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税務調査
2025.12.10 税務調査

税務調査で個人・法人が知るべき流れと注意点【税理士】

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税務調査は、法人・個人事業主を問わず、事業を営む以上は避けて通れない可能性がある手続きのひとつです。

正しく申告しているつもりでも、「指摘されたらどうしよう」「調査が来ないまま何年も過ぎているけれど問題はないのか」という不安を抱える方も少なくありません。

実際、税務調査は事業規模に関係なく幅広い納税者に対して実施されており、調査で重視される事項や当日の対応次第では、追加の税負担が大きく変わる場合もあります。

本記事では、税務調査の種類や基本的な流れ、調査対象となりやすいケース、スムーズに調査を乗り切るためのポイントを、税理士の視点から詳しく解説します。

税務調査とは?

税務調査とは?
税務調査とは、納税者が行った申告内容が適切であるかどうかを、税務署が客観的に検証するために行われる調査のことです。

日本の税制は、納税者が自らの責任で税額を計算し、申告・納税を行う「自己申告制度」を採用しているため、申告内容が法令に沿って処理されているかを定期的に確認する必要があります。

調査と聞くと、不正を疑われているように感じる方もいますが、必ずしもそれが理由ではありません。長期間調査が行われていない場合や、取引内容が複雑で税務署が具体的な状況を把握する必要がある場合など、申告の正確性を見極めるために実施されるケースも多数あります。

税務調査では、過去3年分を中心に、売上・仕入・経費・預金取引・契約書・帳簿など、幅広い資料が対象となります。不自然な取引や記帳漏れが見つかった際には追徴課税につながる可能性もあるため、日頃から帳簿の整備と証憑の保存を徹底しておくことが欠かせません。

税務調査の種類

税務調査の種類

任意調査

任意調査は、税務署が広く実施しているもっとも標準的な形式の税務調査です。調査は納税者の同意を前提として行われ、事前に調査日程の連絡があり、帳簿や資料を提示しながら説明する形で進められます。任意調査は、以下の2種類に分かれます。

<実地調査>
税務調査官が事務所や店舗に来訪し、帳簿書類を確認します。多くの企業や個人事業主が対象になる調査です。

<簡易な節解>
電話・書面での確認が中心で、特定項目の不明点のみを問い合わせる形式です。調査期間は短いです。

強制調査(犯則調査)

強制調査は、脱税の疑いが強い場合に、「マルサ」と呼ばれる国税局査察部が担当する特別な調査のことです。裁判所の令状に基づき、納税者の同意なしに立ち入りができる点が特徴です。帳簿・パソコン・資料などの押収が行われる可能性もあります。

強制調査は、悪質な脱税や架空取引、売上除外など、故意による不正が疑われる場合に実施されるもので、通常の申告水準で事業を行っている企業や個人事業主が調査対象となるケースは極めて稀です。

税務調査の基本的な流れ

税務調査の基本的な流れ

税務署からの事前通知

税務調査は、税務署からの事前通知によって始まります。通知は原則として電話で行われ、実地調査の10日~2週間前を目安に連絡が入ります。

対象となる税目や期間、確認が必要な帳簿書類、調査に従事する職員の氏名など、当日の準備に必要な情報が伝えられるため、重要事項は必ずメモしておきましょう。

税理士ありの場合

税務代理権限証書を提出している場合、事前通知はまず顧問税理士に直接行われます。税理士が予め内容を整理し、調査に向けて必要な書類準備や対応方針を助言することで、納税者側の負担は大幅に軽減されます。

税理士なしの場合

通知はすべて事業者本人に届くことから、伝えられた内容を正確に把握し、自身で準備を進めておく必要があります。

また、通知を無視したり放置したりすると、職員が直接事務所や自宅を訪れることもあります。正当な理由なく調査を拒否すると罰則の対象となるおそれもあるため、落ち着いて冷静に対応する姿勢が求められます。

税務調査の日程を決める

通知を受け取った後は、調査担当者と相談しながらいつ・どのように調査を進めるかを決めていきます。一般的には2~3日程度で完了しますが、事業規模や取引内容の複雑さによっては長期間に及ぶこともあります。

税理士ありの場合

日程を調整する段階から税理士が関わることで、調査の目的や進行手順を踏まえたうえで、無理のないスケジュールを組むことができます。また、調査当日は税理士が質問への対応や書類の説明を主体的に行ってくれるため、事業者は必要な情報提供に集中でき、調査全体が円滑に進みやすくなります。

税理士なしの場合

日程調整から当日の対応まで、すべて事業者自身が行う必要があります。調査当日は、事業内容を正確に説明できるキーパーソンや経理担当者の立ち会いが欠かせません。スムーズに対応するためにも、日程が確定した段階で関係者の予定を早めに押さえておくことが大切です。

