64歳の時に保育園を開園した起業家の実例をご紹介いたします。

開業の経緯

私は42年間金融業界で働いていました。退職した後は長年生活している地元地域に貢献できることをしたいと考えていました。
そのようなことを考えていたところ、私が暮らす地域でも報道で騒がれている待機児童問題があることを知り、私も役に立てるのではないかと保育園開園を決意しました。

開業準備

私は息子たちの育児すら仕事の忙しさで積極的に協力できなかったことから、まずはシニア向けの保育セミナーに参加しました。そこで私と同様の目的をもった方々と知り合い、保育園をフランチャイズで開園することができることを知りました。
保育園の場所は自宅の近所にあった空き家に注目しました。建物の所有者に「建物を管理するので貸してほしい」と相談し、場所の確保ができました。その後はフランチャイズ元の担当者と相談し、開園のノウハウを頂くことができました。空き家と庭は子供向けに段差をなくし、階段には手すりをつけるなど危険な箇所を改修し、なるべく少ない費用で備品を一括調達して保育園を作りました。
こちらの税理士の先生には経理と事業計画について勉強させて頂きました。そこでの知識をお借りして、妻には「入園者数が軌道にのるまで赤字が続く可能性があること」、「開園後5年間の収益と費用の予測から老後の生活に影響を与えないこと」を説明し、「地域の役に立ちたいこと」を伝えて説得しました。始めは協力的ではありませんでしたが、現在では園の手伝いを積極的に引き受けてくれています。

創業時の苦労

今まで仕事でも経験したことの無い、ホームページの作成やポスター作りといった宣伝活動に苦労しました。園の帳簿をつけるためにもパソコン教室にも参加しました。
また、私自身はあくまでも正規の資格を持たない補助スタッフという立場でしたので、保育士の資格を持つ職員を集めることにも苦労しました。
しかし保育園を始めることで近隣住民の方々との関係作り・地域の子供の成長に接する機会ができました。会社員時代とは全く異なる生活リズムに変わり、充実した日々を過ごしております。