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2024.09.26 創業融資

公庫の創業融資を受けるためのポイント・創業計画書の書き方

公庫の創業融資を受けるためのポイント・創業計画書の書き方

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日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資は、創業期の資金調達で、最も多く利用される制度のひとつです。ただし、「申し込めば、誰でも借りられる」というものではなく、審査があります。公庫のホームページにも、審査の結果、希望に沿えないことがあると明記されています。

審査で見られるのは、実績ではなく、これからの事業の計画が、現実的で、返済できる見込みがあるかどうかです。その内容を伝えるための書類が、「創業計画書」で、面談では、その内容について、質問を受けます。創業計画書を、どれだけ具体的に、分かりやすく書けるかが、審査の大きなポイントになります。

この記事では、公庫の創業融資を受けるために、押さえておきたいポイントを、創業計画書の項目ごとに整理します。面談で聞かれやすい質問と、準備のコツも紹介します。

なお、融資の条件は、変更されることがあります。この記事は、2026年10月時点で、公庫の公式サイトに掲載されている情報をもとにしています。申し込みの前に、公式サイトで、最新の情報を確認してください。

公庫の創業融資の基本

公庫の創業融資の基本

創業期の方が、主に使うのは、「新規開業・スタートアップ支援資金」です。公庫の公式サイトによると、概要は次のとおりです。

  • 対象:新たに事業を始める方、または、事業開始後おおむね7年以内の方
  • 融資限度額:7,200万円
  • 返済期間:設備資金は20年以内(うち据置期間5年以内)、運転資金は10年以内(うち据置期間5年以内)
  • 条件:新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、その計画を遂行する能力が、十分あると認められる方

創業期の方は、公庫のQ&Aによると、原則として、無担保・無保証人で、各種の融資制度を利用できます。申し込みから融資が決まるまでの期間は、平均的には、3週間程度です。制度の詳しい内容は、別の記事「公庫の創業融資とは?新規開業・スタートアップ支援資金の条件」でも、解説しています。

審査のポイント:何を見られているのか

審査のポイント:何を見られているのか

公庫は、貸したお金を、返してもらえるかどうかを、判断します。そのために、次のような点を、総合的に見ています。

1. 事業の経験と、実績

これから始める事業に、関連する経験や、職歴、資格があるかが、見られます。経験がある分野での創業は、見通しが立てやすく、評価されやすくなります。

2. 自己資金

自己資金の額と、それを貯めてきた経緯が、見られます。公庫のQ&Aでは、自己資金は、重要な要素のひとつだが、それ以上に、創業計画全体が、しっかりしているかが重要と、説明されています。公庫が、融資先の創業企業を対象に実施した調査(新規開業実態調査)では、創業資金の総額に占める自己資金の割合は、平均で2割程度と、紹介されています。

3. 事業の見通し(売上と利益)

売上の見込みが、現実的か、根拠があるかが、見られます。楽観的な数字を並べるのではなく、客数、単価、営業日数など、積み上げて計算した数字が、求められます。

4. 返済の見込み

利益から、借入の返済ができるかどうかが、見られます。返済の期間や、据置期間をふまえて、無理のない資金計画になっているかが、重要です。

5. 人柄と、誠実さ

面談では、経営者の人柄や、事業への熱意、説明の一貫性も、見られます。質問に、誠実に、具体的に答えることが、大切です。

創業計画書の書き方

創業計画書の書き方

創業計画書は、公庫の公式サイトで、書式をダウンロードできます。主な記載の項目と、書くときのポイントを、整理します。

創業の動機

なぜ、この事業を始めるのか、動機を書きます。自分の経験や、地域の課題、顧客の困りごとと、結びつけて書くと、説得力が高まります。「独立したいから」だけでなく、「どのような顧客の、どのような課題を、どう解決したいのか」まで書きます。

経営者の略歴など

これまでの職歴、経験した業務、取得した資格を、具体的に書きます。創業する事業に、関連する経験は、特に、詳しく書きます。たとえば、「飲食店で、店長として、5年間、仕入れや、人の管理を担当した」というように、役割と期間を、はっきり示します。

