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会社設立
2023.07.25

会社設立時の資本金はいくらにする?調達方法などを分かりやすく解説

会社設立時に悩むポイントのひとつが「資本金」です。資本金は、創業時の運転資金として使われることはもちろんのこと、取引先・銀行から信用度を見られるときの指標になります。

この記事では、会社設立時の資本金の目安と、調達方法などを解説しています。これから会社設立を検討されている方にとって、必見の内容となるので、ぜひ参考にしてくださいね。

資本金とは?

まず、資本金の基本的な知識と、会社経営に対する影響について解説します。ここで、資本金の基本を理解しましょう。

資本金とは何か?

資本金とは、具体的には、会社設立時に株主(設立者自身を含む)から集められる出資総額のことを指します。この金額は、会社の公式な運営資金となります。

さらに言えば、この資本金は会社の財務の基礎となるもので、事業活動を開始し、初期の困難を乗り越えるための経済的な柱となります。

資本金の計算方法と考慮すべき要素

資本金の計算は、単純なものではありません。それは、事業開始に必要な多くの要素を把握し、それらを金額に換算する作業を含んでいます。

初期運営費用・設備投資・人件費はもちろん、そのほかにも事業拡大のためのマーケティング費用・初期の在庫購入費用・研究開発費用、さらには予期せぬ出費に対する緊急資金など、全てを考慮に入れる必要があります。

これらの費用を詳細に見積もり、それぞれを合計して初期に必要な資本金を計算します。そして、それを元に自己資金とのバランスを見て、足りない部分があれば、外部からの資金調達を検討します。

資金調達は、銀行からの融資や投資家からの投資など、さまざまな方法が存在します。しかし、これらはリスクも伴うため、しっかりとしたビジネスプランと共に進めることが求められます。

会社設立時の資本金のいくらにする?

次に、会社設立時の資本金の目安を解説します。資本金の金額で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

会社設立時の資本金の平均

それでは、会社設立時の資本金の平均を見てみましょう。下記の表は令和2年度の国税庁による会社標本調査の結果です。

資本金額企業数(単体法人)
100万円以下498,453社
100万円超 200万円以下75,635社
200万円超 500万円以下1,138,951社
500万円超 1,000万円以下710,143社
1,000万円超 2,000万円以下144,930社
2,000万円超 5,000万円以下150,263社
5,000万円超 1億円以下52,730社
1億円超 5億円以下11,270社
5億円超 10億円以下1,587社
10億円超 50億円以下2,990社
50億円超 100億円以下733社
100億円超1,052社

参照:第11表 法人数の内訳|令和2年会社標本調査|国税庁

上記の表から、会社設立時の資本金は200万円〜500万円に設定している会社が多いことが分かります。一般的に会社立ち上げ時の運転資金は300万円くらいを目安にしている場合が多いでしょう。

注意点として、業種によっては許認可を得るために、最低限の最低限の資本金額が定められている場合があります。例えば、人材派遣事業を設立するためには、最低でも2,000万円の資本金が必要です。

資本金については「会社設立の資本金はいくらが最適?注意点についても解説」の記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。

資本金は1円でも良い?

資本金は1円からでも会社設立は可能です。ただし、創業時は決算書がないため、取引先や銀行がその会社の信用度を見るときに、資本金を見るしかありません。

ですので、明確な意図がない限りは、資本金1円で会社設立をすることはおすすめしません。

会社設立時の資本金の追加・増資とそのプロセス

次に、資本金の追加や増資について詳しく説明します。

資本増資の必要性とタイミング

資本増資は、事業拡大や新たな投資に必要な資金を調達するために行われます。資本増資のタイミングは、会社の財務状況や市場状況により異なります。

増資の手続きと注意点

増資の手続きは、株主総会の決議から始まり、登記手続きに至るまで、一連の法的な手続きが必要です。また、増資には費用が発生するため、それを考慮した上で計画することが重要です。

会社設立時の資本金の調達方法

会社設立のための資本金調達には、さまざまな手段があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、最適な方法を選びましょう。

自己資金による資本金調達

自己資金による資本金調達は、会社設立者が自己の貯蓄や投資から資金を集める方法を指します。この方法の最大の利点は、返済や利息の必要がないという点です。つまり、銀行からの借入れや投資家からの投資がないため、経済的なプレッシャーを感じることなく事業運営に集中できます。

しかし、その一方でこの方法には大きなリスクも伴います。全ての資本が自己資金であるということは、事業がうまくいかなかった場合、全てのリスクを自己負担することになるということです。それは、失敗した場合には全ての投資が失われる可能性があるということを意味します。また、自己資金だけでは資本金が足りない場合も多々あります。そのため、この方法は自己の経済状況と事業リスクをしっかりと理解し、慎重に進める必要があります。

外部資金(投資家や銀行からの融資)を利用した資本金調達

自己資金だけでは手に入らない大きな資金を調達するための一つの方法が、投資家からの投資や銀行からの融資を利用することです。これにより、資本金の調達だけでなく、会社の初期運営や拡大のための追加の資金調達も可能となります。

しかし、この方法にはいくつかの注意点があります。まず一つは、銀行からの融資の場合、利息付きで返済が必要となり、返済計画が無計画だと事業の成長を阻害する可能性があります。また、投資家からの資金調達の場合、投資の対価として株式の一部を譲渡する必要があります。これは、経営権の一部を投資家に譲ることを意味し、会社の方向性に影響を与える可能性があります。

さらに、外部からの資金調達には信頼性や事業計画の説得力が求められます。投資家や銀行はリスクを取って投資や融資をするわけですから、ビジネスプランが確固としており、利益を生み出す見込みがあることを示す必要があります。そのため、外部資金を調達する際には、事業計画の策定と提示が非常に重要となります。

クラウドファンディングによる資本金調達

クラウドファンディングは、一般の人々からインターネットを通じて資金を募る新しい形の資金調達方法です。商品やサービスの期待値を直接資金化できる一方、プロジェクトの魅力や説得力が求められます。出資者から得たフィードバックは事業戦略の参考になる他、成功するためには、目標額設定やプロモーション戦略も重要な要素となります。

まとめ

今回の記事では、会社設立時の資本金について解説しました。これから会社設立を検討されている方は、資本金額・調達方法など、参考にされてください。

資金調達方法については「会社設立時に助成金は使える?知らないと損をする資金調達方法」の記事で解説しているので、あわせてお読みください。

この記事の監修者
宮口 奨平
中小企業診断士
求人メディア運営会社に入社後、業務改善・経理等の業務に従事。 中小企業診断士資格を取得後、ストラーダに入社して、経営コンサルティング、融資や補助金の申請業務等に従事している。 クライアントニーズの本質を追求したサービス提供することをモットーとしている。趣味はマラソン。
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