フリーランスとして働き始めたら、確定申告の方法として、「青色申告」にするか、「白色申告」にするかを、選ぶことになります。「青色申告は、手続きが大変そう」「どのようなメリットがあるのか」「いつまでに、何を提出するのか」と、迷う方は多いでしょう。
結論からいうと、フリーランスが、青色申告を選ぶと、最大65万円の青色申告特別控除をはじめ、さまざまな特典を受けられます。ただし、承認の申請の期限や、記帳の方法などの、条件があります。
この記事では、国税庁のタックスアンサーをもとに、フリーランスが青色申告をするための、申請の方法と期限、主な特典、帳簿のつけ方、65万円の控除を受けるための条件、注意点を、解説します。
なお、税制は、改正されることがあります。この記事は、2026年10月時点の国税庁の公表情報をもとにしています。実際の申告では、最新の情報を確認し、税理士にもご相談ください。
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青色申告とは?白色申告との違い

青色申告とは、一定の水準で、記帳を行い、その記帳に基づいて、正しく申告する人に、所得の計算などで、有利な取扱いを認める制度です。国税庁によると、青色申告ができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得がある方です。フリーランスの収入は、多くの場合、事業所得(または、雑所得)に分類されます。
青色申告をしない場合は、白色申告になります。2つの主な違いは、次のとおりです。
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 事前の手続き | 青色申告承認申請書の提出が必要 | 不要 |
| 記帳 | 正規の簿記(複式簿記)が原則。簡易な記帳も可(控除額が変わる) | 簡易な記帳 |
| 特別控除 | 最大65万円(要件により、55万円または10万円) | なし |
| 赤字の繰越 | 3年間、繰り越せる | 原則として、できない |
| 家族への給与 | 青色事業専従者給与として、必要経費にできる | 事業専従者控除(限度額あり) |
青色申告の主な特典

国税庁のタックスアンサーによると、青色申告の主な特典は、次のとおりです。
1. 青色申告特別控除
不動産所得、または事業所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者が、一定の要件を満たしている場合に、所得金額から、一定の額を、控除できます。控除の額は、次の3段階です。
- 最高65万円:正規の簿記の原則による記帳をし、貸借対照表と損益計算書を、確定申告書に添付して期限内に提出し、かつ、電子帳簿保存、またはe-Taxによる電子申告を行っている場合
- 最高55万円:正規の簿記の原則による記帳をし、貸借対照表と損益計算書を、確定申告書に添付して、期限内に提出している場合
- 最高10万円:上記以外の青色申告者
2. 純損失の繰越し
事業所得などに、赤字(純損失)が生じて、損益通算をしても、控除しきれない金額がある場合は、その損失額を、翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から、控除できます。事業が軌道に乗る前の、赤字を、のちの黒字と、相殺できるため、税金の負担を、抑えられます。
3. 青色事業専従者給与
青色申告者と、生計を一にしている、配偶者や、その他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その事業に、専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出した届出書に記載した金額の範囲内で、適正な金額であれば、必要経費にできます。
4. 少額減価償却資産の特例
国税庁のタックスアンサーによると、一定の要件を満たす青色申告者が、平成18年4月1日から令和11年3月31日までに取得した、取得価額が10万円以上40万円未満(令和8年3月31日までに取得した場合は、10万円以上30万円未満)の減価償却資産については、取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの金額を、その業務の用に供した年分の必要経費にできます。
5. 貸倒引当金
事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者が、売掛金や貸付金などの、貸倒れの損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を、貸倒引当金に繰り入れた場合は、その金額を、必要経費にできます(金融業の場合は3.3%)。
申請の方法と期限

