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2026.06.26 確定申告

住宅の建て替えで補助金を受けた場合の確定申告・住宅ローン控除【税理士無料相談】

住宅の建て替えで補助金を受けた場合の確定申告・住宅ローン控除と国庫補助金等

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住宅の建て替えを機に「木造住宅耐震助成金」などの補助金を受け取った場合、確定申告ではどのように処理すればよいのか、迷われる方は少なくありません。補助金の取り扱いは、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の計算にも影響するため、正確な理解が求められます。特に、補助金を受けた場合の取得価格の扱いや、国庫補助金等の総収入金額不算入の規定は、見落としやすいポイントです。本稿では、補助金を受けた住宅の確定申告における実務上の取り扱いを整理します。

補助金を受けた住宅の確定申告で生じる疑問

住宅の新築や建て替えに際して、国や地方公共団体から補助金が交付されるケースが増えています。耐震改修や省エネ化に対する補助制度が整備されるなか、木造住宅の耐震助成金もその一つです。

こうした補助金を受け取った場合、確定申告においては主に二つの論点が生じます。一つは、住宅ローン控除の計算上、補助金を控除した後の金額を「取得価格」とする必要があること。もう一つは、補助金そのものが収入として課税されるのかという点です。

これらは互いに関連する論点であり、どちらか一方だけを確認していると、申告内容に漏れが生じる可能性があります。以下、それぞれの制度について整理します。

住宅ローン控除と補助金の関係:制度の概要

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)とは

住宅ローン控除は、一定の要件を満たす住宅の取得等に係る借入金の年末残高に応じて、所得税から一定額を控除できる制度です。控除額の計算には、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を用います。

この計算明細書には、住宅の取得価格を記入する欄があります。そして、国や地方公共団体から交付を受ける補助金がある場合は、その金額を別途記入する欄が設けられており、取得価格から補助金相当額を差し引いた金額が控除計算の基礎となります

補助金がある場合の取得価格の考え方

住宅ローン控除の趣旨は、自己資金と借入金を合わせて実際に負担した費用に対して税制上の優遇を与えることにあります。補助金は実質的に取得費用の一部を国や自治体が負担するものであるため、控除計算においては取得価格から除く扱いが原則です。

具体的には、計算明細書の「取得対価の額」の欄に住宅の総取得価格を記入し、「交付を受ける補助金等の額」の欄に補助金額をそのまま記入します。差引後の金額をもとに、住宅ローン控除の対象となる金額が算定される仕組みです。

建て替えの場合も対象となるか

住宅ローン控除は「新築」だけでなく、「建て替え」による取得も対象となります。建て替えとは、既存の建物を解体して同一敷地に新たな建物を建築することを指しますが、税法上は「新たな家屋の取得」として扱われます。

木造住宅耐震助成金のような補助金を建て替えに際して受けた場合も、新築の場合と同様に取得価格から差し引いて計算することになります。補助金が建て替えを対象としたものであれば、適用上の問題はないと整理されています。

国庫補助金等の総収入金額不算入とは

補助金は原則として収入扱いとなる

国や地方公共団体から交付を受ける補助金は、所得税法上は原則として「収入金額」に含まれます。事業者が受け取る補助金は事業所得の収入として計上するのが原則であり、個人が住宅取得に関連して受け取る補助金も同様の考え方が出発点となります。

しかし、すべての補助金が課税対象となるわけではありません。一定の要件を満たす国庫補助金等については、所得税法第42条に基づき、総収入金額に算入しないことが認められています。

総収入金額不算入の要件と手続き

所得税法第42条(国庫補助金等の総収入金額不算入)が適用されるためには、補助金が一定の要件を満たしていること、および申告にあたって「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を確定申告書に添付することが必要です。

この明細書の添付が、総収入金額不算入の適用を受けるための実務上の手続きとなります。明細書には、補助金の種類・交付者・金額・対象資産などを記載します。記載内容に不備があると適用が認められない場合もあるため、慎重な確認が求められます。

住宅取得に関連する補助金への適用

木造住宅耐震助成金のような住宅取得・建て替えに関連する補助金は、国や地方公共団体が政策目的で交付するものであり、所得税法第42条の適用対象となる補助金に該当しますが、家賃助成や引越し費用の助成などは、資金を新しく手に入れたり、価値を高めたりするものではないため対象外となります。

いずれにしても、補助金の種類や交付主体によって取り扱いが異なりますのでがあるため、具体的な補助金が同条の対象となるかどうかは、交付要綱の内容や税務署への確認を経て判断することが望ましいといえます。

確定申告における実務上の確認ポイント

計算明細書への入力方法

住宅ローン控除を適用する場合、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に必要事項を記入します。補助金を受けた場合の入力の流れは以下のとおりです。

  • 住宅の総取得価格(補助金控除前)を「取得対価の額」欄に入力する
  • 受けた補助金の金額を「交付を受ける補助金等の額」欄にそのまま入力する
  • 差引後の金額が控除計算の基礎となる「住宅の取得等の対価の額または費用の額」として反映される

補助金の金額は、実際に交付が確定した金額を入力します。交付予定の金額ではなく、確定した受取額を記載することが実務上の基本的な取り扱いです。

添付書類の準備

補助金を受けた場合の確定申告では、通常の住宅ローン控除に必要な書類に加えて、補助金関連の書類が必要となります。

書類名 目的・用途
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 住宅ローン控除額の計算・申告に使用
国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書 補助金の総収入金額不算入の適用を受けるために添付
補助金の交付決定通知書・受領証明書等 補助金の受給事実を証明する参考書類
建物の登記事項証明書・売買契約書等 取得年月日・取得価格の確認に使用
住宅ローンの年末残高等証明書 借入金残高の確認に使用

