性のあるビジネススクールの学生やMBA取得を目指している人。
理論と実務の両面からM&Aの知識を学びたい人。
これらのターゲットは、M&Aの基本的な知識を持ちながらも、具体的な売却金額の計算方法や実務的なポイントを知りたいと考えている層です。
売却金額の計算方法
M&Aにおける売却金額の計算方法には、いくつかの方法があります。
本日は、その代表的な3つの方法について説明します。
時価純資産法
市場株価法(EBITDA倍率法)
DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)
1.時価純資産法
まず最初に、時価純資産法について説明します。これは、貸借対照表に基づいて企業の純資産を算出する方法です。貸借対照表には、現金や預金、売掛金、機械、土地などの資産が記載されています。これらの資産の時価を計算し、負債を差し引いた額が純資産となります。
具体的な例として、以下のように計算します。
資産総額: 1億1000万円
負債総額: 2億円
時価純資産: 1億1000万円 – 2億円 = -9000万円
しかし、土地や建物などの時価評価が重要です。例えば、バブル期に購入した土地の価値が現在下がっている場合、その減価を反映させる必要があります。
2. 市場株価法(EBITDA倍率法)
次に、市場株価法について説明します。これは、企業のEBITDA(営業利益+減価償却費)に業界の平均倍率を掛けて企業価値を算出する方法です。
例えば、以下のように計算します。
EBITDA: 3000万円
業界倍率: 5.6倍
企業価値: 3000万円 × 5.6 = 1億6800万円
この方法は、企業の現金創出能力を評価し、それに業界の平均的な倍率を掛けることで企業価値を算出します。
3. DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)
最後に、DCF法について説明します。これは、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて企業価値を算出する方法です。
例えば、以下のように計算します。
将来キャッシュフロー: 3000万円/年
割引率: 10%
企業価値: 1億1375万円(5年間のキャッシュフローを割引現在価値で計算)
この方法は、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引くことで、企業の真の価値を評価します。
まとめ
以上、3つの方法を用いて企業の売却金額を計算する方法について説明しました。各方法の結果は以下の通りです。
時価純資産法: 2億円
市場株価法: 1億6800万円
DCF法: 1億1375万円
これらの方法を組み合わせて、最も有利な売却金額を算出することが重要です。売り手として、自社の価値をしっかりと理解し、適切な売却金額を設定しましょう。