この記事では、特に赤字の企業にとって非常に有効な融資制度「資本性ローン」について解説します。この融資制度を活用することで、銀行の評価を大幅に向上させ、他の金融機関からの融資も受けやすくなる可能性があります。
資本性ローンのメリット
自己資本比率の向上
通常の借入金とは異なり、資本性ローンは純資産として扱われます。その結果、自己資本比率が向上し、企業の財務健全性が高まります。
低金利のメリット
赤字の期間中は金利が非常に低く設定されており、0.5%という非常に有利な条件で資金調達が可能です。
返済の猶予
借入期間中は利息のみの支払いが認められ、元金の返済は最後に一括で行う形となります。これにより、資金繰りが非常に楽になります。
資本性ローンのデメリット
金利の上昇
企業が黒字転換すると金利が上昇し、3.6%から4.65%と高い金利が適用されます。これは、資本性ローンが事実上、株主への配当と同じような役割を果たすためです。
返済義務
最終的には元金を一括返済する必要があります。これに備えた資金計画が重要です。
利用の際の注意点
事業計画書の提出
日本政策金融公庫からの融資を受ける際には、他の金融機関からも融資を受ける計画を立て、その計画書を提出する必要があります。
科目名の工夫
貸借対照表において、資本性ローンを「借入金」として表示せず、「資本性ローン」と明記することで、金融機関に正しく評価されるようにすることが重要です。
このように、資本性ローンは赤字企業にとって非常に有利な制度ですが、その利用には一定の条件とリスクがあります。適切に活用することで、企業の財務体質を改善し、成長のチャンスを掴むことが可能です。ぜひ、日本政策金融公庫に相談し、自社に合った資金調達を検討してみてください。