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創業融資
2022.12.28 創業融資節税

税務調査が入る理由と対策:調査の流れと対象になりやすい会社

税務調査が入る理由と対策:調査の流れと対象になりやすい会社

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「税務調査が入ったら、どうしよう」と、不安に感じている経営者の方は、多いのではないでしょうか。税務調査は、特別な会社だけに入るものではなく、どの会社にも、入る可能性があるものです。しかし、日ごろから、帳簿や書類を整え、適正に申告していれば、必要以上に、恐れることはありません。

近年、税務調査は、コロナ禍の影響で、一時的に件数が減ったあと、再び、増加する傾向が見られます。国税庁が、2025年12月に公表した、令和6事務年度(2024年7月から2025年6月)の調査事績では、法人税と消費税の追徴税額の総額が、3,407億円と、直近10年で最高になったと報じられています。

この記事では、税務調査の種類と流れ、調査の対象になりやすい会社の特徴、調査で指摘されやすいポイント、事前にできる対策、調査が入ったときの対応を、解説します。税務調査の立会いや、書面添付制度についても、あわせてまとめました。

税務調査とは?目的と種類

税務調査とは?目的と種類

税務調査とは、税務署や国税局の職員が、申告された内容が、正しいかどうかを、確認するために行う調査です。申告の内容を、帳簿や、領収書、契約書などの証拠と、照らし合わせて、確認します。

任意調査と、強制調査

税務調査は、大きく2つに分けられます。

種類 内容
任意調査(一般的な税務調査) 納税者の協力を得て行う調査。ほとんどの税務調査は、これにあたる。事前に連絡があるのが、一般的
強制調査(査察調査) 悪質な脱税が疑われる場合に、裁判所の令状にもとづいて行う調査。事前の連絡はない。国税局の査察部が、担当する

この記事で説明するのは、多くの会社が対象になり得る、任意調査です。任意調査という名前ですが、正当な理由なく、調査を拒否したり、質問に答えなかったりすると、罰則の対象になることがあります。

税務調査が増える背景

税務調査の件数は、2020年に、新型コロナウイルスの感染拡大により、大幅に減りました。その後、感染症が落ち着くにつれて、調査が再開され、件数が、増加しています。また、次のような背景も、あります。

  • コロナ関連の給付金や、補助金の、不正受給への対応
  • 贈与税の申告漏れなど、無申告への取り締まりの強化
  • インボイス制度や、電子帳簿保存法など、新しい制度への、対応の確認
  • 海外取引や、暗号資産などの、新しい分野での、課税の適正化

税務調査の流れ

税務調査の流れ

一般的な税務調査は、次の流れで進みます。

順番 内容
1 税務署から、事前に、電話などで連絡がある(税理士がいる場合は、税理士に連絡が来る)
2 調査の日時、場所、対象の期間、調査の内容を、調整する
3 調査の当日、調査官が、事務所を訪問して、質問や、帳簿の確認を行う(1日から3日程度)
4 必要に応じて、追加の資料の提出や、取引先などへの確認(反面調査)が行われる
5 調査の結果が、説明される(問題なし、または、指摘事項の説明)
6 指摘事項があれば、修正申告をする(または、更正の処分を受ける)

調査の対象になる期間

調査の対象になる期間は、通常、直近の3期分(3年分)です。不正が疑われる場合は、さかのぼって、5年分、場合によっては、7年分が対象になることもあります。税務署が、税金を追加で請求できる期間(更正の期間)は、原則として5年間で、偽りその他不正の行為があった場合は、7年間です。

調査の当日に、確認される主な内容

調査では、次のような資料が、確認されます。

  • 総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳などの、会計帳簿
  • 請求書、領収書、契約書などの、取引の証拠書類
  • 預金通帳、クレジットカードの明細
  • 売上の、日々の記録(レジの記録、売上日報など)
  • 従業員の、給与台帳や、出勤簿、外注費の支払いの記録
  • 議事録、稟議書など、取引の経緯がわかる書類

税務調査の対象になりやすい会社の特徴

税務調査の対象になりやすい会社の特徴

税務署は、申告の内容や、取引の情報などを、分析して、調査の対象を選んでいます。次のような特徴がある会社は、調査の対象になりやすいと、いわれています。

特徴 内容
売上や利益の、大きな増減 前の年と比べて、売上や利益が、急に増えたり、減ったりしている
同業他社と、数字の乖離 同じ業種の平均と比べて、利益率や、経費の割合が、大きく違う
赤字が続いている 長く赤字なのに、事業を続けている、または、役員報酬が高い
多額の経費 交際費、旅費、福利厚生費などが、売上に対して、多い
現金取引が多い 飲食店や小売業など、現金の売上が、多い業種
前回の調査で、指摘があった 過去の調査で、申告漏れなどを、指摘された
情報の提供 取引先や、第三者などから、税務署へ、情報が寄せられた
多額の資金の動き 役員への貸付金、仮払金、海外への送金などが、多い

