会社設立の際には、資本金をいくらにするか決める必要があります。しかし、どのように資本金を決めたらいいのか、分からない方も多いのではないでしょうか。
今回は、資本金を決める際の注意点や、そもそも資本金とは何かについて解説します。
会社設立に必要な資本金とはなに?
資本金とは、事業を運営するための元手のことです。資本金は経営者が自らお金を捻出したり、投資家から出資を募ったりして、資金を集めます。
金融機関や個人・法人などからお金を借りると「借入金」として貸借対照表の負債の部に記載され、将来的には返済しなくてはなりません。
しかし、資本金は返済する必要がないため、事業を安定的に運営することができます。
会社設立に必要な資本金の金額
以前は、有限会社の設立には300万円・株式会社は1,000万円の資本金が必要でしたが、2006年の会社法改正により1円でも設立できるようになりました。
適切な資本金の金額は、事業の内容や状況により異なるので一概には言えませんが、資本金の平均額を参考にすると良いでしょう。
資本金 | 割合 |
---|---|
300万円未満 | 11.3% |
300~500万円未満 | 32.6% |
500~1000万円未満 | 14.2% |
1000~3000万円未満 | 31.3% |
3000~5000万円未満 | 4.1% |
5000万~1億円未満 | 2.9% |
1~3億円未満 | 1.0% |
3~10億円未満 | 0.4% |
10~50億円未満 | 0.2% |
50億円以上 | 0.1% |
※経済センサス 活動調査 令和3年 のデータを元に作成
※資本金不詳の企業もあるため、合計値は100%にはなりません
会社設立の際に資本金で注意すること
資本金を1000万円以上にすると、設立当初から消費税の課税事業者になってしまいます。設立したばかりの会社は課税売上高の金額にもよりますが、2年間は免税事業者になれる可能性があります。設立間もない会社にとって消費税は大きな負担となるので、免税事業者となりたいのであれば資本金は1000万円未満に抑えましょう。
また、免税事業者となる条件は課税売上高以外も関係してくるため、会社設立前に税理士などと打ち合わせをすると良いでしょう。許認可が必要な事業では、資本金の最低金額が定められていることもあります。
例えば、建設業では500~2000万円・旅行業では300~3000万円、労働派遣業では1000万円の資本金が必要です。
設立後に増資もできますが、株主総会の招集や登記など手間がかかるため、許認可が必要な事業を営むのであれば事前に必要な資本金を確認しておきましょう。
まとめ
資本金とは事業を運営するための元手であり、経営者や資本家が出資をして資金を集めます。資本金が1円でも会社を設立できますが、金額が少なすぎると信用力が低くなる可能性があります。
消費税や許認可との兼ね合いも考慮して、最適な資本金の金額を決定しましょう。
また、創業時に使える助成金・補助金について、こちらの記事「会社設立時に助成金は使える?知らないと損をする資金調達方法」で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。