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2024.07.2 税務知識

税務調査で指摘されやすい経費と対策!交際費・外注費の注意点

税務調査で指摘されやすい経費と対策!交際費・外注費の注意点

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税務調査では、会社や個人事業主の、申告の内容が、正しいかどうかが、確認されます。その中でも、特に、指摘を受けやすいのが、経費の処理です。経費として、計上した支出が、「事業に必要なものとは、認められない」と判断されると、その分の経費が、否認され、追加の税金を、納めることになります。

この記事では、税務調査で指摘されやすい経費の種類と、指摘されないための対策を、国税庁の公表資料や、法令をもとに、解説します。あわせて、税務調査の流れと、追加で課される可能性のある加算税についても、整理します。日頃から、証拠となる書類を、きちんと残しておくことが、最大の対策です。

なお、税制や取扱いは、改正されることがあります。この記事は、2026年10月時点の公表情報をもとにしています。実際の対応では、最新の情報を確認し、税理士にご相談ください。

税務調査とは?基本の流れ

税務調査とは?基本の流れ

税務調査とは、税務署などの職員が、納税者の申告の内容を、確認するために行う調査です。国税通則法第74条の2は、税務署などの職員が、所得税、法人税、地方法人税、消費税に関する調査について、必要があるときは、納税義務者などに質問し、事業に関する帳簿書類その他の物件を検査し、または、その提示や提出を求めることができると、定めています。

調査の事前通知

実地の調査を行う場合は、原則として、事前の通知があります。国税通則法第74条の9によると、税務署長などは、あらかじめ、納税義務者(税務代理人がある場合は、その税務代理人を含む)に対し、次の事項を通知するものとされています。

  • 調査を開始する日時と、調査を行う場所
  • 調査の目的
  • 調査の対象となる税目と、期間
  • 調査の対象となる帳簿書類その他の物件

通知を受けた納税義務者から、合理的な理由を付して、日時や場所の変更を求められた場合は、税務署長などは、協議するよう努めることとされています。調査の日程が、都合に合わない場合は、早めに、相談してください。

調査の流れ

一般的な調査は、次のような流れで進みます。

  • 事前通知:調査の日時、場所、対象などが、通知される
  • 調査の実施:会社の事業の内容や、帳簿、領収書などについて、質問や確認が行われる
  • 結果の説明:調査の結果、誤りがあった場合は、その内容が、説明される
  • 修正申告または更正:誤りがある場合は、修正申告をするか、税務署による更正を受ける

指摘されやすい経費1:交際費

指摘されやすい経費1:交際費

交際費は、税務調査で、特に、確認されやすい費目です。飲食や、贈答などの支出が、事業に関係する、接待等のためのものか、それとも、個人的な支出ではないかが、見られます。

税務上の扱い

国税庁のタックスアンサーによると、交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する、接待、供応、慰安、贈答などのために、支出するものをいいます。交際費等は、原則として、全額が損金不算入とされていますが、資本金が1億円以下の法人などには、次のいずれかの措置があります。

  • 飲食等のための費用(役員や従業員などの接待のためのものを除く)の50%を、超える部分が、損金不算入となる
  • 年800万円(事業年度の月数に応じて計算)の、定額控除限度額を、超える部分が、損金不算入となる

どちらかを、選択できます。また、飲食等のために要する費用で、参加者1人あたり10,000円以下のもの(令和6年4月1日以後の支出。令和6年3月31日以前は、5,000円以下)は、一定の事項を記載した書類を保存している場合に、交際費等から除かれます。

指摘されないための対策

交際費の支出では、次の事項を、領収書や、メモに、記録しておくことが大切です。

  • 飲食等の年月日
  • 参加した得意先などの氏名または名称と、その関係
  • 参加した人数
  • 費用の額、飲食店などの名称と所在地
  • 事業との関連性

10,000円以下の飲食費の特例を使う場合は、これらの事項を記載した書類の保存が、適用の条件になっています。

指摘されやすい経費2:福利厚生費

指摘されやすい経費2:福利厚生費

従業員のための、食事、慰安、旅行などの費用は、福利厚生費として、処理されることがあります。しかし、一部の従業員や、役員だけが、利益を受ける支出や、金額が大きすぎる支出は、給与や、交際費として、扱われる場合があります。

