日本政策金融公庫に創業融資を申し込むと必ず面談があります。面談時に提出する資料や受け答えによって融資の可否が決まるため、入念な準備をすることが大切です。
今回は、創業融資の流れや聞かれる頻度が高い質問などについて解説します。
Contents
日本政策金融公庫の創業融資の面談の流れをご紹介
まず、日本政策金融公庫の創業融資の面談の流れを見てみましょう。
- 創業融資の面談予約を申し込む
- 必要書類を用意する
- 面談を行う
- 面談から約2週間で審査結果が届く
- 融資の実行
それでは、順番に解説していきます。
創業融資の面談予約を申し込む
日本政策金融公庫に創業融資を申し込む際は、近くの支店に電話かインターネットで申し込みします。また、申し込みの前にオンラインや窓口で相談をすることも可能です。
創業融資の申し込みをする際に面談の予定日を決めるので、いくつか候補日を考えておくといいでしょう。
必要書類を用意する
面談時には創業計画書や借入申込書など、担当者から事前に伝えられた書類を準備して持参します。日本政策金融公庫の場合は、基本的に下記の4つの書類が必要です。
- 借入申込書
- 創業計画書
- 月別収支計画書
- 履歴事項全部証明書
詳しくはは、「日本政策金融公庫の創業融資を申請した方が良い人とは?必要書類についても解説」の記事を参考にしてみてください。
面談を行う
面談当日は、予約時に決められた面談場所で担当者と面談を行います。面談時の服装は、あまり神経質になる必要はなく、自身の事業内容と違和感がない服装であれば問題ありません。
ですので、飲食店の事業を始める方がわざわざスーツを着て、面談に行く必要はないです。カジュアルでも良いですが、清潔感のある服装が好ましいです。
面談から約2週間で審査結果が届く
審査結果は、面談から約2週間で届くことが一般的です。審査結果が届いてからは、下記の流れで進みます。
- 担当者から電話にて審査結果が伝えられる
- 借用証書が同封された書類が届く
場合によっては、書類の不備などにより2週間以上の時間がかかる場合もあります。しかし、融資が否決となった場合も連絡は来るため、3週間以上連絡が来ないときは、こちらから問い合わせてみましょう。
融資の実行
必要書類を返送したあと、書類に不備がなければ約5営業日で指定口座へ融資金が振り込まれます。
日本政策金融公庫の創業融資の面談時間は?
面談の時間は30分から1時間になることが多いです。担当者が疑問に思う点などがあれば質問が増えて、時間も長くなることがあります。
日本政策金融公庫の創業融資の面談でよく聞かれる質問事項
創業融資を申し込んだ方は、どのような質問があるのか気になるのではないでしょうか。創業融資の場合は、それほど難しい質問はされずに、創業計画書に沿った基本的な内容の質問がほとんどです。
例えば、以下のような質問例が考えられます。
- 事業を始めようと思った理由
- 自身の経歴、経営経験、事業経験
- 取扱商品・サービスのセールスポイント
- 販売ターゲットや販売戦略
- 人件費の支払いサイクル
- 雇用する従業員数と、その理由
- 自己資金額と、どのように調達したか
- 仕入先、販売先、外注先について
- 現在の借り入れ状況
- 売上が上がらない場合の運転資金はどうするか
- 売上の見通しについて
- 経費の詳細について
- 事業を営む上での不安材料について
上記のような質問が審査担当者から聞かれる可能性は高いです。創業計画書を作る段階で、上記の内容の回答も検討してみましょう。
また創業融資を申し込む方は、面談に慣れていない場合がほとんどなので、事前に面談の練習をおこなっておくことをオススメします。
日本政策金融公庫の創業融資の面談を成功させるポイント5選
ここからは、創業融資の面談を成功させるポイントとして、下記の5つを解説します。
- 誰にでも分かりやすい言葉で事業内容を説明する
