国民年金保険料の控除証明書は、年末調整や確定申告で社会保険料控除を受けるために欠かせない書類です。ところが、毎年秋にはがきで届くため、「国民年金の控除証明書をなくしてしまった」「いつ届くのか分からない」というご相談を多くいただきます。
この記事では、国民年金保険料の控除証明書の再発行のやり方を中心に、届く時期や電子データでの受け取り方、年末調整・確定申告での使い方、家族の分や前納した場合の扱いまで、2026年(令和8年)分の最新情報をもとに分かりやすく解説します。
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国民年金の控除証明書とは?

国民年金の控除証明書(正式名称:社会保険料(国民年金保険料)控除証明書)は、その年に納付した国民年金保険料の金額を証明する書類で、日本年金機構から送られてきます。
国民年金保険料は、1年間に納めた全額が「社会保険料控除」の対象になり、所得税や住民税を計算するときに所得から差し引くことができます。1年分の保険料は20万円を超えるため、その全額が控除されることで、税負担を大きく軽くできます。
健康保険料や厚生年金保険料のように給与から天引きされる保険料と違い、国民年金保険料は自分で納めるものです。そのため、勤務先や税務署は納付額を把握しておらず、年末調整や確定申告で控除を受けるには、この控除証明書を提出(または提示)する必要があります。
国民年金保険料の控除でどれくらい税金が減る?
2026年度(令和8年度)の国民年金保険料は月額17,920円で、2025年度の17,510円から410円上がりました。2026年1月から12月までの1年分を毎月納めた場合、納付額は1〜3月分(17,510円×3か月)と4〜12月分(17,920円×9か月)を合わせて21万3,810円になります。
この全額が社会保険料控除の対象になるため、たとえば所得税率が10%の人であれば、所得税と住民税(税率10%)を合わせて年間で約4万3,000円税金が少なくなる計算です(所得税には復興特別所得税を含みます)。控除証明書をなくしたまま申告を忘れると、これだけの節税効果を失うことになるため、必ず控除を受けるようにしましょう。
なお、老齢基礎年金を増やすために月400円の付加保険料を納めている場合は、その金額も控除証明書に含まれ、社会保険料控除の対象になります。国民年金基金の掛金も社会保険料控除の対象ですが、こちらは国民年金基金から別の控除証明書が届きます。iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」という別の控除になるため、申告書に記入する欄を間違えないよう注意しましょう。
控除証明書が必要になる人
控除証明書が必要になるのは、主に次のような人です。
- 個人事業主やフリーランスで、自分で国民年金保険料を納めている人
- 年の途中で会社を退職し、国民年金に切り替えて保険料を納めた人
- 家族(配偶者や子など)の国民年金保険料を代わりに納めている会社員
- 学生の子の保険料を親が納めている家庭
国民年金の控除証明書はいつ届く?

国民年金の控除証明書は、日本年金機構から毎年送られてきます。届く時期は、保険料を納めた時期と受け取り方法によって次のように分かれています。
| 保険料を納めた時期 | はがき(郵送) | 電子データ(マイナポータル) |
|---|---|---|
| 2026年1月〜9月 | 2026年10月23日から11月上旬にかけて順次 | 2026年10月16日から10月下旬にかけて順次 |
| 2026年10月〜12月(1月〜9月に納付がない人) | 2027年2月上旬 | 2027年1月下旬から順次 |
1月から9月までに納付がある人には、その年の9月末までの納付額と、12月末までの納付見込額が記載された控除証明書が届きます。年末調整に間に合うように届くため、届いたらすぐに勤務先に提出できるよう大切に保管しておきましょう。
なお、10月以降に初めて保険料を納めた人の控除証明書は、翌年2月上旬に届きます。年末調整には間に合わないため、確定申告で控除を受けることになります。
国民年金の控除証明書を再発行するやり方

控除証明書をなくしたり、汚したりしてしまった場合でも、再発行(再交付)してもらうことができます。再発行の方法は、主に次の3つです。
ねんきんネットで再交付を申請する
日本年金機構の「ねんきんネット」にログインし、「通知書の再交付申請」から申請する方法です。24時間いつでも申請でき、申請を受け付けてから1週間程度で発送されます。
マイナポータルから「ねんきんネット」にログインしている場合は、受け取り方法として電子送付(マイナポータルの「お知らせ」に届く)も選べます。電子送付なら、郵送よりも早く手元に届くのが特徴です。
なお、「ねんきんネット」の画面で見られる控除証明書のPDFは「お客様控」で、年末調整や確定申告の添付書類としては使えないため注意しましょう。
電話で再交付を依頼する
控除証明書をなくした場合や破れてしまった場合は、日本年金機構の「ねんきん自動音声送付受付サービス」に電話して、再交付を依頼することもできます。音声ガイダンスに従って操作すると、登録されている住所に控除証明書が送られてきます。
電話番号や受付時間は、日本年金機構のホームページで最新の案内を確認してください。24時間対応の「控除証明書相談チャット」も用意されています。
年金事務所の窓口で相談する
急いでいる場合や、住所が変わっていて郵送先の確認が必要な場合などは、最寄りの年金事務所の窓口で相談する方法もあります。来所する際は、本人確認書類と基礎年金番号が分かるもの(基礎年金番号通知書や年金手帳など)を持参しましょう。
再発行の前に確認しておきたいこと
再交付される控除証明書は、申請した時点の納付状況をもとに作られます。保険料を納めたばかりの場合は、納付の情報が反映されるまでに時間がかかることがあるため、「ねんきんネット」などで納付記録を確認してから申請すると安心です。
また、基礎年金番号が分からない場合は、マイナンバーカードを使って「ねんきんネット」にログインすれば、基礎年金番号を入力しなくても手続きを進められます。
控除証明書が届かないときに確認すること
送付の時期を過ぎても控除証明書が届かない場合は、次のような理由が考えられます。
- 引っ越し後に住所変更が反映されておらず、旧住所に送られている
- その年の1月〜9月に納付がなく、翌年2月上旬の送付対象になっている
- 保険料の免除や納付猶予を受けていて、その年の納付額がない
- 電子送付を登録しているため、はがきではなくマイナポータルに届いている
まずはマイナポータルの「お知らせ」や「ねんきんネット」で納付状況と送付状況を確認し、それでも見当たらない場合は、再交付を申請しましょう。
国民年金の控除証明書をマイナポータルで受け取る方法

