会社経営において、税理士は資金繰りや節税、さらには企業の成長を支える心強いパートナーです。事業の進展や経営環境の変化に伴い、税理士に求める対応が変わっていくことは、極めて自然な流れといえるでしょう。
しかし、実際には「日々のやり取りで小さな違和感がある」「事業規模の拡大に対してサポートが十分に追いついていない」と感じながらも、現在の関係性を変えることに心理的なハードルを感じている経営者の方も少なくありません。
本記事では、税理士変更でよくある一般的な理由をはじめ、変更に適したタイミング、具体的な手続きの流れ、そして円満に切り替えるための伝え方までをわかりやすく解説します。
Contents
税理士変更でよくある6つの理由

相性が合わず、気軽に相談できない
月次のやり取りや定例面談を重ねる中で、「本当は聞きたいことがあるのに、相談しづらい」と感じた経験はないでしょうか。税務や会計の話題は専門性が高い分、質問の仕方に迷ったり、理解できないまま話が進んでしまったりすることも、決して珍しくありません。
「相性」という要素は数値化しにくく、変更理由として挙げることにためらいを感じる方も多いことでしょう。しかし、ストレスなく円滑な対話ができるかどうか、専門用語をわかりやすくかみ砕いて説明してくれるかどうかといった点は、顧問税理士と良好な関係を築き、長く付き合っていくうえで欠かせない判断材料のひとつです。
節税効果を感じられない
税理士に期待される役割の中でも、会社の状況に応じて税負担を適切にコントロールすることは重要なポイントです。それにもかかわらず、毎年ほぼ同じ説明や対応が繰り返され、節税に関する具体的なアドバイスが示されない場合、税理士が経営に踏み込んだ支援を十分に行えていない可能性があります。
顧問料がサービス内容に見合っていない
顧問料の金額そのものよりも大切なのは、支払っている対価に見合ったサービスが提供されているかどうかです。記帳や申告といった基本業務が問題なく行われていたとしても、会社の状況や経営課題に応じたサポートをほとんど受けられない場合、顧問料に対する満足感は次第に薄れていきます。
レスポンスが遅い
ビジネスの世界において、スピードは最大の武器であると同時に、経営を安定させるための大切な要素でもあります。特に税務や資金繰りに関する相談は、タイミングを一歩誤るだけで、機会損失や思わぬ不利益を招きかねません。
そのため、問い合わせへの返答が滞ったり、緊急性の高い案件への対応が後回しになったりする状況は、本来取れたはずの選択肢を狭めてしまう可能性があります。こうしたレスポンスの遅さは、必ずしも税理士個人のスキルだけに起因するものではありません。
事務所全体の管理体制や業務の進め方が、現在の自社が求めるスピード感と合っていないサインとして捉えることもできます。
税務調査の際、頼りにならなかった
税務調査は、多くの経営者にとって、心理的にも実務的にも大きな負担を伴う出来事です。そのような局面において、税務署の指摘に対して十分な説明がなかったり、対応に不安が残る場合、それまで築いてきた信頼関係は一気に揺らいでしまいます。
税務調査は頻繁に経験するものではないからこそ、その場での振る舞いや対応の質は、税理士の専門性だけでなく、「どれだけ真剣に自社を守ろうとしてくれているか」という姿勢を見極めるポイントになります。
税理士事務所の体制が変わった
税理士個人に大きな不満がなくても、事務所側の組織改編によって、提供されるサービスの質が変化してしまうことがあります。
たとえば、担当者が頻繁に入れ替わることで自社の意図が十分に共有されなくなったり、対応が画一的になったりすることで、契約当初に期待していたきめ細かなサポートが受けられなくなるケースも見られます。
税理士変更のベストなタイミングとは?

