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2026.06.25 税理士

税理士の年収はどのくらい?開業・勤務・キャリア別の収入【無料相談】

税理士の年収

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税理士という職業に興味を持ったとき、あるいはキャリアチェンジを検討するとき、まず気になるのが年収の水準ではないでしょうか。税理士は国家資格を必要とする専門職であり、その収入は勤務形態やキャリアの段階によって大きく異なります。

一般的なイメージとして「高収入の職業」と捉えられることも多い税理士ですが、実態は勤務税理士と独立開業税理士とでは収入構造が根本的に異なります。また、同じ勤務税理士であっても、勤務先の規模や担当業務、資格取得後の年数によって収入に相応の差が生じます。

このコラムでは、税理士の年収について、公的データや業界実態をもとに段階別・形態別に整理します。税理士を目指す方、税理士事務所への転職を検討している方、あるいはご自身の収入水準を客観的に確認したい税理士の方にとって、有益な情報となれば幸いです。

Contents

税理士の平均年収はどのくらいか

税理士の年収を示す公的データとして参照されることが多いのは、厚生労働省が公開している「賃金構造基本統計調査」や、国税庁の「民間給与実態統計調査」などです。ただし、これらの統計は勤務形態を横断したデータのため、個別の実態とは乖離が生じる点に留意が必要です。

税理士・公認会計士の平均年収は、各種調査をもとにするとおおむね600万円から800万円程度の水準と報告されることが多い状況です。ただし、この数値は勤務税理士と独立開業税理士を含んだ平均値であるため、実態をそのまま反映しているとは言い切れません。

たとえば、新卒または試験合格直後に税理士事務所へ就職した場合の年収は300万円台からスタートするケースも珍しくありません。一方、20年以上のキャリアを積んだベテラン開業税理士であれば、年収が2,000万円を超えるケースも存在します。このような幅広い分布があるため、平均値だけで税理士の収入実態を把握することには限界があります。

勤務税理士の年収水準

税理士資格を取得した後、税理士法人や個人の税理士事務所に勤務する形態を「勤務税理士」と呼びます。勤務税理士は、一般的な会社員と同様に月次給与と賞与で収入を得る形となります。

資格取得前後の年収目安

税理士試験は5科目合格が必要な国家試験であり、多くの受験者は働きながら数年かけて合格を目指します。試験合格前のスタッフ職員(科目合格者を含む)は、年収300万円から400万円台が中心的な水準となることが多い状況です。

5科目合格を果たして税理士登録を行うと、多くの事務所では昇給や資格手当が支給されます。登録直後の段階では年収400万円台後半から500万円台が目安となることが多く、その後は担当クライアント数や業務範囲の拡大とともに収入が上昇していく傾向にあります。

勤務先の規模による差異

勤務する事務所の規模は、年収に大きな影響を与える要素の一つです。大手税理士法人(いわゆるBig4系や規模の大きな独立系法人)に勤務する場合、一般的な中小規模の事務所と比べて給与水準が高い傾向があります。

大手税理士法人では、シニアスタッフ・マネージャークラスになると年収700万円から1,000万円以上に達するケースも見られます。一方、中小規模の事務所では同等の経験年数であっても、500万円から700万円程度に収まることが多いのが実態です。

また、勤務先が税務申告業務中心の事務所か、国際税務・M&Aアドバイザリー・相続業務特化型かによっても、求められるスキルと収入水準は異なります。専門性の高い領域では、市場評価が高くなりやすく収入水準も相応に異なる傾向があります。

企業内税理士(インハウス)の年収

事業会社(一般企業)の経理・税務部門に勤務する「企業内税理士」という選択肢もあります。上場企業や大手グループの税務部門では、税理士資格保有者に対して専門職手当や資格評価を設けているケースがあります。

企業内税理士の年収は、勤務先企業の給与水準に依存するため一律には言いにくいですが、大手企業であれば年収600万円から1,000万円台も視野に入るケースがあります。事務所勤務と異なり、残業時間の管理や福利厚生が充実しているケースも多く、ワークライフバランスを重視する方にとって選択肢となります。

独立開業税理士の年収と収入構造

独立開業した税理士の収入は、顧問先の数・規模・提供サービスの内容によって大きく変動します。勤務税理士と異なり、固定給という概念はなく、事務所の売上から経費を差し引いた利益が実質的な所得となります。

