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2023.07.26 税務知識

経理業務でChatGPTはどのように活用できるのか?今後の未来と現在の課題も解説

今話題の「ChatGPT」ですが、経理業務でどのように活用できるかについて、解説してみました。ChatGPTが経理業務にどう関わるのか、現在の課題などについても述べているので、ぜひ最後までご覧になってみてください。

【前提】ChatGPTとは?

現代の経理業務において、AIの可能性は無限大です。その一例として、ChatGPTが注目されています。

ChatGPTはOpenAIによって開発された、自然言語処理(NLP)に特化したAIです。

巨大なデータセットから学習し、人間が生成するテキストを模倣し、高度な質問応答能力や文章生成能力を持つことが特徴です。そのため、対話型のAIとして多様な分野で活用されています。

ChatGPTを経理業務に活用する理由

経理業務は、複雑なルールと繊細な計算が必要とされ、また、同じような作業を繰り返すルーティンワークも多いため、AIの活用が期待されています。

さらに、経理は企業の財務状況を正確に把握し、それを正確に報告するという重要な役割を果たしています。そのため、作業の精度が非常に重要となり、ヒューマンエラーのリスクを減らすためにもAIの活用が有効です。

特にChatGPTの場合、学習させるデータによって特化した知識を持たせることが可能です。そのため、会計基準や税法、企業の経理ポリシーなど、経理業務に関連する多岐にわたる情報を学習させることで、経理の専門知識を持ったAIとして機能させることができます。

このような機能性と柔軟性により、ChatGPTは経理業務の効率化、そしてその質の向上に大いに寄与することが期待されています。

ChatGPTによる経理業務の効率化

AIの進化により、経理業務の自動化や効率化が実現してきています。ここでは、ChatGPTが経理業務をどのように効率化するかについて詳しく見ていきましょう。

ChatGPTによる経理自動化の現状と可能性

ChatGPTは、経理の業務を効率化する手段として現在でも多くの企業に活用されています。一例として、請求書や領収書のテキスト読み取り・データエントリー・経費精算など、ルーティンワークとなる業務を自動化し、人間の作業負荷を軽減することが可能です。

この結果、社員はより戦略的な作業や、より高度な問題解決に専念する時間が増え、全体的な業務の効率が向上します。

さらに、経理の専門知識などの、具体的な会計処理の助言を提供することも期待できます。

このように、ChatGPTは経理業務に対する新たな視点を提供し、経理の業務改善や業績向上に貢献することが期待されています。

ChatGPTを用いた経理業務の具体的な応用例

具体的な応用例としては、ChatGPTを経理ボットとして活用するケースが考えられます。例えば、経理担当者がChatGPTに対し、会計処理についての質問を行い、その質問に対して適切な答えを生成するという使い方ができます。

さらには、特定の会計ルールや税法に基づいた助言を提供することも可能です。

また、監査対応で関連する事実関係をインプットし、想定される質問事項や依頼資料をリストアップさせることもできます。

ChatGPTと経理業務の未来

AIが経理業務に大きな影響を与えることは間違いありません。ChatGPTの進化と経理領域への影響について考えてみましょう。

人工知能がもたらす経理の新しい業務形態

AIの進化により、経理業務は大きく変わりつつあります。ルーティンワークの自動化により、経理担当者がより高度な業務に集中することが可能となり、企業全体の生産性向上に寄与します

具体的には、財務分析・予算策定・コスト管理などの戦略的な業務に時間を割くことができ、企業の成長と競争力強化に寄与します。

また、AIが経理の専門知識を持つことで、非経理職でも会計情報の理解や利用が容易になり、経営全体の透明性向上に繋がります。

さらに、AIはユーザーフレンドリーなインターフェースを介して会計情報を提供できるため、全社員がビジネス意思決定に必要な財務情報に簡単にアクセスできます。これにより、組織全体がデータドリブンな意思決定を行い、効率と生産性をさらに向上させることが可能となります。

ChatGPTの更なる進化と経理への影響

ChatGPTの学習能力と柔軟性は、今後も経理領域への影響を大きくします。具体的には、各国の会計基準や税法の違いを学習し、国際的な経理業務にも対応できるAIの存在は、グローバル企業にとって大きなメリットをもたらします。

また、より高度な予測分析や意思決定支援が可能になり、経営戦略の策定に直接貢献することも期待されます。

経理でChatGPTを使うときの課題

それでは、経理でChatGPTを使うときの課題について考えてみます。課題は、大きく下記の2つです。

  • 学習データ期間が最新ではない
  • 機密性の高い情報の取り扱い

学習データ期間が最新ではない

ChatGPTの学習データ期間は、2021年9月までのデータです。そのため、最新の法改正などの情報には対応していない可能性があります。

ですので、ChatGPTに経理業務をフォローしてもらうことはできますが、ファクトチェックが必須です。

今後のChatGPTの進化によって、信憑性は高まる可能性はありますが、現時点では参考程度に留めていたほうが良いケースも多々あります。

機密性の高い情報の取り扱い

経理では、常に機密性の高い情報を取り扱います。特に、公開前の決算に関する情報が流出してしまうことなどは、絶対に防がないといけません。

ChatGPTにインプットした情報が、ほかのユーザーへの回答に利用されないことが保証されないと、機密性が高い情報をインプットすることはできません。

まとめ

ChatGPTを使うことで、経理業務の効率化、ヒューマンエラーのリスクを減らすことが可能です。その結果、社員がよりクリエイティブな業務に集中することができます。

ただし、ChatGPTはまだ完璧ではないため、信憑性が低い回答をすることも多々あります。そのため、最終的には人間がチェックを行う体制作りが必要です。

また、今後のChatGPTの動向をキャッチアップしていくことも大切ですね。

また下記の記事でも、税理士とChat GPTの関係性について解説しています。あわせて参考にしてみてください。

そのほかに「【必見】経理DXはするべき!メリットと課題について徹底解説」の記事で、経理DXのメリットを解説しているので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
塚田 拓也
税理士公認会計士
2008年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、製造業、小売業、商社等の上場会社を中心とした法定監査に従事。有限責任監査法人トーマツのマネージャーまで経験した。また、監査業務を中心に、決算早期化やIFRS導入支援等のアドバイザリー業務を経験。2018年にストラーダグループに参画。「クライアントの期待を超える」「分かりにくいを分かりやすいに」をモットーに、税務支援に従事している。趣味は、月に1回行うフットサル。
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