相続をした際に発生するのが「相続税」です。この相続税で、税務署に目をつけられる人・つけられない人の違いを知っていますか?
この記事では、税務調査の基礎知識、税務署に目をつけられる人・つけられない人の特徴を、分かりやすく解説していますので、ぜひご参考になさってください。
また今回の記事は、こちらの動画「【ゆっくり解説】相続税で税務署に目をつけられる人、そうでない人の違い」でも解説していますので、あわせてご覧になってくださいね。
Contents
【前提】税務調査の基礎知識を解説
税務署が税務調査を行う理由は、下記の3つです。
- 相続税の計算に間違いがないか
- 確定申告漏れがないか
- 税金を誤魔化していないか
基本的には、きちんと申告していれば、税務調査が来ても心配することはありません。
税務調査は相続税の申告から数年後に来ることが多いです。そのため、資料は10年間は保管しておくことをオススメします。
また税務調査には、任意調査・強制調査の2種類があり、違いは下記の通りです。
任意調査 | 調査に入る旨の事前連絡が入る |
強制調査 | 事前連絡は一切なく、急遽実行される |
任意調査は「任意」という言葉が入っていますが、拒否することはできません。相続税に関する税務調査では、相続人が税務署の質問に答えて調査されることが一般的です。
また、コロナ禍後に税務調査は増えると言われています。詳しくは、こちらの記事「【税理士が解説】コロナ禍後に税務調査が増える理由とは?その対策も解説」をお読みになってください。
相続税で税務調査の対象になる人の特徴とは?
税務署から税務調査が来る確率は、統計的に20%(5件に1件)になります。税務調査対象になると、80%の方は追徴課税になっています。
税務署からの税務調査対象になりやすい人の特徴は、下記の通りです。
- 相続額が大きい
- 相続財産に現金が多く、出入りが多い場合
- 多額の借入金があるのに、見合う相続財産がない
- 名義預金や暦年贈与がある場合
それでは、順番に解説します。
特徴1:相続額が大きい
一般的に2億円以上を相続すると、税務調査の対象になると言われています。この理由は、2億円以上の相続財産がある場合、必然的に計算ミスも増えるからです。
また税務署も追徴課税を取れる可能性が大きいところから、優先的に税務調査に入ります。そのため、財産額が大きいほど、しっかりとした申告が必要です。
特徴2:相続財産に現金が多く、出入りが多い場合
相続財産に現金が多く、出入りが多い場合も注意が必要です。その理由は預貯金の出入りが多い場合、相続税対策として財産を移転していると疑われるからです。
特徴3:多額の借入金があるのに、見合う相続財産がない
被相続人が金融機関などから多額の借入をしており、それに見合う財産がない場合も、税務調査の対象になりやすいです。
また、不動産・事業設備などが見当たらない場合も税務調査が入りやすくなります。
特徴4:名義預金や暦年贈与がある場合
税務署が特に税務調査に力を入れているのが、名義預金や暦年贈与がある場合です。
名義預金とは、口座の名義人と実際にお金を出した人が違う預金のことです。例えば、両親があなたの名義で解説した講座のことを指します。
名義が異なる場合でも、通帳や印鑑を被相続人が管理していたり、名義人自身が自由にお金を動かすことができなければ、被相続人の財産とみなされて相続税の申告が必要です。
特に、収入が少ない相続人の預貯金が多い場合、「名義預金か?生前贈与か?」という観点で税務調査されることが多いです。
相続税で税務調査の対象になりにくい人の特徴は?
一方で、税務署からの税務調査対象になりにくい人の特徴を解説します。税務調査対象になりにくい人の特徴は、こちらの3つです。
- 確定申告をしっかりしている
- 被相続人の財産を把握
- 相続税申告に強い税理士に依頼をする
税理士に相談することで税務調査の対象にならないようにでき、節税対策のアドバイスを受けることもできます。相続税について詳しくない人は、相続税に強い税理士に相談することをオススメします。
確定申告をしっかり行なっていても、税務調査が入らないとは言い切れませんが、リスクを減らすことは可能です。
まとめ
今回は、税務調査の基礎知識・税務調査の対象になりやすい人、そうでない人の特徴を解説しました。税務調査の対象になりやすい人の特徴を、もう一度まとめておきます。
- 相続額が大きい
- 相続財産に現金が多く、出入りが多い場合
- 多額の借入金があるのに、見合う相続財産がない
- 名義預金や暦年贈与がある場合
税務調査を100%回避することは難しいですが、事前に対策をすることで防げることは多くあります。相続税について不安な方は、相続税に強い税理士に相談するようにしましょう。
税理士への相談を検討している方は、「【徹底解説】税理士に相続を依頼するときの費用・料金はいくら?」を合わせて参考にしてみてください。