開業初期の収入実態

独立開業した直後は、顧問先の獲得が最大の課題となります。税理士事務所の顧問報酬は、クライアントの規模や業務内容によって異なりますが、中小企業・個人事業主向けの一般的な顧問料は月額2万円から5万円程度が一つの目安とされています。

開業初年度は顧問先が数件程度にとどまるケースも多く、年収が200万円から300万円台に留まることも珍しくありません。この段階では、前職の人脈や紹介を起点に徐々に顧問先を拡大していくことが多いです。

軌道に乗った段階の収入目安

開業から3年から5年が経過し、顧問先が30社から50社程度に達してくると、年収500万円から800万円程度に到達するケースが増えてきます。さらに100社を超える規模になると、1,000万円以上の年収も十分に現実的な水準となります。

ただし、顧問先が増えれば従業員の採用や事務所の拡張といった固定費も増加するため、売上の増加がそのまま手取り収入の増加につながるとは限りません。事務所経営の視点から、適切な収益管理が求められます。

専門分野による収入の違い

相続税申告、事業承継、国際税務、医療法人特化、不動産税務など、特定の専門分野を持つ税理士は、その分野における高単価の案件を獲得しやすい傾向にあります。

特に相続税申告は、不動産評価や遺産分割の複雑さに応じて報酬額が大きくなりやすく、年間数件の相続案件を手がけるだけでも収入に大きな影響を与える業務領域です。専門性を磨き、その分野での実績・信頼を築くことが、収入向上の一つの方向性となります。

年収に影響を与える主な要因

税理士の年収は一つの要素で決まるものではなく、複数の要因が組み合わさって形成されます。以下に代表的な要因を整理します。

要因 内容・影響
勤務形態 勤務税理士か独立開業かで収入構造が根本的に異なる
勤務先規模 大手法人は給与水準が高い傾向にある
専門分野 相続・国際税務・M&Aなど高度専門分野は高単価になりやすい
キャリア年数 経験を積むことで担当範囲・評価が上がる
顧問先の数・規模(開業の場合) 顧問先の数と規模が直接売上に連動する
資格・業務範囲の広さ 社労士・FP・行政書士等との複合的な対応が付加価値につながる
地域 都市部と地方では市場規模・報酬水準に差がある

これらの要因は相互に影響し合うものであり、特定の一要因だけで収入が決まるわけではありません。自身のキャリアビジョンと照らし合わせながら、どの方向性に注力するかを検討することが重要です。

税理士の年収に関するよくある誤解

税理士の収入については、実態と異なる認識が広まっているケースも見られます。以下に代表的な誤解と実際の状況を整理します。

誤解① 資格を取れば自動的に高収入になる

税理士資格の取得は、専門家としての土台を形成するものですが、資格取得イコール高収入という直接的な連動はありません。収入水準は、資格取得後にどのような業務を担い、どれだけの実務経験を積み、どのようなクライアントと関係を構築してきたかによって形成されます。

資格は出発点であり、実務の積み重ねと顧客との信頼関係が収入を形成するという認識が実態に近いといえます。

誤解② 全員が高収入を得ている

税理士全体の平均年収が600万円から800万円と報じられることがありますが、この数値には収入の高い開業税理士が含まれており、勤務税理士・特に若手の実態とは乖離がある場合があります。

税理士試験の難易度から「高収入職種」と見なされることも多いですが、実際には幅広い収入分布が存在します。収入の高い税理士は、長年にわたる実務実績・専門性・経営感覚を兼ね備えていることが多い状況です。

誤解③ 開業すればすぐに収入が上がる

独立開業は収入上昇のチャンスを広げる選択肢ですが、開業直後から安定した収入を確保できるとは限りません。顧問先の開拓には時間がかかり、開業初年度から数年間は収入が安定しないケースも多く見られます。

開業前には、一定の自己資金・実務経験・顧客候補の確保が重要な準備事項となります。開業後の経営リスクを十分に理解した上で判断することが望まれます。

誤解④ 都市部でなければ活躍できない

地方に拠点を置く税理士は、競合が少ない環境で地域密着型の安定した顧問先を構築しやすい側面もあります。近年はオンライン申告・クラウド会計の普及により、地理的な制約は以前より小さくなっています。

都市部と地方では市場規模・報酬水準に差はありますが、地域に根ざした信頼関係の構築によって安定的な事務所経営が実現しているケースも多く存在します。

誤解⑤ 税理士はAIに代替される

近年、AI・テクノロジーの進展により、記帳代行・仕訳入力などの定型業務は自動化が進んでいます。この点から「税理士の仕事がなくなる」という見方も一部で聞かれます。

しかし、税務判断・税務調査対応・事業承継コンサルティング・経営相談など、判断・コミュニケーション・信頼関係を必要とする業務は依然として人的対応が求められる領域です。テクノロジーの進化は業務効率化をもたらす一方で、より付加価値の高い業務に注力できる環境を生み出しているとも言えます。