おすすめのタイミング
法人税申告書を提出した直後
法人税の申告が完了した直後は、税理士の切り替えを最もスムーズに進めやすい時期です。決算という大きな区切りを終えたタイミングでは、帳簿や必要書類が最新の状態で整理されているため、引き継ぎに伴う現場の負担を抑えつつ、新たに迎える税理士にも会社の状況を把握してもらいやすくなります。
税務調査が完了した直後
税務調査を終えた直後も、税理士変更に適したタイミングといえます。調査対応が一段落していれば、未解決の問題を抱えたまま引き継ぐリスクを避けることができ、新旧の税理士間でのトラブルも最小限に抑えることができます。
また、税務調査の過程で生じた不安や違和感を一度冷静に見つめ直せる時期でもあります。調査結果を踏まえたうえで、現在の自社にとってどのようなサポートが必要なのかを整理し直してから判断することで、より納得感のある税理士選びにつなげることができます。
避けたほうがよいタイミング
確定申告前などの繁忙期
確定申告前は、税理士にとって一年の中でも特に業務が集中する時期です。このタイミングで変更を進めてしまうと、新旧の税理士間での引き継ぎに十分な時間を確保できず、重要な情報の共有漏れや対応の遅れが生じやすくなります。
税務調査の通知直後
税務調査の通知を受けた直後に税理士を変更することは、原則として避けたほうがよいタイミングです。調査対応の途中で税理士が変わると、対応方針や責任の所在が不明確になり、結果として調査官からの印象に影響を及ぼす可能性があります。
基本的には、税務調査は現行の税理士のもとで対応を完了させ、その後あらためて変更を検討するのが実務上も無理のない進め方です。
税理士変更の具体的な手順について

【STEP1】現在の顧問税理士との契約内容を確認
税理士変更に向けて最初に行うべき作業は、現在締結している顧問契約書の内容をあらためて確認することです。契約書には、解約の申し出期限やその伝達方法、契約終了時の注意点などが記載されているのが一般的です。
この確認を怠ってしまうと、思わぬトラブルを招くおそれがあります。たとえば、解約の意思表示を行うタイミングを一歩誤るだけで、翌期分の顧問料が発生してしまったり、契約期間満了まで解約が認められず、結果として二重のコストが生じたりするケースもあります。
また、月次の顧問業務とは別に、記帳代行や年末調整、申告書作成といった業務が「個別契約」や「オプション」として設定されていることも少なくありません。どの業務が現在の契約に含まれており、どこまでの作業が完了しているのかを事前に整理しておくことで、解約時の認識違いや後々のトラブルを防ぎやすくなります。
【STEP2】複数の候補と面談し、見積もりを依頼する
現在の税理士に解約の意思を伝える前に、新たなパートナーとなる税理士候補の選定を進めておきましょう。税理士によって、得意とする業種や専門分野、経営への関わり方は大きく異なります。
そのため、最初からひとりに絞り込むのではなく、複数の候補と直接面談を行い、自社の現状や課題を共有したうえで見積もりを依頼すると安心です。実際に話をすることで、サポート体制や考え方が自社に合っているかどうかも見極めやすくなります。
【STEP3】新しい税理士と顧問契約を結ぶ
依頼したい税理士が決まったら、具体的な業務内容と報酬を再度確認し、顧問契約を締結します。この際、契約開始時期をいつからにするのかを明確にしておくことがポイントです。
現行の税理士との契約終了時期と、新しい税理士の関与開始時期が重なるのか、あるいは完全に切り替える形になるのかによって、引き継ぎの進め方や対応範囲は変わってきます。
【STEP4】現在の顧問税理士に契約解除の旨を伝える
新しいパートナーが決定し、受け入れ体制が整った段階で、現在の顧問税理士へ契約解除の通知を行います。ここでのポイントは、個人的な感情や評価には踏み込まず、「経営体制を見直した結果である」という位置づけで、冷静に事実を伝えることです。
長年にわたって関係を築いてきた相手であれば、解約を切り出すことにためらいを感じることもあるでしょう。しかし、会社が新たなステージへ進むためには、パートナーシップを再編することも経営における必要不可欠なプロセスです。
【STEP5】決算書や仕訳帳などの書類を返却してもらう
契約解除の手続きと並行して、これまで税理士事務所で作成・保管されていた各種資料の返却を依頼します。
具体的には、過去の決算書や申告書の控えをはじめ、総勘定元帳や仕訳帳、会計ソフトのバックアップデータなどが該当します。これらはいずれも自社の経営の履歴を示す重要な財務資料であり、新しい税理士が正確に状況を把握するために欠かせないものです。
資料の返却方法や時期については、後になって認識の行き違いが生じないよう、あらかじめ明確にしておくことが望ましいです。紙での返却なのか、電子データでの受け渡しなのかといった点も含めて確認しておくことで、切り替えに伴う混乱を防ぎ、より円滑な移行につながります。
【STEP6】業務と資料の引き継ぎを依頼する
一連の手続きの締めくくりとして、新旧の税理士間で業務と資料の引き継ぎを行います。この引き継ぎが不十分なまま新体制へ移行してしまうと、日々の記帳や申告業務に支障が出るだけでなく、過去の処理内容を一から確認し直す必要が生じるなど、想定以上の手間や負担につながることがあります。
そのため、この工程は税理士変更において、特に慎重さが求められる重要な局面といえるでしょう。これまでに回収した財務資料や会計データを新しい税理士へ確実に引き渡すとともに、自社特有の商慣習や、過去の税務判断に至った背景についても、把握している範囲で共有しておくことが大切です。
あらかじめ情報を整理し、要点を伝えておくことで、切り替え後の対応も落ち着いて進めやすくなります。また、電子申告を行っている場合は、e-TaxやeLTAXにおける関与税理士の変更手続きについても、新しい税理士と事前に確認しておく必要があります。
顧問税理士を円満に変更する断り方