必要書類を揃える

税務調査では、以下のような資料を求められます。各資料は事前に分かりやすく整理しておき、職員から質問があった際に根拠となる書類をすぐに取り出せる状態にしておくことをおすすめします。

書類名 主な用途
総勘定元帳・仕訳帳・現金出納帳 記帳内容の正確性や資金の流れを把握するために不可欠な基礎資料。
売上・仕入の明細 売上や仕入の計上が適正なタイミングと金額で処理されているかを検証するための資料。
預金通帳・入出金明細 帳簿と実際の資金移動が一致しているか、記載漏れや売上除外の有無を照らし合わせる際に必要な書類。
請求書・領収書・契約書 取引の実態や金額の妥当性を示す書類であり、経費計上の根拠として精査される。
給与台帳・源泉徴収簿 給与支払いや源泉徴収が法令に沿って処理されているかを確認する際に必要な資料。
棚卸表・在庫管理資料 期末在庫の数量・評価が適正かどうかを判断し、売上原価の計算が正しく行われているかを把握するために使用される。
税務申告書の控え・決算書 申告内容と帳簿の整合性を確認するための基礎資料として扱われる。

税務調査当日

当日は、税務調査官が事務所を訪れ、各書類に目を通しながら、申告内容の適正性を確認していきます。まず最初に調査の趣旨や進め方について説明があり、その後代表者や経理担当者に対して、事業内容や会計処理に関するヒアリングが行われます。

ヒアリングをもとに帳簿や証憑類の精査が進み、必要に応じて追加資料の提出を依頼される場合もあります。

税務署職員からの質問に答える

調査中は、事業内容・売上計上の方法・経費の使途・現金管理の方法など、さまざまな質問を受けます。回答に迷った場合はその場で曖昧に答えず、「確認してからお伝えします」と伝える方が安全です。矛盾のある回答や場当たり的な説明は、調査担当者の疑念を深める要因になります。

調査結果の通知

調査が終了すると、後日あらためて「調査結果の説明」が行われます。追加の税金が発生する場合には、指摘内容とその理由が説明され、必要に応じて修正申告の手続きが案内されます。

結果に合わせた対応を行う

指摘内容に納得し、追徴税額が生じる場合には、修正申告を行い、不足している税額を納付する必要があります。その際、内容によっては延滞税や加算税が課されることもあるため、できるだけ早めに手続きを進めておくことが望まれます。

税務調査の対象になりやすい個人・法人の特徴

税務調査が「いつ来るのか」「自分が対象になる確率はどれくらいなのか」といった点は弊社にも多く寄せられるご相談のひとつです。

税務調査は、ランダムに実施されているわけではなく、日々の取引の記録状況や事業の内容、収益の増減など、税務署が確認すべき項目が多いと判断した納税者から優先的に選定される傾向があります。

ここでは、調査対象になりやすい個人・法人の特徴について、それぞれ具体的に解説します。

個人

個人

無申告や申告の遅延を繰り返している

無申告や申告の遅延が続くと、適切な記帳や帳簿管理が行われていない可能性が高いと判断され、税務調査の対象として注目されやすくなります。また、延滞税や無申告加算税のリスクも大きくなるため、常に期限内申告を行うことが欠かせません。

現金取引が多い業種

飲食店や小売業など、現金取引が中心となる業種では、売上除外が発生する可能性が相対的に高いと見なされるため、帳簿上の売上と実際の現金の動きが一致しているか厳しく確認されます。

現金管理の方法や精度は事業者によって差があることから、調査ではレジの記録(ジャーナル)、仕入れに関する請求書、銀行口座への入金記録といった資料を照らし合わせながら、実際の営業状況を把握していきます。

経費に不審な点がある

事業とプライベートの支出が混在している場合、家事按分の処理が適切かどうかを見極める必要があるため、税務調査の対象となりやすくなります。

また、クレジットカードやキャッシュレス決済が広く普及したことで、支出履歴は残る一方、その内容や按分割合の妥当性が不明確になりやすい側面があります。こうした背景から、事業用と私用の費用区分はこれまで以上に明確であることが求められています。

新しい分野の事業を営んでいる

動画配信やインフルエンサー、暗号資産取引などの新しいビジネスモデルは、収益の流れが複雑になりやすく、税務上の判断も難しくなることがあります。そのため、売上計上や経費処理の妥当性を検証する必要性が高く、調査対象として選ばれやすい分野といえます。

長期的に税務調査が入っていない

税務調査は、約3〜5年の周期で行われることが一般的です。この期間を大きく超えて10年以上調査が行われていない事業者は、申告内容に不備がないかを確かめるために対象となる可能性があります。