青色申告をするには、事前に、「青色申告承認申請書」を、納税地の所轄税務署長に、提出する必要があります。国税庁のタックスアンサーによると、提出の期限は、次のとおりです。
| 区分 | 提出期限 |
|---|---|
| 原則(すでに事業をしている場合など) | 青色申告をしようとする年の3月15日 |
| 新規に開業した場合(その年の1月16日以後に、新たに業務を開始した場合) | 業務を開始した日から2か月以内 |
たとえば、令和8年から、青色申告をしたい、既存の事業主の場合は、令和8年3月15日までに、申請書を提出します。令和8年の7月1日に、フリーランスとして開業した場合は、9月1日までに、提出します。期限を過ぎると、その年は、青色申告ができず、白色申告となります。開業したら、開業届と一緒に、青色申告承認申請書を、すぐに提出するのがおすすめです。
65万円の控除を受けるための条件

国税庁のタックスアンサーによると、65万円の青色申告特別控除を受けるための要件は、次のとおりです。
- 不動産所得、または事業所得を生ずべき事業を営んでいること
- これらの所得に係る取引を、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること
- その記帳に基づいて作成した、貸借対照表、損益計算書、所得の金額の計算に関する明細書を、確定申告書に添付し、確定申告期限(翌年3月15日)までに提出すること
- 次のいずれかに該当していること:①その年分の事業に係る仕訳帳と総勘定元帳について、電子帳簿保存を行っていること、②所得税の確定申告書、貸借対照表、損益計算書などを、確定申告書の提出期限までに、e-Taxを使用して送信すること
電子帳簿保存で、65万円を受ける場合の注意
令和4年分以後の青色申告特別控除(65万円)の適用を、電子帳簿保存で受けるためには、その年分の事業における、仕訳帳と総勘定元帳について、優良な電子帳簿の要件を満たして、電子データによる備付けと保存を行い、一定の事項を記載した届出書を、確定申告期限までに提出する必要があります。
e-Taxで、65万円を受ける場合の注意
e-Taxで申告するには、マイナンバーカードなどの準備が、必要になる場合があります。確定申告書、貸借対照表、損益計算書などは、イメージデータでは送信できず、所定の形式で、送信する必要があります。会計ソフトを使うと、作成がスムーズです。
帳簿のつけ方と、保存

青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と、損益計算書を作成できるような、正規の簿記によるのが原則です。国税庁によると、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて、簡易な記帳をするだけでもよいとされていますが、その場合の特別控除は、最高10万円になります。
帳簿書類は、原則として、7年間保存する必要があります。ただし、請求書、見積書、納品書、送り状など、書類によっては、5年間でよいものもあります。クラウド会計ソフトを使うと、取引の入力から、帳簿の作成、申告書の作成まで、効率よく進められます。
青色申告特別控除の、効果のイメージ(想定)

青色申告特別控除によって、税金が、どのくらい、軽くなるのかを、数字で、イメージします。この例は、理解のための想定で、実際の税額は、所得控除の状況などによって、異なります。
- 事業所得(控除前):400万円
- 青色申告特別控除(65万円)を適用した場合の、事業所得:400万円-65万円=335万円
- 所得税の税率の適用の区分:国税庁の速算表では、課税される所得金額が330万円以上695万円未満の場合は、20%
所得税の速算表によると、課税される所得金額の区分によって、適用される税率が、決まります。控除によって、課税される所得金額が下がると、その分の所得税が、減ります。たとえば、控除による、所得の減少分が、65万円で、その部分に、20%の税率が、適用される場合は、所得税で、約13万円の軽減です。住民税も、所得をもとに計算されるため、住民税の負担も、軽くなります。
控除の額が、10万円と、65万円では、差が、55万円あり、税率に応じて、年間で、数万円から、十数万円以上の、違いが出ることがあります。青色申告を選ぶことの、効果は、決して小さくありません。
開業から、確定申告までの流れ