これらの特徴に、当てはまるからといって、必ず、調査が入るわけではありません。逆に、当てはまらない会社にも、調査が入ることがあります。一定の期間(3年から5年程度)、調査を受けていない会社は、調査の順番が回ってくる可能性が高いと、いわれています。

税務調査で指摘されやすいポイント

税務調査で指摘されやすいポイント

税務調査で、指摘を受けやすい項目には、次のようなものがあります。

売上の計上漏れ・計上時期のずれ

売上を、記録していない(計上漏れ)、または、本来の期ではなく、別の期に計上している(期ずれ)場合は、指摘されやすい項目です。決算の前後の取引は、特に、確認されます。

経費の、私的な支出

経営者の個人的な支出を、会社の経費にしていないかは、確認されるポイントです。家族旅行の費用、個人の飲食費、プライベートの車の費用などが、含まれていないか、注意が必要です。

交際費、会議費の判断

取引先との飲食費は、交際費として扱う場合と、会議費として扱う場合があります。判断を誤ると、指摘されることがあります。誰と、いつ、何のために使ったのかが、わかる記録を、残しておきましょう。

役員報酬、給与、外注費

役員報酬は、定期同額給与のルールを、守っているかが、確認されます。外注費は、実態が、給与にあたらないか(雇用と同じ状態ではないか)が、見られます。給与に、あたると判断されると、源泉所得税や、社会保険料、消費税の、扱いが変わることがあります。

消費税の、仕入税額控除

消費税の、仕入税額控除は、インボイスなどの要件を満たしているかが、確認されます。要件を満たしていない場合、控除が認められないことがあります。

棚卸資産・固定資産

期末の在庫(棚卸資産)の金額が、正しいか、固定資産の減価償却の計算が、正しいかも、確認されます。

税務調査で、特に注意したい取引の例

税務調査で、特に注意したい取引の例

調査で、確認されやすい取引について、具体的な注意点を、整理します。

取引 注意点
役員への貸付金 会社から、役員にお金を貸している場合は、貸付の条件(利息、返済の期限)が、適切か確認される。長期間、返済がないと、役員への賞与とみなされることもある
仮払金・立替金 内容が、はっきりしない仮払金が、残っていると、使い道を確認される。決算までに、精算して、整理しておく
海外取引 海外の取引先との、取引や、送金は、契約書や、取引の実態を、確認される
外注費 外注先との契約が、実質的な雇用にあたらないか、契約書や、業務の実態を、確認される
固定資産の購入 経費にできる金額と、固定資産として、減価償却する金額の区別が、正しいか確認される
家族への給与 実際の勤務の内容に、見合った金額か、確認される

これらの取引は、日ごろから、証拠書類(契約書や、議事録、メールなど)を、整理して、残しておくことが、大切です。「なぜ、この取引が必要だったのか」を、説明できる資料があれば、調査での説明が、スムーズになります。

電子帳簿保存法と、インボイス制度への対応

電子帳簿保存法と、インボイス制度への対応

近年の税務調査では、電子帳簿保存法や、インボイス制度への対応も、確認されることがあります。

電子取引の、データ保存

2024年1月から、電子メールや、ウェブサイトなどで、受け取った、請求書や領収書のデータ(電子取引のデータ)は、紙に印刷して保存するだけでなく、電子データとして、保存することが、義務になっています。検索ができる状態にするなど、決められた要件があります。要件を満たしていないと、調査で、指摘される可能性があります。

インボイスの保存

消費税の、仕入税額控除を受けるには、原則として、取引先から、受け取った、適格請求書(インボイス)の、保存が必要です。インボイスの記載事項に、不備がないかも、確認されます。取引先が、インボイスの発行事業者として、登録されているかを、確認する習慣をつけておきましょう。

税務調査の連絡を受けたときの、準備のチェックリスト

税務調査の連絡を受けたときの、準備のチェックリスト

調査の連絡を受けたときに、準備する項目を、整理します。

  • 顧問の税理士に、連絡して、調査の日程と、対応の方針を、相談した
  • 調査の対象になる期間(直近3期など)の、帳簿と、証拠書類を、そろえた
  • 売上の記録(請求書や、入金の記録)と、預金通帳を、照らし合わせて、確認した
  • 仮払金や、貸付金など、残高が、はっきりしない項目を、整理した
  • 交際費や、会議費などの、経費の、記録を確認した
  • 契約書、議事録、稟議書など、取引の経緯を示す書類を、用意した
  • 調査の当日、対応する人(経営者、経理の担当者、税理士)を、決めた

準備のときに、帳簿や書類を、あとから書き換えたり、作成し直したりすることは、絶対に、避けてください。事実を、改ざんすると、悪質と判断され、重加算税の対象になる、可能性があります。

税務調査の事前対策

税務調査の事前対策

税務調査への備えは、日々の経理と、申告を、適正に行うことが、基本です。

1.帳簿と、証拠書類を、整える

日々の取引を、正確に帳簿に記録して、領収書や、請求書、契約書などの証拠書類を、整理して、保存しておきます。法人は、原則として、7年間(赤字の繰り越しがある場合は、最長10年)、帳簿書類の保存が必要です。2024年1月から、電子取引で、受け取った請求書などの、データの保存が、義務になっています。電子データは、決められた方法で、保存する必要があります。