誠実かつ丁寧に感謝を伝える
まず大切なのは、これまでのサポートに対する感謝の気持ちをきちんと伝えることです。長年にわたって関与してもらっていた場合は特に、冒頭で感謝の言葉を添えるかどうかで、相手の受け取り方は大きく変わります。
たとえ不満を感じていた点があったとしても、円満な切り替えを実現するためには、これまでの関係や対応を否定するような表現は控え、敬意をもって区切りをつける姿勢が求められます。
新しい税理士が決まってから伝える
税理士変更の意思は、原則として新しい税理士が決まってから伝えるのが基本です。先に解約の話をしてしまうと、万が一次の税理士が見つからなかった場合に、税務業務が一時的に滞ったり、緊急時に相談できる相手がいない状態に陥るなどのリスクが考えられます。
経営に支障が生じないよう、次の体制を整えたうえで、現行の契約を終了するという順序で進めることが重要です。あらかじめ新しい税理士との契約開始時期を調整しておけば、引き継ぎも計画的に進めやすくなり、円満な切り替えにつなげることができます。
社内体制の見直しを理由にする
税理士変更の断り方としては、「社内体制や経営方針を見直すことになったため」といった理由が、最も角が立ちにくく、相手にも受け入れられやすい表現です。マイナスな側面を細かく伝える必要はなく、あくまで組織全体としての判断であることを伝えれば十分です。
理由を深掘りしすぎると、不要な誤解や感情的な反発を招く可能性があります。円満な切り替えを目指すのであれば、個別の問題点には触れず、自社を取り巻く環境や体制の変化を理由として簡潔に伝えることが、トラブルを未然に防ぐ最善策となります。
口頭でだけでなく、書面やメールでも通知
契約解除の意思は、口頭だけでなく、書面や電子メールでも正式な通知として記録しておくほうが安心です。口頭のみのやり取りでは、後になって認識の食い違いが生じやすく、解約時期や引き継ぎの内容を巡って、思わぬ混乱を招く可能性があります。
解約日や引き継ぎの範囲、資料の返却期限など、合意した主要な事項については、簡潔な内容で構わないので文面として残しておくことで、双方の認識を整理しやすくなり、円満な切り替えを進めるうえでの土台となります。
税理士変更は、経営をアップデートするための前向きな決断

税理士を変更することは、決して後ろ向きな行動ではありません。むしろ、経営課題を根本から整理し、次の成長ステージへ進むためのひとつの転機となります。
大切なのは、一時的な遠慮や感情に左右されるのではなく、「自社の未来にとって何が最善か」という視点を持ち続けることです。変化に合わせてパートナーを見直すことは、経営の質を高めていくための合理的な判断といえるでしょう。
ストラーダ税理士法人では、税務申告の代行にとどまらず、事業フェーズや経営者のビジョンに寄り添ったサポートを大切にし、会社ごとの状況に応じた体制づくりを支援しています。
自社の経営を一段階引き上げるための選択肢のひとつとして、税理士変更を前向きに捉えてみてください。信頼できるパートナーとともに、次のステージへ踏み出すための一歩を、ここから始めていきましょう。
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