創業融資は、起業したばかりの人やこれから起業を考えている人にとって便利な融資制度となっています。しかし、会社運営において、さらに設備投資が必要になったり、人員増加など、追加で資金が必要になることもあるでしょう。
結論から申し上げると、創業融資の追加融資は受けることができます。
今回は、創業融資の追加融資について解説します。追加融資を受けるポイントについても解説していきますので、最後までご覧ください。
Contents
【前提】追加融資とは?
追加融資は、既に融資を受けている事業者がさらに資金を借り入れることです。特に、創業融資を受けた後の再融資に該当します。
金融機関との既存の関係が新たな契約を容易にすることもありますが、確定申告や決算後のほうが条件が良くなる場合が多いです。日本政策金融公庫を含む機関は、事業計画の再提出を通じて、追加の資金ニーズに対応します。
審査期間は初回より短く、事業内容に大きな変更がなければ迅速に終わります。
創業融資で追加融資は可能なのか?
創業融資を受けた後も、追加融資を受けることは可能です。ただし、創業融資時とは審査基準が異なり、事業の現状や実績が重視されます。
創業時には未来の可能性に賭ける形での審査でしたが、追加融資では「売上高」「利益率」「収益性の見込み」など、具体的な実績が審査の中心となります。実績が不十分な場合は、審査を通過するのが難しいかもしれません。
創業融資の追加融資に通過するためのポイント6選
創業融資の追加融資に通過しやすくなるためのポイントとして、下記の6つご紹介します。
- 創業融資の返済が滞りなく行われている
- 借入金の返済状況
- 事業開始より1年以上経過しており、決算書が作成されている
- 必要な書類を用意する
- 追加融資を希望する理由がこたえられる
- 追加融資を希望するタイミングを抑えておく
どのポイントも非常に重要になるので、最後までぜひご覧ください。
創業融資の返済が滞りなく行われている
創業融資後の追加融資を考える際、返済実績が重要な条件です。特に、公庫などの金融機関では、既に受けている融資の3割以上が無遅滞で返済されていることが必要とされます。
安定した返済をしていることで、次の融資に対する信頼性が高まります。追加融資申込前には、借入金の30%~50%を期日通りに返していることが望ましいです。
返済が滞っている場合、追加融資の可能性は低くなります。リスケジュールが必要になった場合も、審査には不利に働くため注意が必要です。
公庫以外の他社借入が増えていない
日本政策金融公庫からの追加融資を考える際、他社からの借入れが増加している状況は審査に不利です。借入件数や残高の増加は、経営が苦しい証拠と見なされ、返済能力に疑問を持たれる原因になります。
追加融資を受けるためには、他社借入を減らし、安定した返済実績を作ることが重要です。公庫は信用情報を通じて借入状況を確認するため、カードローンや消費者金融からの借入れがあれば、それを返済することが望ましいです。
事業開始より1年以上経過しており、決算書が作成されている
事業を開始して1年以上が経過し、決算書が準備されている場合、融資審査に有利です。試算表も一定の評価を受けますが、決算書の方が正確性が高く評価されます。
事業の安定性や実績が重視される追加融資では、特に決算書による利益の証明が重要です。したがって、急がない資金調達では、決算書が完成してからの申請が推奨されます。
必要な書類を用意する
創業融資の追加融資では、下記のような書類が必要になります。
- 本人確認書類
- 預金通帳
- 確定申告書
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
- 事業計画書
- 法人用通帳のコピー
- 納税証明書
- 課税証明書
- 返済予定表
初回融資時には登記謄本などが必要でしたが、追加融資では必要ありません。しかし事業計画書やキャッシュフロー計算書は、さらにブラッシュアップさせた内容が求められます。
追加融資を希望する理由がこたえられる
追加融資を受けたい際は、その理由を明確にすることが不可欠です。日本政策金融公庫の融資審査では、資金がなぜ必要なのか、その具体的な根拠が求められます。
例えば、設備投資の場合、その必要性や期待される効果を詳細に説明する必要があります。単に「資金が不足している」という状況ではなく、具体的な用途とそれによる事業の成長見込みを伝えることが、審査通過への鍵となります。資金計画や事業計画書を用意して、担当者に理解してもらう準備をしましょう。
追加融資を希望するタイミングを抑えておく
追加融資を検討する際、最適なタイミングは決算終了後です。創業融資後1年以内の申し込みは審査落ちのリスクが高く、経営実績を示せる決算書がある時点での申請が望ましいとされます。
この時期なら、財務状態や事業運営の安定性を具体的に示すことができ、追加融資の必要性を効果的に伝えられます。追加融資は計画的に、経営状況が明確になる決算直後に申し込むことが重要です。
創業融資の追加融資が通らなかった場合の対応策
創業融資の追加融資に通らなかった場合はどのようにしたら良いでしょうか?
最後に、追加融資に通らなかった場合の対応策についてご紹介します。
民間の金融機関に相談する
経営実績を持つ事業者が追加融資を求める際、民間金融機関との相談は効果的な手段です。公庫から融資を受けた実績がある場合、その信用を背景に民間金融機関からの支援を引き出すことが可能です。
実績を正確に伝え、事業拡大の具体的計画を提示することで、民間の金融機関から追加融資を受けられる可能性は高いでしょう。
補助金を検討する
借入総額が増えることに対して、不安がある場合は補助金も視野に入れてみましょう。中小企業や小規模事業者の場合は、公的機関の補助金を利用する方法もあります。
例えば、持続化補助金・ものづくり補助金・事業再構築補助金・早期経営改善計画策定支援事業などの補助金があるため、検討されてみてください。
まとめ
今回は、創業融資で追加融資を受けたい場合のポイントについて解説しました。
結果として、追加融資を受けることは可能ですが、必ずしも確実に融資を受けられるわけではありません。追加融資を受けるためには、返済能力や申し込み時期などを考慮して申し込むようにしましょう。
また、創業融資については、こちらの記事「【徹底ガイド】創業融資とは?種類ごとのメリット・デメリット・流れをご紹介!」で解説しているので、ぜひご覧ください。