2.経費の根拠を、残す

交際費や、会議費、出張費などは、「誰と、いつ、何のために」の、記録を残しておきます。領収書に、メモを書いておくだけでも、有効です。

3.会社と、個人のお金を、分ける

会社のお金と、経営者個人のお金を、はっきり分けて管理します。私的な支出を、会社の経費にしない、会社の口座から、個人の支出をしない、役員への貸付金や、仮払金を、そのままにしないことが、大切です。

4.税理士に、定期的に相談する

税理士に、月次の数字を、確認してもらい、判断に迷う取引は、事前に、相談しておきます。税理士が、数字や、帳簿をチェックしていることで、調査のリスクを、減らせます。

5.書面添付制度を活用する

書面添付制度は、税理士が、申告書を作成するときに、どのように、内容を確認したかを、記載した書面を、申告書に添付する制度です。この書面が、添付されていると、税務調査の前に、税理士が、税務署から、意見を聞かれる機会(意見聴取)があります。その場で、疑問が解消されれば、実際の調査が、行われないこともあります。書面添付をするかどうかは、税理士と相談して決めましょう。

税務調査が入ったときの対応

税務調査が入ったときの対応

税務調査の連絡があったときは、次のように対応しましょう。

  • 慌てずに、顧問の税理士に連絡して、対応を相談する
  • 調査の日程は、都合に合わせて、調整できる場合がある(ただし、正当な理由なく、延ばし続けることは、避ける)
  • 調査の当日までに、帳簿や、書類を、整理しておく
  • 調査には、税理士に立ち会ってもらう(質問への答え方を、助言してもらえる)
  • 質問には、事実を、正直に答える。分からないことは、無理に答えず、確認して回答する
  • 調査官から、書類の提出を求められたときは、内容を確認して、提出する(原本を預ける場合は、預かり証をもらう)

事実と異なる説明や、書類の隠蔽は、状況を悪くするため、避けましょう。調査官の質問の意図が、分からないときは、税理士に確認しながら、対応します。

調査の結果と、追加で納める税金

調査の結果、申告の誤りが見つかった場合は、修正申告をして、追加の税金を納めます。そのとき、次のような、ペナルティの税金がかかることがあります。

種類 内容
過少申告加算税 申告した税額が、少なかった場合にかかる
無申告加算税 申告をしなかった場合にかかる
重加算税 売上の隠蔽や、書類の偽造など、事実を隠したり、仮装したりした場合にかかる。ペナルティの中で、最も重い
延滞税 納付が、遅れた期間に応じてかかる

調査の結果に、納得できない場合は、税理士に相談して、不服を申し立てる方法もあります。

贈与税や相続税の税務調査

贈与税や相続税の税務調査

税務調査は、法人だけでなく、個人の贈与税や、相続税でも行われます。特に、贈与税の申告漏れ(特に、無申告)への、取り締まりが、強化されています。相続税の調査では、被相続人(亡くなった方)の預金の動きや、家族名義の財産が、確認されます。

贈与については、2024年1月から、制度が見直され、相続開始前の贈与を、相続税の計算に加える期間が、段階的に、3年から7年に、延びています。生前贈与を、活用する場合は、制度を理解したうえで、計画的に行う必要があります。相続税の調査で、対象になりやすい人の特徴や、生前贈与の考え方は、専門家に相談して、確認しましょう。

税務調査でよくある誤解

税務調査でよくある誤解

税務調査については、次のような誤解がよく見られます。

  • 税務調査は、悪いことをしている会社にしか入らない → 一定の期間が経つと、問題のない会社にも、入ることがあります。
  • 調査の連絡は、突然、来るので、準備ができない → 通常は、事前に、日時の連絡があります。
  • 調査官の質問には、すべて、その場で答えなければならない → 分からないことは、確認して回答してもかまいません。
  • 税理士は、調査に、立ち会えない → 税理士は、調査に立ち会い、納税者の立場で、対応できます。
  • 調査を拒否すれば、調査されない → 正当な理由のない拒否は、罰則の対象になります。

税務調査のお悩みはストラーダグループへ

税務調査のお悩みはストラーダグループへ

ストラーダグループの税理士法人では、日々の経理や、決算・申告のサポートに加えて、税務調査の事前の対策や、調査への立会い、書面添付の活用など、グループの専門家が連携して対応しています。

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※本記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。税制や、調査の運用は、変更されることがあります。実際の対応については、税理士などの専門家にご確認ください。

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この記事の監修者
非公開: 宮口 奨平
中小企業診断士
求人メディア運営会社に入社後、業務改善・経理等の業務に従事。 中小企業診断士資格を取得後、ストラーダに入社して、経営コンサルティング、融資や補助金の申請業務等に従事している。 クライアントニーズの本質を追求したサービス提供することをモットーとしている。趣味はマラソン。
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