税理士のキャリアパスと収入の変化

税理士の収入は、キャリアの段階によって変化していきます。一般的なキャリアパスと収入の推移を整理します。

スタッフ・科目合格者時代(20代前半〜)

多くの税理士は、税理士法人や税理士事務所で実務を積みながら試験合格を目指す時期があります。この段階では年収300万円台が中心となることが多く、業務を通じて申告書作成・法人税・消費税などの実務知識を積み上げていきます。

資格登録後・経験5年前後(20代後半〜30代前半)

税理士登録を果たした後、担当クライアントの増加や業務範囲の拡大により収入が上昇していく時期です。この段階では年収500万円台前後が目安となることが多く、管理職への登用や専門分野の確立が収入向上に影響します。

シニア・マネージャークラス(30代後半〜40代)

大手法人ではマネージャー・シニアマネージャーへの昇格に伴い、年収700万円から1,000万円台を視野に入れられる段階です。この時期に独立開業を選択する税理士も多く、収入の振れ幅が広がります。

開業・パートナークラス(40代以降)

独立開業税理士として軌道に乗った段階、あるいは大手法人のパートナー・社員税理士となった場合、年収1,000万円から2,000万円以上の収入も現実的な水準となってきます。ただし、開業税理士の場合は事務所経営の責任も伴うため、収入のボラティリティも高くなります。

収入を高めるために意識したい実務上のポイント

税理士として収入を向上させるためには、資格取得に留まらず、実務面での取り組みが重要です。以下に代表的なポイントを挙げます。

  • 専門分野の確立:相続税・国際税務・医療・不動産など、特定分野に強みを持つことで高単価案件の獲得につながりやすくなります。
  • 関連資格・業務領域の拡張:社会保険労務士・行政書士・FPなど関連資格の取得や、労務・補助金・M&Aなど周辺業務への対応力強化は、ワンストップ対応を可能にし顧客単価の向上に貢献します。
  • クラウド会計・DXへの対応:freee・弥生・MFクラウドなどのデジタルツールに精通することで、業務効率化と顧客への付加価値提供が両立できます。
  • 人脈・紹介ネットワークの構築:金融機関・不動産会社・司法書士・弁護士など他士業との連携は、顧客紹介につながる重要なチャネルです。
  • 情報発信・ブランディング:コラム執筆・セミナー登壇・Webサイト運営などを通じた情報発信は、専門家としての認知度向上と新規顧客獲得に寄与します。

これらは一朝一夕で結果が出るものではありませんが、継続的な取り組みが中長期的な収入向上につながります。

税理士への相談・業務委託のメリット

経営者や個人事業主の方にとって、税理士との顧問契約はコストとして捉えられることがあります。しかし、税理士に業務を委託することで得られるメリットは、報酬額を超える価値をもたらすケースも多くあります。

適正な税務申告と節税機会の活用

税法は毎年改正が行われており、最新の税制を踏まえた申告対応は専門家でなければ対応が難しい部分があります。税理士は税制改正の動向を継続的に把握しており、適法な範囲での節税機会を見逃さない申告対応が期待できます。

税務調査への対応力

税務調査が行われた場合、税理士が立ち会い・交渉・説明を担うことで、適切な対応が可能となります。自己申告で対応するよりも、実務上の問題が生じるリスクを低減できます。

経営判断へのアドバイス

設備投資・役員報酬の設定・法人成り・事業承継など、重要な経営判断には税務・財務の視点が欠かせません。顧問税理士が財務数字を把握した上でアドバイスを行うことで、より適切な意思決定のサポートが期待できます。

経理業務の効率化サポート

クラウド会計の導入・記帳フローの整備・月次試算表の作成など、経理周りの業務改善を税理士がサポートすることで、経営者や担当者の業務負担を軽減できます。

税理士と他の士業・専門職との年収比較

税理士の年収水準を客観的に把握するために、他の士業・専門職との比較を行うことも有益です。ただし、各職種の収入は勤務形態や専門性によって大きく異なるため、あくまでも参考としてご覧ください。