法人

法人

事業規模が大きくなった

法人の売上規模が大きくなるほど税額も増えるため、税務調査の優先度が高くなります。とくに複数の事業を展開している企業では、部門ごとの収益認識や経費の配分など、確認すべき事項が多くなることから、税務署が注目しやすい傾向があります。

売上が大きく変動した

短期間で売上が急増または急減した場合は、売上計上の時期や棚卸資産の評価方法が妥当かどうかを確認する必要があります。事業構造の変化や新規取引先の増減があるケースも調査対象となりやすく、税務署はその変動について帳簿で説明できる状態になっているかを重視します。

新規事業を開始した

新たに事業を立ち上げた法人では、収益の構造や経費の区分が従来と大きく変わるため、申告内容に誤りが生じる可能性が高くなります。さらに、複数の事業を並行して行う場合は、売上や経費の振り分けが複雑になることから、状況を把握するために税務署が調査を行う場合があります。

過去に不正の指摘を受けたことがある

以前の税務調査で修正申告が必要となった法人は、その後の帳簿管理や会計処理が改善されているかを確認するため、再び調査の対象となるケースが多く見られます。改善が十分でないと判断された場合、税務務調査の頻度が高まるだけでなく、より詳細な調査が行われる可能性もあります。

開業後3年以上が経過している

新設法人は設立直後よりも、事業が安定して収益の動きが見えやすくなる3年目以降に調査対象になりやすい傾向があります。赤字から黒字へ転じる時期や、経費計上の内容が一定してくるタイミングでもあるため、税務署が事業実態をより把握しやすい時期として位置づけられています。

消費税の還付を受けている

輸出業や設備投資が多い業種など、消費税の還付申告が行われる法人は、仕入税額控除が正しく計算されているかを確認するために調査が入りやすくなります。特に還付額が大きい場合には、証憑の整備状況や取引の実在性について、より踏み込んだチェックが行われることがあります。

税務調査をスムーズに実施するためのポイントと注意点

税務調査をスムーズに実施するためのポイントと注意点

誠実に対応する

調査担当者には、事実に基づいた丁寧な姿勢で向き合うことが大切です。情報を隠したり曖昧な説明をしたりすると、不必要な疑念を招き、調査が長引く原因にもなります。

質問には分かる範囲で正確に答え、必要な資料はできるだけ速やかに提示するなど、誠実な対応を意識することで、調査がスムーズに進みやすくなります。

一貫性を意識して正確に答える

税務調査では、代表者・経理担当者・従業員へのヒアリング内容に矛盾がないかどうかという点も大きなチェックポイントとなります。日頃から経費のルールや業務フローを社内で共有しておくことで、一貫した回答がしやすくなり、不要な疑念を招かずに済みます。

雑談にも注意すること

調査担当者によっては、あえて雑談を交えながら、書類だけでは把握できない日々の業務の流れや運用実態を探ろうとする場合があります。

たとえば、「現金売上の管理が曖昧になっている」「私的な支払いを事業用カードで行ったことがある」といった何気ない一言が、追加の確認や調査につながります。

調査時の雑談であっても、話の範囲を必要以上に広げず、事実に基づいて簡潔に答えるようにしましょう。

手元に残したい書類はコピーしておく

税務署に依頼された資料の提出は、原本が原則です。必ず返却を確認しましょう。必要があればコピーを取って渡しましょう。

ミスを発見した場合、事前に修正申告を行う

税務調査の前に申告内容の誤りを見つけた場合は、早めに修正申告を行う方が結果的に有利です。調査で指摘された場合と比較して加算税が軽減されます。

自ら訂正を行うことで、調査範囲が過度に広がることを防ぐ効果も期待できます。

顧問税理士を持つ

税務調査では専門的な判断が求められる場面が多く、納税者だけで対応するのは負担が大きくなりがちです。顧問税理士が同席していれば、質問への回答整理や事実に基づいた説明など、必要な場面で手厚いサポートを受けられます。

税務調査は日頃の準備と正しい知識が最大の防御策!

税務調査は日頃の準備と正しい知識が最大の防御策!
税務調査は、突然の連絡や不慣れな対応によって不安を感じやすいものですが、正しい知識と日々の適正な帳簿管理ができていれば、過度に恐れる必要はありません。調査の流れを理解し、書類の整理や記帳の徹底、社内での情報共有を進めておくことで、多くのリスクは事前に防ぐことができます。

ストラーダグループでは、税務調査への立ち会いや事前対策、帳簿・申告内容のチェックなど、事業者様が安心して本業に専念できるよう総合的なサポートを提供しています。

プロが介入することで、調査対応は単なる“守り”にとどまらず、経営基盤を磨き上げる“攻めの改善”へと進化します。税務に不安がある場合や調査に備えたい方は、お気軽にご相談ください。

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