定額減税、その言葉を耳にする機会が増えた今日この頃ですが、実際にどのような影響があるのでしょうか?
本記事では、会社員から自営業者まで、幅広い立場の方々にとっての定額減税の意味を、わかりやすく丁寧に解説します。
さまざまな疑問を解消しながら、この減税措置があなたの財布にどうプラスに働くかを探っているので、ぜひ最後までお読みください。
Contents
定額減税とは?分かりやすく解説
2023年10月、岸田首相は所信表明演説で経済対策を最優先課題に挙げました。その中核として、「国民への還元」が語られ、定額減税が注目されています。
物価の高騰に対し、賃金が追い付かない現状を踏まえ、政府は2024年に定額減税を実施することを決定しました。この減税により、1人当たりの所得税と住民税が合計で4万円減税されるのです。
この減税措置は、納税者本人及びその扶養家族(居住者に限る)が対象です。例えば、4人家族では最大16万円の減税が可能です。これにより、家計は直接的な手取り増を体感することになります。
さらに、2024年(令和6年)6月の源泉所得税から所得税の減税が始まり、7月からは住民税が減税されます。住民税は特別控除後の金額を11分割し、それを次の年の5月まで分割して支払う形になります。
また、フリーランスやパート、アルバイトを含む非給与所得者も、給与所得者と同様に特別控除の適用を受けることができます。さらに低所得者や非課税世帯には、別途給付金も支給されるため、幅広い層が支援の対象となっています。
このように、定額減税は直接的な税金の軽減を通じて、国民の可処分所得を増やすことを目的としています。多くの家庭が実感できるほどの影響が期待される中、具体的な適用条件や対象者の範囲を理解することが重要です。
政策の詳細に目を向け、どのように自身や家族の税負担が軽減されるのかを把握しましょう。
会社員やサラリーマンの場合の定額減税はどうなる?
令和6年6月1日から、会社員の皆さんが受け取る給与や賞与から、定額減税が適用されます。この減税は、その月の所得税から直接差し引かれるため、手取り額が増えることになります。
定額減税の適用は、6月1日に在籍している社員に限られています。6月2日以降に入社した方は、残念ながらこの減税の恩恵を受けることはできません。最初の給与または賞与の支払いで減税額全てを差し引くことができなかった場合は、次回以降の給与や賞与で差し引きが続けられます。
個人事業主や自営業の場合の定額減税はどうなる?
個人事業主や自営業の場合は、予定納税のあり・なしによって所得税の定額減税の申請方法が変わりますので、一緒に見ていきましょう。
予定納税がある場合の所得税について
個人事業主が確定申告で計算した課税所得が245万円を超えると、翌年に所得税の予定納税が求められます。
2024年は7月と11月に納税の機会があり、まず7月の納税で所得税から3万円の減税が適用されます。これで控除しきれなければ、11月に余剰分が減額される仕組みです。
扶養親族がいる事業主は、予定納税の減額申請をし忘れないようにしましょう。そうすれば、扶養親族に対する減税も受けられます。
もし申請を忘れたら、2025年の確定申告での調整が必要になります。
予定納税がない場合の所得税について
予定納税対象外の個人事業主や自営業者は、定額減税を受けるために自ら確定申告を行う必要があります。このケースでは、減税のメリットを感じるのは2025年の確定申告後です。
2024年中には、所得税分の3万円減税は適用されず、次の確定申告で一括して調整されるので、注意が必要です。
個人事業主や自営業の住民税について
住民税で定額減税分の1万円は、2024年6月分から減税されます。自治体が計算しているため、個別に調整する必要はありません。
定額減税でよくあるご質問
続いて、定額減税でよくあるご質問に回答していきます。今回の定額減税にあたって、知っていたほうが良いので、ぜひ参考にされてみてくださいね。
住宅ローン控除に影響はないのか?
定額減税の導入によって、住宅ローン控除を利用している方々の間でひとつの疑問が浮上しています。減税により所得税が下がると、年末のローン残高に基づく控除の恩恵は減るのではないかという心配です。
しかし、安心してください。所得税で控除しきれなかった分については、給付金として1万円単位で還元されるため、実質的な損失はありません。住宅ローン控除を活用している方にとって、定額減税は影響を及ぼさないと言えるでしょう。
ふるさと納税に影響はないのか?
定額減税が導入された今、ふるさと納税を利用する際の控除上限が変わるのではないかという疑問もよくお聞きします。
ご安心ください。定額減税前の所得割額を基に控除額上限が計算されるため、実質的にふるさと納税の条件は変わりません。
結果として、お得に地方の特産品を受け取ることができる制度の魅力はそのままに、減税の恩恵も受けられるのです。
年収2,000万円超えはどうなるのか?
年収2,000万円、合計所得が1,805万円以上の場合は、今回の定額減税は適用されません。
所得税・住民税の年間合計が4万円を超えない場合は?
所得税や住民税の納税額が年間で1人4万円未満の方々も、定額減税の恩恵を受けられます。減税の全額を享受できない場合、差額が給付金として支払われるため、実質的な負担は軽減されます。
この給付は1万円単位で行われ、例えば所得税が年間1万6000円であれば、所得税の減額額3万円との差は、1万4000円です。この場合は、1万4000円が切り上げされ、2万円の給付金が支給されます。
定額減税の恩恵を十分に受けるためのしくみが整っていることを理解し、準備しましょう。
まとめ
今回は定額減税の仕組みを分かりやすく解説してきました。再度、ポイントをまとめておきます。
- 1人あたり4万円が減税される(所得税は3万円、住民税は1万円)
- 納税者本人及びその扶養家族(居住者に限る)が対象
- サラリーマンや会社員は、2024年6月から適用される
- 個人事業主や自営業の所得税減額は予定納税のあり、なしによって対応が変わる
- 年収2,000万円以上は適用外
- 年間納税額が4万円に満たない場合は、給付金として還元される