公認会計士との比較

税理士と並んで財務・会計の専門家として知られる公認会計士は、監査法人に勤務する場合、比較的早い段階から高い給与水準が設定されている傾向があります。大手監査法人では20代でも年収500万円から600万円台に達するケースがあり、パートナー昇格後は1,500万円以上となる場合もあります。

公認会計士は税理士資格も取得できる(一定の要件のもとで)ため、両資格を活かしたキャリア構築も選択肢となります。税務・会計・監査にまたがる業務対応力を持つことで、キャリアの幅が広がります。

弁護士との比較

弁護士は依然として高収入職種のイメージがありますが、司法試験合格者数の増加に伴い、新人弁護士の収入は以前と比べて抑制傾向にあるとも言われています。大手法律事務所に就職した弁護士は高収入が期待できる一方、独立開業後は顧客獲得が収入を左右します。この構図は税理士と共通する部分があります。

社会保険労務士との比較

社会保険労務士(社労士)は、労働・社会保険分野を専門とする国家資格者です。勤務社労士の年収は税理士と比べてやや低い傾向がありますが、開業社労士として労務コンサルティングや就業規則整備・助成金申請などに特化することで、安定した収入を得ているケースも多くあります。

税理士と社労士の両資格を持つ専門家、あるいは税理士法人と社会保険労務士法人が一体となったグループ体制は、経営者にとってワンストップでの相談対応が可能な体制として評価される傾向があります。

税理士を目指す方へ―資格取得後のキャリア形成

税理士試験は難関資格として知られており、合格に至るまでには相応の時間と努力が求められます。しかし、合格後のキャリアは多様であり、自身の志向・ライフスタイル・目標に応じた選択肢が存在します。

税理士試験の概要と難易度

税理士試験は11科目の中から5科目に合格することが要件となります。受験科目には会計科目(簿記論・財務諸表論)と税法科目(所得税法・法人税法・相続税法など)が含まれます。合格率は科目によって異なりますが、税法科目は概ね10%から20%程度とされており、複数年にわたる受験計画が一般的です。

また、大学院修了による税法科目の免除制度や、公認会計士・弁護士による税理士資格付与制度など、資格取得のルートは複数存在します。自身の状況に応じた取得ルートを検討することも有効です。

合格後のキャリア選択肢

税理士資格取得後のキャリア選択は大きく分けると以下のとおりです。

  • 税理士法人・事務所への就職継続:既存の勤務先で経験を積み続けるか、より大きな事務所への転職によりキャリアアップを図る選択肢です。
  • 独立開業:一定の実務経験を積んだ後に独立し、自身の事務所を開設する選択肢です。収入の上限が広がる一方で、経営責任も伴います。
  • 企業内税理士への転職:一般企業の経理・税務部門に転職し、インハウスの専門家として勤務する選択肢です。
  • コンサルティングファームへの転職:戦略系・会計系コンサルティングファームでM&A・FAS・税務アドバイザリー等の業務を担う選択肢です。

どの選択肢が最適かは個人の状況・価値観によって異なります。収入だけでなく、ワークスタイル・業務内容・専門性の方向性を含めて総合的に検討することが望ましいといえます。

継続的なスキルアップの重要性

税理士として長期的に活躍するためには、税制改正への継続的な対応が欠かせません。毎年行われる税制改正大綱・改正税法の内容を正確に把握し、クライアントに適切な情報提供を行うことが専門家としての信頼性につながります。

また、近年では電子帳簿保存法・インボイス制度・デジタルインボイスの普及など、税務周辺のデジタル化が急速に進んでいます。これらの制度変化に対応する知識・スキルを継続的に更新することが、今後の税理士に求められる資質の一つとなっています。

税理士の年収に関するよくある質問

Q. 税理士試験に合格してすぐ独立できますか?

税理士として登録するためには、税理士試験合格後に2年以上の実務経験が原則として必要です(税理士法の規定による)。実務経験の要件を満たした後に独立開業が可能となりますが、実務上は最低でも5年から10年程度の経験を積んでから独立するケースが多く見られます。

独立直後の顧問先開拓・資金繰り・各種届出対応など、事務所経営にはさまざまな準備が必要です。勤務時代から独立を見据えた準備を進めることが、開業後の安定につながります。

Q. 年収を上げるために資格を追加取得するのは有効ですか?

社会保険労務士・行政書士・宅地建物取引士・中小企業診断士・FPなどの資格を追加取得することで、対応できる業務範囲が広がります。これにより既存のクライアントへのサービス幅が拡大し、顧問料単価の向上や新規顧客層の獲得につながる可能性があります。