取扱商品・サービス

何を、いくらで、どのように提供するのかを、具体的に書きます。商品やサービスの、強み、他社との違い、ターゲットとする顧客も、あわせて、書いてください。

取引先・取引関係など

販売先や、仕入先、外注先などを、書きます。すでに、取引の見込みがある場合は、具体的な名前や、条件を書くと、売上の根拠として、評価されやすくなります。

従業員

常勤の役員や従業員、パートやアルバイトの人数を、書きます。創業時の体制と、今後の採用の予定を、整理しておきます。

お借入の状況

個人の借入(住宅ローン、自動車ローン、カードローンなど)の状況も、書きます。借入があること自体が、すぐに、マイナスになるわけではありません。正確に、書くことが、大切です。

必要な資金と調達方法

設備資金と、運転資金に、いくら必要か、その資金を、自己資金、公庫からの借入、他の金融機関からの借入などで、どう調達するかを、書きます。必要な資金の、見積書などの裏づけが、あると、説得力が増します。

事業の見通し(月平均)

創業当初と、軌道に乗ったあとの、売上高、売上原価、経費、利益を、月平均で書きます。売上の見込みは、積み上げ式で、計算してください。たとえば、飲食店なら、「席数×回転数×客単価×営業日数」のように、計算の根拠を示します。経費は、人件費、家賃、水道光熱費、広告宣伝費、借入の返済額なども、漏れなく、含めます。

面談でよく聞かれる質問と、準備のコツ

面談でよく聞かれる質問と、準備のコツ

申し込みのあと、公庫の担当者との面談があります。次のような質問が、よく出るため、あらかじめ、答えを準備しておきましょう。

  • なぜ、この事業を始めようと思ったのですか
  • これまでの経験は、事業にどう活かせますか
  • 売上の見込みの、根拠は何ですか
  • 競合との違いは、何ですか
  • 自己資金は、どのように貯めましたか
  • 借りたお金は、何に使いますか
  • 返済は、どのようにする計画ですか
  • 計画どおりに進まなかったときは、どうしますか

準備のコツ

  • 創業計画書の内容を、自分の言葉で、説明できるようにしておく
  • 数字は、根拠を含めて、答えられるようにしておく
  • 質問されたことに、簡潔に、具体的に答える
  • 分からないことを、ごまかさず、正直に伝える
  • 見積書、契約書、通帳などの資料を、そろえて持参する

申し込み前に、確認しておきたいこと

申し込み前に、確認しておきたいこと

創業予定地を決めておく

公庫のQ&Aでは、創業予定地が未定のままでは、収支計画や、売上の予測が立てられないため、まず、出店地を決めてから、申し込むよう案内されています。

資本金の払い込みには、使えない

法人を設立する場合、資本金の払い込みにあてる資金は、融資の対象外です。設立の登記が終わったあとの法人が、融資の対象になります。

許認可を確認する

飲食店の営業許可、酒類販売業の免許など、事業によって、許認可が必要です。取得の見通しを、あらかじめ、立てておいてください。

特別利率の対象になるか確認する

女性の方、35歳未満または55歳以上の方、創業塾や創業セミナーを受けて、証明書を取得した方などは、特別利率の対象になる場合があります。税理士などの認定経営革新等支援機関の指導や、助言を受けて、事業計画書を作成した場合も、条件によっては、対象になります。公式サイトで、最新の条件を確認してください。

資金計画の書き方(想定例)

資金計画の書き方(想定例)

「必要な資金と調達方法」は、融資の金額を決める、重要な項目です。次の想定例は、数字の書き方のイメージをつかむためのもので、実際の金額を示すものではありません。

区分 内容 金額
設備資金 内装工事、厨房機器、什器 600万円
設備資金 保証金(敷金)、物件の取得費 150万円
運転資金 当初の仕入れ、人件費、家賃、広告費 250万円
必要な資金の合計 1,000万円
調達方法 自己資金 300万円
調達方法 公庫からの借入 700万円

この例では、必要な資金1,000万円のうち、自己資金が300万円(3割)、借入が700万円です。借入の金額は、返済できる範囲で、決める必要があります。設備資金には、見積書、運転資金には、数か月分の支出の内訳を、根拠として添えます。

