最近、女性で起業を検討されている方から、このようなご質問をいただきました。
「女性で自己資金がなくても、起業融資は受けられるの?」
今回の記事では、上記のご質問に回答したあと、女性起業家の融資事情や、おすすめの起業融資・助成金についてご紹介しています。
今、起業を検討している女性にとって、必見の内容となっているので、ぜひ最後までお読みください。
Contents
【前提】自己資金とは?
自己資金と聞くと難しそうですが、起業を目指す女性にとってはとても大切なポイントです。簡単にいうと、自己資金とは自分の持っているお金や財産のことです。起業の際には、この自己資金があるかないかで融資を受けられるかが変わってきます。
預貯金や資産売却から得たお金、贈与された資産や退職金、相続財産などが自己資金にあたります。これらは、資金の出所が明確であれば融資を受ける際の強力なサポートになります。しかし、タンス預金や他人からの借り入れは自己資金にはなりません。
起業融資や助成金を利用する場合、これらの自己資金がどのように活用できるかを把握しておくことが重要です。自己資金がなくても、助成金や特定の融資プログラムを利用すれば、夢を実現することが可能になるかもしれません。まずは、自分の資金状況をしっかり理解することが大切です。
シングルマザーでも起業融資は受けられる?
シングルマザーの方も、起業を夢見ているなら諦める必要はありません。実は、自己資金がなくても、助成金や融資の道は開かれています。
助成金は返済不要で、厚生労働省が雇用創出や労働環境の改善を目指して支援してくれます。これは、年間を通じて申請可能で、条件に合えば支援を受けることができます。
さらに、女性起業家支援やシングルマザーを対象とした起業融資も存在し、これらを活用することで、資金面の心配を少しでも軽減できるでしょう。
女性で自己資金がなくても起業融資は受けられるのか?
自己資金がない状態でも、起業融資を受ける道は開かれています。実は、融資の審査において自己資金はひとつの項目に過ぎず、事業計画や過去の経験・実績など他の強みをアピールすることで、融資を受けることが可能です。
特に、女性起業家支援やシングルマザー向けの起業融資プログラムは、自己資金がない方でも応募可能なものが多く存在します。ただし、自己資金が不要な代わりに、その他の厳しい要件をクリアする必要がある場合が多いので、事前に条件をしっかり確認しましょう。
また、こちらの記事「創業融資は自己資金なしでも受けられる?自己資金ゼロの場合の対策7選」でも自己資金がない場合の創業融資について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
女性は融資を受けられる確率は低い?
女性が起業融資を受けるのは難しいと思われがちですが、実際には申し込みを行うこと自体に男女の差はほぼありません。
独立行政法人経済産業研究所によると、「融資を検討した人」の中で実際に融資を受けられた割合は女性の方が13%低かったです。しかし、「実際に融資に申し込んだ人」の中だと、男女差はほぼありませんでした。
つまり、融資を得るチャンスは女性でも十分にあります。重要なのは、しっかりとした事業計画をもって、自信を持って申し込むことです。
自己資金なしで受けられる女性の起業融資3選
ここからは、自己資金なしでも受けられる女性の起業融資として、下記の3つご紹介します。
- 新創業融資
- 新規開業資金
- 女性、若者/シニア起業家支援資金
順番に解説していくので、ぜひ最後までお読みくださいね。
新創業融資
「新創業融資制度」は、日本政策金融公庫が提供するもので、起業初期の資金調達を支援しています。担保や保証人なしで最大3,000万円の融資が可能です。
ただし、事業開始後の税務申告を1期終えていない方は、創業資金総額の10分の1以上の自己資金があることが条件となります。しかし、同業種での勤務経験があれば、この自己資金要件をクリアできる場合もあります。
詳しくは、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」をご覧ください。
新規開業資金(中小企業経営力強化関連)
日本政策金融公庫の「新規開業資金(中小企業経営力強化関連)」は、自己資金要件なしで、最大7,200万円の融資を受けられます。事業開始後おおむね7年以内であれば、小規模事業者から個人事業主まで幅広く対象となります。
ただし、中小企業等経営強化法に定められた認定支援機関からの指導や助言を受けていることが条件です。
詳細は、日本政策金融公庫の「新規開業資金(中小企業経営力強化関連)」を参考にしてください。
女性、若者/シニア起業家支援資金
「新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」は、新たにビジネスをスタートさせる方や事業開始から7年以内の方を対象に、日本政策金融公庫が提供しています。
女性で35歳未満、55歳以上の方が利用でき、7200万円までの融資が可能で、自己資金要件がないです。特別利率である1.7%〜2.9%の低利での融資が受けられます。
要件などについては、日本政策金融公庫の「新規開業資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」をご確認ください。
女性起業家を支援してくれる助成金3選
ここまで女性向けの起業融資をご紹介してきましたが、ここからは女性起業家を支援してくれる助成金として、下記の3つをご紹介します。
- 【東京都】若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
- キャリアアップ助成金
- 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)
どの助成金も、女性起業家の強い味方になるので、一緒に見ていきましょう。
【東京都】若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
東京都が提供する「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」は、都内商店街での新規開業や事業多角化を目指す方々をサポートします。この助成金は、女性起業家にとって特に魅力的で、女性は年齢制限なしで申請可能です。
限度額は730万円にも及び、店舗新装や改装、設備購入、宣伝広告費などに利用できます。
最新情報などは、東京都中小企業振興公社の「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」をご覧ください。
キャリアアップ助成金
非正規雇用の従業員を正社員にする、またはその処遇を改善する際に利用できる「キャリアアップ助成金」があります。この助成金は、正社員化コースや賃金規定等改定コースなど、複数の選択肢を提供しており、正社員化に成功した場合は最大57万円の支援を受けられます。
詳しくは、厚生労働省の「キャリアアップ助成金」をお読みください。
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)
「地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)」は、地域貢献性の高い事業を行う女性起業家を支援する目的で作られました。研究開発や市場開拓などの費用に対して助成金が提供されます。各都道府県によって運営され、返済義務のない助成金を受けられる点が魅力です。
地域の特性を活かしたビジネスアイデアをお持ちなら、ぜひこの機会を利用しましょう。
詳細は中小機構の「地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)をご確認してみてくださいね。
まとめ
今回の記事では、自己資金がない女性でも起業融資が受けられるのかについて解説し、おすすめの起業融資先や助成金をご紹介しました。
自己資金がない女性でも起業融資を受けることは可能です。しかし、そのほかの要件をクリアする必要があることは覚えておきましょう。
また創業融資については「【徹底ガイド】創業融資とは?種類ごとのメリット・デメリット・流れをご紹介!」の記事で、非常に分かりやすく解説しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。