対策としては、全従業員を対象とする、社内の規程を作り、支出の基準を、明確にしておくことが、有効です。特定の人だけが、恩恵を受ける支出は、給与(源泉所得税の対象)として扱われるおそれがあるため、注意してください。

指摘されやすい経費3:外注費と給与の区分

指摘されやすい経費3:外注費と給与の区分

外注費として、処理した支払いが、実質的には、従業員への給与にあたると判断されることがあります。給与にあたる場合は、源泉所得税の対象となり、消費税の仕入税額控除の扱いも、異なります。

給与か、外注費かの判断では、次のような点が、見られます。

  • 仕事の指示や、時間の拘束を受けているか(雇用に近い関係か)
  • 自分の判断で、仕事の進め方を決められるか
  • 報酬が、成果に対して支払われているか、時間や日数に対して支払われているか
  • 道具や、材料を、自分で用意しているか

対策としては、業務委託契約書を作成し、仕事の内容や、報酬の決め方、指示の範囲を、明確にしておくことが、大切です。

指摘されやすい経費4:役員報酬・役員給与

指摘されやすい経費4:役員報酬・役員給与

国税庁のタックスアンサーによると、法人が役員に支給する給与のうち、定期同額給与、事前確定届出給与、または、一定の業績連動給与のいずれにも該当しないものの額は、損金の額に算入されません。また、これらに該当する給与であっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入されません。

事業年度の途中で、役員報酬を増額した場合や、決算の直前に、臨時の賞与を支払った場合は、経費として認められない部分が生じるため、指摘を受けやすくなります。役員報酬は、事業年度の開始の日から3か月以内に決め、毎月、同額を支払うことが、基本です。

指摘されやすい経費5:家事関連費(私的な支出)

指摘されやすい経費5:家事関連費(私的な支出)

個人事業主の場合は、事業の経費と、家計の支出が、混ざりやすくなります。自宅の家賃や、光熱費、通信費、自動車の費用などを、事業の経費にする場合は、事業で使った割合に応じて、按分する必要があります。法人の場合は、経営者個人の支出を、会社の経費にしていないかが、確認されます。

対策としては、事業用の口座と、個人用の口座を、分けて管理し、按分の割合の根拠(使用の時間、面積など)を、記録しておくことです。

指摘されやすい経費6:修繕費と資本的支出

指摘されやすい経費6:修繕費と資本的支出

設備や、建物の修理にかかった費用は、その内容によって、全額をその年の経費にできる「修繕費」か、資産として計上して、減価償却する「資本的支出」かが、分かれます。価値を高めたり、耐用年数を延ばしたりする工事は、資本的支出として、扱われます。修繕費として、処理した支出が、資本的支出と判断された場合は、その分の経費が、否認されます。

工事の内容が分かる、見積書や、請求書、工事の前後の写真などを、保管しておくと、説明の根拠になります。

指摘されやすい経費7:仮払金・貸付金・旅費

指摘されやすい経費7:仮払金・貸付金・旅費

内容が、はっきりしない、仮払金や、貸付金が、残っている場合は、役員への貸付けや、私的な支出が、疑われることがあります。また、出張の旅費や、日当についても、実際に、出張があったことを示す、記録が必要です。出張の目的、訪問先、日程、旅費の内訳を、記録に残してください。

経費が否認されたときの、加算税

経費が否認されたときの、加算税

調査の結果、経費が否認され、修正申告などをする場合は、追加の税金(本税)のほかに、加算税が、課される場合があります。国税通則法に、次の定めがあります。

加算税 割合など
過少申告加算税 修正申告や更正により納付すべき税額の10%。調査の事前通知の前に、自主的に修正申告した場合は5%。期限内申告税額相当額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は、さらに5%が加算される(第65条)
重加算税 事実を隠蔽し、または仮装して、申告した場合は、過少申告加算税に代えて、35%(第68条)

このほか、納付が遅れた期間に応じた、延滞税も、課されます。事実を隠したり、仮装したりしたとみなされると、重加算税の対象になるため、帳簿書類の書き換えや、領収書の偽造など、事実と異なる処理は、絶対に、行わないでください。