運転資金は、どのくらい用意するか

運転資金は、売上が入金されるまでの間の、支払いに充てる資金です。売上の入金が、遅い業種や、仕入れの支払いが、先に来る業種では、より多くの運転資金が、必要になります。一般的には、数か月分の固定費と、仕入れの支払いを、まかなえる額を、目安に、計画を立てます。

売上の見込みを、積み上げて計算する

売上の見込みを、積み上げて計算する

売上の見込みは、業種ごとに、次のように、積み上げて計算すると、根拠を示しやすくなります。

  • 飲食店:席数×1日の回転数×客単価×営業日数
  • 美容院・サロン:施術できる席の数×1日の客数×客単価×営業日数
  • 小売店:1日の客数×客単価×営業日数
  • コンサルティング・士業:顧問先の数×月額の報酬+スポット案件の件数×単価
  • 建設・工事業:月の受注件数×1件あたりの平均単価

計算に使う客数や、回転数の数字は、競合店の観察、前職での経験、取引先の見込みなどを、根拠として、示します。創業当初は、客数が少ないことを、前提に、少なめの数字から始めて、徐々に増える形で、計画を立てると、現実的な計画と、評価されやすくなります。

審査で、不利になりやすいケース

審査で、不利になりやすいケース

次のようなケースは、審査で、不利になりやすいため、注意してください。

  • 創業計画書の数字に、根拠がない、または、楽観的すぎる
  • 事業に、関連する経験が、ほとんどない(経験者の採用や、専門家の支援の計画もない)
  • 自己資金が、ほとんどなく、貯めてきた経緯も、説明できない
  • 税金や、社会保険料、公共料金などの、支払いの遅れがある
  • 他の借入の返済が、遅れている(クレジットカードやローンの延滞を含む)
  • 面談での、説明が、創業計画書の内容と、食い違っている

特に、個人の信用情報に、延滞の記録があると、審査に影響するおそれがあります。申し込みの前に、支払いの状況を、確認しておくことをおすすめします。

融資を受けたあとのポイント

融資を受けたあとのポイント

融資が実行されたら、計画に沿って、事業を進めることが、大切です。融資を受けたお金は、申し込みのときに、説明した、使いみちに、使う必要があります。また、月々の返済を、確実に行い、毎月の試算表で、資金繰りを確認しましょう。実績が積み上がれば、次の融資や、設備の拡大の際に、金融機関から信頼を得やすくなります。

創業融資のよくある質問

創業融資のよくある質問

Q1. 申し込みは、創業前でもできますか?

できます。公庫の対象は、新たに事業を始める方で、事業開始後おおむね7年以内の方も、含まれます。ただし、事業計画が、具体的で、創業予定地などが決まっていることが、前提です。

Q2. 個人事業主と法人のどちらで、申し込むのが有利ですか?

公庫のQ&Aによると、融資の申し込みについて、個人と法人とで、大きな違いは、特になく、融資を受けるうえで、どちらが有利ということは、ありません。個人で申し込む場合は、創業予定地を管轄する支店、法人で申し込む場合は、法人登記上の本店所在地を管轄する支店が、窓口になります。

Q3. 審査に落ちたら、再び、申し込めますか?

再度、申し込むことは、可能です。ただし、前回の審査で、どこに課題があったのかを、整理し、計画の見直しや、自己資金の積み増し、経験の補強などを行ってから、申し込むことをおすすめします。同じ内容のまま、申し込んでも、結果が変わらない可能性があります。

Q4. 専門家に、創業計画書の作成を頼むメリットは?

税理士などの専門家は、数字の根拠や、資金繰りの見通しなど、審査で見られるポイントを、踏まえて、計画書を作成する支援ができます。また、認定経営革新等支援機関の指導や、助言を受けて、事業計画書を作成した場合は、条件によって、特別利率の対象になる場合があります。

創業融資のお悩みはストラーダグループへ

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ストラーダグループでは、創業計画書の作成のご相談から、公庫などへの融資の申し込みの準備、面談の対策、創業後の経理や税務まで、税理士などの専門家が連携して、サポートしています。初回のご相談は無料です。お気軽にご相談ください。

※本記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。融資の条件は変更されることがあるため、申し込みの前に、日本政策金融公庫の公式サイトなどで、最新の情報をご確認ください。

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この記事の監修者
山田 直輝
税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
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