リユース市場の拡大に伴い、古物商としての独立開業を検討する方が増えています。しかし、古物商の開業には法律上の許可や実務上の準備が欠かせません。本記事では、2025年の最新情報を踏まえて、古物商の開業から運営までのポイントを徹底解説します。
Contents
古物商とは?基本知識について
古物商とは、一度消費者の手に渡った中古品を買い取り、再販売する事業者を指します。古物営業法に基づき、古物を扱う場合は「古物商許可」を取得する必要があります。
対象となる古物は「美術品」「衣類」「時計・宝飾品」「自動車」「書籍」「機械工具」など13品目に分類されています。また、リサイクルショップや中古ブランドショップ、ネットオークションでの商品転売も古物商に該当します。
古物商は、リユース社会を支える存在であると同時に、盗品流通の防止という社会的役割も担っているため、法的な規制が設けられています。特に近年ではメルカリなどのフリマアプリやネットオークションを通じた個人間取引が一般化しており、古物商の存在意義はますます高まっています。
消費者に安心して中古品を購入してもらうためにも、許可を得た事業者が透明性のある運営を行うことが重要です。
古物商許可が必要となるケース
古物商許可が必要となる代表的なケースは以下の通りです。
・中古品の買取を行い、再販する場合
・フリマアプリやECサイトで中古品を仕入れて販売する場合
・ブランド品や時計を質屋などのリユース市場で販売する場合
・中古車販売を事業として行う場合
一方で、家庭内で不要になった物を売却するだけの場合や、自ら輸入した新品を販売する場合には古物商許可は不要です。つまり、営利目的で中古品を取り扱うかどうかが、許可取得の要否を分ける基準となります。
注意すべきなのは、たとえ副業であっても営利性が認められる場合は許可が必要になるという点です。知らずに営業を行った場合は罰則の対象になるため、慎重な判断が求められます。
古物商許可の申請方法
条件の確認
まず最初に、古物商許可の取得条件について確認しましょう。条件を満たしていない場合、申請をしても不許可となる可能性があります。法人で申請する場合は、代表者だけでなく役員についても適格性が審査されますので注意が必要です。
古物商許可を取得するための主な条件 |
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①成年であること |
②禁錮以上の刑や古物営業法違反の処罰を受けていないこと |
③破産して復権を得ていない者ではないこと |
④住居が定まっていること |
⑤法人の場合、役員全員が欠格事由に該当しないこと |
⑥営業所ごとに常勤の管理者を置くこと |
⑦法人の定款および登記事項証明書の提出 |
⑧外国人の場合、適切な在留資格を有すること |
⑨日本語の理解能力(外国人の場合) |
⑩過去の古物商許可に関する欠格事由に該当しないこと |
必要な書類を集める
古物商許可の申請には複数の書類が必要です。代表的なものは以下の通りです。
・古物商許可申請書
・略歴書(過去5年間のもの)
・誓約書(欠格事由に該当しない旨の宣誓)
・住民票の写し
・身分証明書
・営業所の賃貸借契約書や使用承諾書
・管理者設置届(営業所に常勤の管理者を置く場合はその情報も記載)
・定款のコピー
・登記事項証明書
申請書の作成
警察署の所定様式に従って申請書を作成します。また、記入ミスや不備があると受理されない場合があるため、作成の際は行政書士などの専門家に確認することをおすすめします。特に営業所の所在地や取扱品目の記載は正確に行わなければなりません。
警察署へ書類を提出
営業所の所在地を管轄する警察署に、必要書類と申請手数料(19,000円)を添えて、提出します。申請後、審査期間を経て問題がなければ「古物商許可証」が交付されます。
審査には通常40日前後かかりますが、繁忙期や書類不備がある場合はさらに長引くこともあります。古物商で開業する際は、スケジュールに余裕を持って申請手続きを進めるようにしましょう。
古物商で開業するための準備
資金調達
店舗型で開業する場合は、テナント費用・内装費・仕入資金など数百万円規模の資金が必要になることもあります。一方、ネット販売を中心にする場合は、在庫仕入れや撮影環境の整備など、比較的少額の資金でも始められるケースが多いです。
店舗の準備
実店舗を構える場合は、立地選びが重要です。駅前や商業施設近くなど人通りの多いエリアは集客力が高まります。さらに、盗難防止の観点から防犯カメラや金庫の設置も欠かせません。店舗がなくてもネット販売で運営可能ですが、その場合も在庫を保管するスペースを確保しておく必要があります。
在庫管理が不十分だと商品トラブルや顧客対応に支障をきたすため、開業前に管理方法を明確にしておきましょう。さらに、配送手段や梱包体制の整備も併せて検討すると安心です。
仕入れ・買い取り先の確保
安定した商品供給のためには、信頼できる仕入れルートを整えることが重要です。オークションや一般顧客からの買い取り、法人からの不要品引き取りなど、複数の入手経路を持っておくのが理想的です。
取引先との信頼関係を築けば、費用を抑えながら良質な商品を継続して仕入れることが可能になると同時に、競合との差別化にも直結します。
古物商の開業を成功させるポイント
ECサイトを用いて販路拡大
近年はオンライン販売の需要が拡大しており、自社ECサイトや大手ECモール、フリマアプリを活用することで販路を広げられます。写真撮影の品質や商品説明の具体性が売上に直結するため、オンライン対応の体制を整備しましょう。SEO対策や広告を取り入れることで、認知度をさらに高めることが可能です。
リピート集客を強化
一度購入してくれた顧客に再度利用してもらう仕組みを作ることが、安定経営を実現するためのカギです。例えば、ポイントカードや会員制度、メルマガやSNSを通じた情報発信が効果的です。アフターサービスや商品の保証対応を充実させることで、信頼度を高められます。長期的な顧客との関係性構築は、口コミや紹介による新規顧客獲得にもつながります。
業務効率化ツールを活用
在庫の確認など、お金と商品の流れを管理する「販売管理システム」を導入することで、業務の効率化が可能です。また、会計ソフトやクラウドサービスを利用すれば、経理業務の負担も軽減できます。
特に複数の販売チャネルを運営する場合、ツールを活用して一元管理することが重要です。効率化によって生まれた時間を、仕入れや販売促進などのコア業務に集中できる点も大きなメリットです。
開業準備でお困りの際はストラーダグループへご相談を
古物商の開業には、法的手続きから資金調達、販路拡大まで幅広い準備が求められます。専門知識が必要な部分も多く、初めて取り組む方にとっては不安に感じることもあるでしょう。
ストラーダグループでは、古物商許可申請のサポートから事業計画の策定、資金調達の相談までトータルでご支援いたします。さらに、販路拡大のための戦略立案や経営改善のアドバイスも行い、開業後の成長を支える体制も整えています。古物商としての開業を成功させたい方は、ぜひ一度ストラーダグループへご相談ください。