日頃からできる、税務調査の対策

日頃からできる、税務調査の対策

  • 領収書、請求書、契約書などの証拠書類を、整理して、法定の期間、保存する
  • 帳簿を、毎月、正確に、つける
  • 経費の支出の目的を、領収書の裏や、メモ、会計ソフトのコメントに、記録しておく
  • 事業用と、個人用の口座を、分けて管理する
  • 役員報酬など、税務上のルールのあるものは、事前に、税理士に確認する
  • 税務調査の通知があったら、すぐに、税理士に連絡する

帳簿書類の保存期間

帳簿書類の保存期間

税務調査では、帳簿や、領収書などの、書類が、確認されます。これらは、法律で、保存する期間が、決められています。法人税法施行規則第59条は、青色申告法人が、帳簿書類を、整理し、起算日(事業年度の終了の日の翌日から2か月を経過した日)から7年間、納税地に保存しなければならないと定めています(e-Gov法令検索で確認)。保存の対象は、取引に関する帳簿、貸借対照表や損益計算書などの決算に関する書類、注文書、契約書、領収書、見積書など、取引に関して、相手方から受け取った書類と、自分が作成した書類の写しです。

個人事業主の場合の保存期間は、帳簿や書類の種類によって、異なります。国税庁の案内で、確認してください。書類の保存が、不十分だと、経費の根拠を、示せなくなり、否認につながるおそれがあります。

調査が終わったあとの流れ

調査が終わったあとの流れ

調査が終わると、結果が、納税者に、説明されます。主なパターンは、次のとおりです。

  • 申告の内容に、問題がなかった場合:「更正決定等をすべきと認められない」旨の通知を、受ける
  • 申告の内容に、誤りがあった場合:調査の結果の内容の説明を、受け、修正申告をするか、更正を受ける

内容に納得できない場合は、すぐに、修正申告に応じず、税理士に相談し、必要に応じて、更正に対する不服申立てなどの手続きを、検討することもできます。修正申告をすると、その内容を、あとから、争うことが難しくなる場合があるため、慎重に判断してください。

調査の当日に、気を付けること

調査の当日に、気を付けること

実際の調査の当日は、次の点に、気を付けてください。

  • 質問には、事実に基づいて、簡潔に、答える。分からないことは、推測で答えず、確認して回答する
  • 求められた帳簿書類は、整理して、提示する。事前に、調査の対象の期間の資料を、そろえておく
  • 書類を、後から、書き換えたり、隠したりしない
  • 税理士に、立ち会いを、依頼する(税務代理人がいる場合は、事前の通知も、税務代理人に行われる)

特に、調査の対象の期間の、帳簿書類は、事前に、一通り、確認しておくと、慌てずに対応できます。税務調査の立ち会いについては、別の記事でも、解説しています。

税務調査でよくある質問

税務調査でよくある質問

Q1. 税務調査は、必ず、事前に通知がありますか?

実地の調査を行う場合は、原則として、事前の通知があります(国税通則法第74条の9)。ただし、事前の通知を、しない場合の例外も、法律に定められています。通知があった場合は、日時や場所の変更を、相談できます。

Q2. 経費が否認されたら、必ず、加算税がかかりますか?

修正申告や、更正により、追加の税額が生じた場合は、原則として、過少申告加算税が課されます。ただし、正当な理由がある場合などは、加算税が課されないことがあります。調査の事前通知の前に、自主的に修正申告をした場合は、加算税の割合が、軽くなります。

Q3. 領収書がない経費は、認められませんか?

領収書がなくても、他の資料(請求書、振込の記録、契約書など)で、支出の事実と、事業との関係を、説明できれば、経費として、認められる場合があります。ただし、領収書がないと、説明が、難しくなります。領収書は、できるだけ、保管してください。

税務調査のご相談はストラーダグループへ

税務調査のご相談はストラーダグループへ

ストラーダグループでは、日々の経理の整備から、税務調査の事前の対策、調査の立会いまで、税理士などの専門家が連携して、サポートしています。「この経費は、大丈夫か」「税務調査の通知が来た」といったご相談も、お受けしています。初回のご相談は無料です。お気軽にご相談ください。

※本記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。税制や取扱いは変更されることがあるため、手続きの前に、国税庁などの公式情報をご確認ください。

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この記事の監修者
山田 直輝
税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
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