これらの書類は、税務署への提出または保存が求められます。書類の準備漏れがないよう、申告前に一括して確認しておくことが必要です。

e-Taxでの申告における対応

e-Taxや国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用して申告する場合も、入力の流れは紙の申告と基本的に同じです。補助金額の入力欄は計算明細書の作成画面に設けられており、金額を入力することで自動的に控除計算に反映されます。

「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」については、e-Tax上では作成できませんので別途国税庁のホームページからPDFデータを入手し記入の上・添付することになります

よくある誤解と見落としやすいポイント

誤解①:補助金は申告不要と思っている

補助金を受け取っても確定申告で特別な対応は不要と考えている方がいますが、住宅ローン控除を適用する場合は補助金額を計算明細書に反映させる必要があります。補助金を申告せずに取得価格をそのまま使用すると、控除額が過大になります。

また、総収入金額不算入の適用を受けるには明細書の添付が必要です。何もしなくても自動的に非課税になるわけではないため、注意が必要です。

誤解②:建て替えは新築と異なる扱いを受けると思っている

「建て替えは新築とは違うので住宅ローン控除や補助金の扱いも異なる」と思っている方もいます。しかし、税法上は建て替えによる取得も新築と同様に扱われるため、住宅ローン控除の適用や補助金の取り扱いについて特別な制限はありません。

もっとも、建て替えには解体費用が伴う場合があり、その費用は住宅ローン控除の対象外となりますので注意が必要です。

誤解③:補助金の金額をそのまま収入として申告する必要があると思っている

補助金を受け取ったことで、「雑収入として申告しなければならない」と考える方もいます。しかし、所定の要件を満たす国庫補助金等については、総収入金額不算入の規定により課税対象外とすることができます。この規定を活用するためには、前述の明細書の添付が必要です。

ただし、すべての補助金が自動的に非課税となるわけではなく、補助金の種類や交付根拠によって取り扱いが異なります。不明な場合は税務署や税理士への確認が必要です。

誤解④:補助金と住宅ローン控除は別々に処理すればよい

住宅ローン控除の申告と補助金の処理を無関係な手続きとして別々に考えるケースがあります。しかし、補助金は住宅ローン控除の計算明細書に直接影響します。補助金額の入力漏れは控除額の計算誤りにつながるため、両者を一体として確認することが重要です。

申告に迷ったときに専門家へ相談するメリット

個別事情に応じた判断が求められる場面

補助金の種類や金額、建て替えの経緯、住宅ローンの内容など、個別の事情によって申告内容が異なります。一般的な解説では対応しきれないケースも存在し、税務署への問い合わせだけでは判断が難しい場面もあります。

特に、以下のような状況では専門家への相談が有益です。

  • 複数の補助金を受け取っており、それぞれの取り扱いを確認したい場合
  • 建て替えに伴う解体費用や諸費用の取得価格への算入可否を検討したい場合
  • 確定申告書の作成に不慣れで、明細書の記載内容に自信が持てない場合
  • 住宅ローン控除以外の節税措置とあわせて検討したい場合

税理士に依頼することで期待できること

税理士は、確定申告書の作成代行だけでなく、個別の事情に即した税務上の判断をサポートする専門家です。補助金の取り扱いについては、補助金の根拠法令や交付要綱の内容を踏まえた判断が必要な場合もあり、専門的な知識が必要な場面があります。

また、申告内容に誤りがあった場合の修正申告や、税務署から問い合わせがあった場合の対応についても、税理士が窓口となって対処することができます。申告後のフォローという観点からも、税理士への相談には一定のメリットがあります。

税務署等の無料相談との使い分け

国税庁や税理士会などでは、確定申告期間中を中心に無料相談を実施しています。シンプルな申告内容であれば、こうした無料相談を活用することも一つの選択肢です。

一方、補助金や住宅ローン控除が絡む申告は相談内容が複雑になりやすく、当日の相談時間内に十分な確認ができないこともあります。事前に必要書類を整理したうえで税理士に相談し、申告書の内容を確認してもらうことで、余裕をもった申告の準備が可能になります。

補助金を受けた住宅の確定申告:実務対応のまとめ

住宅の建て替えに際して補助金を受けた場合の確定申告では、住宅ローン控除と補助金の取り扱いを一体として確認することが重要です。主なポイントを改めて整理します。

  • 住宅ローン控除の計算明細書には、補助金額を「交付を受ける補助金等の額」として取得価格から差し引いた金額をもとに控除額を算定する
  • 補助金が国庫補助金等の総収入金額不算入(所得税法第42条)の要件を満たす場合は、「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を確定申告書に添付することで、補助金を収入として課税されないように処理できる
  • 建て替えによる住宅取得も新築と同様に住宅ローン控除の対象となり、補助金の取り扱いに特別な制限はない

補助金の種類や個別の事情によって申告内容が変わる場合があるため、不明点は税務署または税理士への確認を経て対応することが望ましいです。

申告手続きに不安がある場合や、複数の制度が絡む複雑な状況については、専門家のサポートを活用しながら正確な申告を目指していただければと思います。

補助金・住宅ローン控除のお悩みはストラーダグループへ

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この記事の監修者
山田 直輝
税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
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