控除証明書は、はがきだけでなく電子データでも受け取れます。「ねんきんネット」で電子送付の希望を登録しておくと、毎年マイナポータルの「お知らせ」に控除証明書の電子データが届きます。
電子データで受け取るメリットは、次のとおりです。
- はがきより早く届き、紛失の心配がない
- e-Taxで確定申告をするときに、控除額を自動で入力できる
- 勤務先が対応していれば、年末調整でも電子データで提出できる
電子送付を登録すると、書面の控除証明書は郵送されなくなります。紙で提出する必要がある場合は、「ねんきんネット」から書面での再交付を申請しましょう。
国民年金の控除証明書の使い方(年末調整・確定申告)

会社員は年末調整で提出する
会社員の場合は、勤務先に提出する「保険料控除申告書」に国民年金保険料の金額を記入し、控除証明書を添付して提出します。家族の分を納めている場合も、同じ申告書に記入して控除証明書を添付すれば、年末調整で控除を受けられます。
個人事業主などは確定申告で申告する
個人事業主やフリーランス、年末調整を受けていない人は、確定申告書の「社会保険料控除」の欄に、その年に納めた国民年金保険料の金額を記入します。
書面で提出する場合は控除証明書を添付するか、提出時に提示します。e-Taxで申告する場合は、控除証明書の記載内容を入力すれば添付を省略できます。ただし、税務署から求められたときに提示できるよう、申告期限から5年間は控除証明書を保管しておく必要があります。
年末調整に間に合わなかった場合
控除証明書をなくして年末調整に間に合わなかった場合でも、あきらめる必要はありません。再発行した控除証明書を使って、翌年の確定申告で社会保険料控除を受けることができます。確定申告をすれば、払い過ぎた所得税が還付されます。
家族の分や前納した場合の国民年金の控除

家族の国民年金保険料を納めた場合
生計を一にする配偶者や子などの国民年金保険料を自分が納めた場合は、その保険料も自分の社会保険料控除の対象になります。たとえば、大学生の子の国民年金保険料を親が納めている場合は、親の所得から控除できます。
この場合、控除証明書は保険料を納めた本人ではなく、被保険者である家族の名前で届きます。年末調整や確定申告では、家族宛てに届いた控除証明書を添付する必要があるため、家族にも保管をお願いしておきましょう。
過去の分をまとめて納めた場合や追納した場合
社会保険料控除は、保険料を実際に支払った年に受ける控除です。納め忘れていた過去の年度分の保険料をまとめて納めた場合も、納めた年の社会保険料控除として申告します。
また、学生納付特例や免除を受けていた期間の保険料を後から納める「追納」をした場合も、追納した年の控除の対象になります。追納は過去10年以内の期間について行うことができ、将来受け取る年金額を増やしながら、その年の税負担も軽くできるのがメリットです。
2年前納や1年前納をした場合
国民年金保険料を前納した場合は、次のどちらかの方法で控除を受けられます。
- 納めた年に、前納した保険料の全額をまとめて控除する
- 前納した保険料を、それぞれの年の分に分けて控除する
2年前納などで翌年以降の分も納めた場合、控除証明書は年ごとに切り離せる形(最大3枚)で届きます。全額をまとめて控除する場合はすべてを添付し、年ごとに分けて控除する場合は、その年の分だけを切り離して使い、残りは翌年以降のために大切に保管しておきましょう。
国民年金の控除証明書をなくさないための工夫

控除証明書は毎年同じ時期に届くため、届く時期を覚えておくだけでも紛失を防ぎやすくなります。はがきが届いたら、源泉徴収票や生命保険料の控除証明書など、年末調整や確定申告で使う書類と同じ場所にまとめて保管しておくと安心です。
毎年なくしてしまう人や、書類の管理が苦手な人は、マイナポータルでの電子送付に切り替えるのがおすすめです。電子データならなくす心配がなく、確定申告の入力も簡単になります。
控除証明書がないまま申告すると、社会保険料控除が認められず、税金を多く納めることになりかねません。なくしたことに気づいたら、早めに再発行の手続きを行いましょう。
国民年金の控除証明書は再発行できるので早めに手続きを

国民年金の控除証明書は、なくしてしまっても「ねんきんネット」や電話、年金事務所の窓口で再発行できます。毎年10月下旬から11月上旬にはがきで届くため、年末調整の時期に慌てないよう、届いたらすぐに保管場所を決めておきましょう。
家族の分を納めている場合や前納している場合は、控除の受け方に注意が必要です。マイナポータルでの電子送付も上手に活用しながら、国民年金保険料の社会保険料控除を漏れなく受けましょう。分からないことがあれば、日本年金機構の控除証明書相談チャットや年金事務所に問い合わせるのも一つの方法です。
あわせて、「【確定申告】国民年金保険料控除の証明書で領収書は必要?」や「税理士に確定申告を依頼するときの費用・料金をご紹介!」もご覧ください。
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