- 資金使徒を明確に伝える
- 経営者自身の言葉で回答する
- 創業計画書と矛盾する内容は言わない
- 曖昧な表現は避ける
どのポイントも非常に重要なので、ぜひ最後までお読みください。
誰にでも分かりやすい言葉で事業内容を説明する
事業内容を説明する際、初めて聞く人にも理解しやすい言い回しを心がけましょう。専門用語は避け、簡潔に要点を絞り込むことが重要です。
面談では「結論」と「根拠」を明確に組み合わせることで、相手にストレスを与えず、情報を伝えることができます。
また無駄話をせず、必要な情報だけを提供することで、担当者の時間を有効に活用しましょう。専門性の高い事業であっても、実際の制作物やイメージ図・営業資料などを用いて具体的に説明することで、より伝わりやすくなります。
事業内容をわかりやすく伝えることで、金融機関の担当者にも理解してもらいやすくなります。
資金使徒を明確に伝える
融資審査では、資金の具体的な使い道を正確に伝えることが求められます。事業計画の成否や資金回収の見込みは、明確な資金使途に大きく依存します。犯罪収益の移転を防ぐ法律が厳しくなる中、金融機関は資金流用のリスクに敏感です。
運転資金や設備投資など、資金がどのように使われるかをはっきりさせ、その必要性を説明できるようにしましょう。
また、資金調達の際には、返済の源泉も明示することが重要です。不明瞭な資金使途は、金融機関にとって大きなリスクとなり得るため、「いくら借りられますか?」という問いかけは避け、具体的な計画に基づくアプローチを心がけましょう。
経営者自身の言葉で回答する
日本政策金融公庫の融資面接では、経営者自身が直接対応することが基本です。特別な場合を除き、経営者が事業計画や熱意を直接伝えることで、融資担当者に対する信頼を築くことが可能になります。
税理士や共同経営者の同席は、信頼関係が既に築かれている場合に限り、面談のサポートとして効果的です。しかし、資金調達コンサルタントの同席は推奨されません。代表者が全ての質問に自分の言葉で答えることで、事業に対する深い理解と真剣な取り組みをアピールできます。
日本政策金融公庫は創業者を深く理解し、支援する姿勢を持っていますので、代表者の熱意が直接伝わるように心がけましょう。
創業計画書と矛盾する内容は言わない
創業融資の面談では、創業計画書と矛盾する内容は言わないようにしましょう。事業の内容が固まっていないと判断される可能性があります。
また、創業計画書には売上や経費の見通しを記入する欄がありますが、なぜその数字になったのかを具体的に説明できるようにしましょう。
売上と経費を具体的に説明できれば、予想される利益の金額の説得力が高まります。日本政策金融公庫としては、融資したお金をしっかりと返済できるのかが重要となります。
そのため、利益の予想に確証を持てるのであれば、融資審査に通る可能性が高くなるでしょう。
曖昧な表現は避ける
経営者が融資面談に臨むときは「おそらく」「多分」「だと思います」といった曖昧な表現を避けることが重要です。これらの表現は、日本政策金融公庫の担当者に不信感を抱かせ、経営者としての信頼性を損なう可能性があります。
確固たる根拠に基づく自信を持って、質問にははっきりと回答しましょう。無根拠な自信は避けつつも、明確な回答をすることで、信頼関係を築き、事業計画への理解を深めてもらうことができます。
まとめ
創業融資の面談では、事前に作成した創業計画書に沿った内容をメインに質問されます。事業を始める理由や自己資金についてなど、経営者であれば簡単に答えられる質問がメインです。
日本政策金融公庫の担当者は、しっかりと返済できるのかという点を重視するため、利益が出る根拠を具体的に説明できるようにしましょう。
また、創業融資については、こちらの記事「【徹底ガイド】創業融資とは?種類ごとのメリット・デメリット・流れをご紹介!」で解説しているので、ぜひご覧ください。