ただし、資格取得はあくまでも手段であり、実務能力の裏付けが伴ってこそ意味を持ちます。資格取得と並行して、実務での対応力を高める経験を積むことが重要です。

Q. 女性税理士の年収はどのくらいですか?

近年、税理士業界における女性の割合は年々増加しており、日本税理士会連合会の統計においても登録者に占める女性の比率は上昇傾向にあります。女性税理士の年収については、勤務形態・経験年数・専門分野によって男性と同様の幅があります。

育児・介護との両立という観点からは、時短勤務や在宅ワークに対応している事務所も増えており、ライフステージに応じた働き方が選びやすくなっています。また、相続税申告・医療・中小企業支援などの分野でキャリアを築く女性税理士も増えており、専門性を武器にした活躍の場は広がっています。

Q. 税理士事務所の規模は年収にどう影響しますか?

大手税理士法人と中小規模の事務所では、給与体系・業務内容・キャリアパスが異なります。大手税理士法人では体系的な研修制度・高度な案件経験・給与水準の高さが特徴です。一方、中小規模の事務所では幅広い業務を早い段階から担当できる機会が多く、経営者と近い立場での業務経験を積みやすいという特徴があります。

どちらが優れているということではなく、自身のキャリア目標に合った環境を選ぶことが大切です。独立開業を目指すのであれば、中小規模の事務所でオールラウンドな実務経験を積むことが、開業後の対応力向上につながるケースも多くあります。

税理士の年収と将来展望

税理士業界は、テクノロジーの進展・税制の複雑化・企業のグローバル化などさまざまな変化の中にあります。こうした変化が税理士の収入・業務内容にどのような影響をもたらすかについても整理しておきます。

テクノロジー進展と業務の変化

クラウド会計・AI仕訳・電子申告・RPAの普及により、記帳代行・単純な申告書作成といった業務は自動化が進んでいます。この変化は「税理士の仕事が減少する」という懸念材料として語られることもありますが、実態としては単純作業が効率化される分、税務コンサルティング・経営相談・高度な税務判断といった付加価値の高い業務に注力できる環境が整いつつあるとも言えます。

テクノロジーを活用できる税理士は、業務効率を高めながら顧問先へのサービス品質を向上させることができます。これは収入水準の維持・向上にもつながる方向性です。

事業承継・相続案件の増加

中小企業経営者の高齢化に伴い、事業承継・M&A・相続税申告の需要は今後も増加が見込まれています。これらの領域は高度な専門性と経験が求められ、かつ高単価案件になりやすい分野です。この領域での実績を積み上げることが、今後の収入向上において有効な方向性となっています。

国際税務・クロスボーダー案件の拡大

企業の海外進出・インバウンド投資・外国人経営者の増加に伴い、国際税務の需要は拡大しています。BEPS(税源浸食と利益移転)対応・移転価格税制・外国税額控除など、国際税務は専門性が高く、対応できる税理士が限られる領域です。英語対応力や国際税務の知識は、付加価値の高い専門家としてのポジション確立に寄与します。

税理士の年収を正確に理解するために

税理士の年収について、改めて要点を整理します。

  • 税理士全体の平均年収はおおむね600万円から800万円とされているが、勤務形態・経験年数・専門分野によって幅広い分布がある。
  • 勤務税理士は資格取得直後は400万円台後半から500万円台程度が目安となり、キャリアの積み重ねにより上昇していく。
  • 独立開業税理士は顧問先の数・規模・専門性によって収入が大きく変動し、開業初期は収入が安定しないケースもある。
  • 収入向上には専門分野の確立・関連業務への対応力・デジタルツール活用・人脈構築が重要な要素となる。
  • 税理士資格は高収入の可能性を持つ資格だが、収入水準は実務実績・専門性・経営力によって形成されるものである。
  • テクノロジーの進展は業務の効率化をもたらす一方、付加価値の高いコンサルティング・相談業務への需要は継続している。
  • 事業承継・相続・国際税務など専門性の高い分野への対応力強化が、今後の収入向上に寄与する方向性として考えられる。

税理士を目指している方、あるいはキャリアの方向性を検討している税理士の方にとって、このコラムが収入の実態を客観的に把握する参考となれば幸いです。また、税務・財務・経営に関するご不明点は、専門家への相談を通じて解決することをお勧めします。

税務・財務に関するご相談は、ぜひストラーダ税理士法人へお気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフが、貴社・ご個人の状況に応じた対応をご案内いたします。

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