フリーランスが、開業してから、青色申告で、確定申告を行うまでの、一般的な流れを、整理します。
1. 開業届と、青色申告承認申請書を提出する
開業したら、すぐに、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)と、青色申告承認申請書を、所轄の税務署に提出します。青色申告承認申請書の期限は、新規に開業した場合、業務を開始した日から2か月以内です。
2. 事業用の口座と、会計ソフトを準備する
事業用の銀行口座や、クレジットカードを、用意して、プライベートの支出と、分けます。会計ソフトを、導入すると、記帳の手間が、減ります。
3. 日々の取引を、記帳する
売上、経費、仕入れ、支払いなどを、日々、または、定期的に、記帳します。領収書や請求書は、整理して、保存します。
4. 年末に、決算を行う
年末(12月31日)の時点で、売上や経費を、集計し、貸借対照表と損益計算書を、作成します。減価償却の計算も、行います。
5. 翌年の2月16日から3月15日までに、確定申告を行う
確定申告書、貸借対照表、損益計算書などを、作成し、提出します。e-Taxを使うと、65万円の控除の要件の一つを、満たせます。納税は、期限までに、行います。
経費にできる、主なもの

フリーランスが、事業のために使った、費用は、必要経費として、収入から、差し引けます。主なものは、次のとおりです。
- 仕入れ、外注費、材料費
- 通信費(インターネット、スマートフォン)、ソフトウェアの利用料
- 交通費、旅費
- 事務用品費、消耗品費
- 家賃、水道光熱費(自宅を事務所にしている場合は、事業で使う割合に応じて按分)
- 減価償却費(パソコンなどの、長く使える資産)
- 広告宣伝費、会議費、接待交際費
- 各種の手数料、支払報酬
私的な支出が、混ざっている場合は、事業で使った割合に応じて、按分して、経費にします。按分の根拠を、説明できるようにしておいてください。
青色申告をするときの、注意点

- 承認申請書の期限を守る:期限を過ぎると、その年は、青色申告ができない
- 記帳を、日々、続ける:記帳が、不十分だと、控除を受けられなかったり、承認を取り消されたりするおそれがある
- 事業所得か、雑所得かを確認する:副業的な収入の場合は、雑所得に区分されることがあり、その場合は、青色申告特別控除を、受けられない
- 家族への給与は、事前の届出が必要:青色事業専従者給与は、事前に、届出書を提出していないと、必要経費にできない
- 確定申告の期限(翌年3月15日)までに、申告する:期限後の申告では、特別控除を受けられない場合がある
フリーランスの青色申告に関する、よくある質問

Q1. 開業届を出していないと、青色申告はできませんか?
開業届と、青色申告承認申請書は、別の書類です。青色申告をするには、青色申告承認申請書の提出が、必要です。開業した場合は、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)も、あわせて提出するのが、一般的です。
Q2. 青色申告から、白色申告に、戻せますか?
青色申告をやめる場合は、「青色申告の取りやめ届出書」を、提出する必要があります。取りやめの手続きには、期限があるため、国税庁の案内で、確認してください。
Q3. 会社員をしながら、副業で、青色申告できますか?
事業所得に該当する場合は、青色申告ができます。ただし、副業の収入が、雑所得に区分される場合は、青色申告特別控除などの特典を、受けられません。事業所得か、雑所得かは、事業の規模や、継続性などの実態で判断されます。
Q4. 帳簿の記帳が、苦手です。どうすればよいですか?
クラウド会計ソフトを使うと、銀行口座や、クレジットカードの明細を、自動で取り込み、仕訳の候補を、提案してくれる機能があります。ただし、内容の確認は、必要です。記帳に不安がある場合は、税理士に、記帳や申告を、依頼することもできます。
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ストラーダグループでは、フリーランスや、個人事業主の方の、開業の相談から、青色申告の申請、日々の記帳、確定申告まで、税理士などの専門家が連携して、サポートしています。法人化の相談も、お受けしています。初回のご相談は無料です。お気軽にご相談ください。
※本記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。税制は変更されることがあるため、手続きの前に、国税庁の公式情報をご確認ください。




