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会社設立
2018.11.13 会社設立起業

50代・60代の起業は少数?開業者の年齢データと準備を解説

50代・60代の起業は少数?開業者の年齢データと準備を解説

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「50代や60代で、起業するのは、少数派なのでは」「今から始めても、遅くないだろうか」と、不安に感じる方は、多くいます。実際に、開業する人の年齢は、どのくらいなのでしょうか。

この記事では、日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月5日公表)をもとに、開業者の年齢の実態を、整理します。あわせて、50代・60代で起業するときの、強みと注意点、利用できる融資制度、準備のポイントも、解説します。

なお、この調査は、日本政策金融公庫国民生活事業が、融資した企業を対象とした調査であり、すべての開業者を、代表するものではありません。統計や制度は、更新されることがあります。この記事は、2026年10月時点の公表情報をもとにしています。

開業者の年齢の実態(2025年度新規開業実態調査)

開業者の年齢の実態(2025年度新規開業実態調査)

日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」によると、開業時の年齢の状況は、次のとおりです。

項目 結果
開業時の平均年齢 43.9歳(調査開始以来、最も高い)
最も多い年齢層 40歳代(36.9%)
次に多い年齢層 30歳代(28.0%)
29歳以下 7.0%
60歳以上 6.4%
50歳代 割合は3年連続で上昇

調査では、開業時の年齢は、上昇傾向にあると、されています。開業者の中心は、30歳代から40歳代ですが、50歳代の割合は、3年連続で上昇しており、60歳以上の開業者も、一定の割合を占めています。

したがって、「50代・60代の起業は、少数派」という見方は、割合の面では、当てはまる面もありますが、決して、珍しいことではありません。また、50歳代の割合が、上昇しているという点からも、年齢を理由に、あきらめる必要はないといえます。

50代・60代で起業する、強み

50代・60代で起業する、強み

1. 実務の経験と、専門知識がある

長年、仕事で、培ってきた経験や、専門知識は、起業するときの、大きな強みになります。同じ分野や、関連する分野で、事業を始める場合は、仕事の進め方や、顧客のニーズが、よく分かっているため、事業の立ち上げが、スムーズに進みやすい傾向があります。

2. 人脈や、取引先の関係がある

これまでの仕事で築いた、人脈や取引先との関係は、起業後の営業や、仕入れ、協力先の確保に、役立ちます。起業すると、自分だけでは、解決できない問題に、直面することもあります。そのとき、相談できる人が多いことは、大きな支えです。

3. 融資の審査でも、経験が評価される

日本政策金融公庫の創業融資では、創業計画書の提出などを通じて、事業計画の内容が確認されます。これまでの職歴や、経験を、具体的に示すことで、計画を遂行する能力を、説明しやすくなります。

50代・60代で起業するときの、注意点

50代・60代で起業するときの、注意点

1. 老後の資金を、事業につぎ込みすぎない

定年が近い時期の起業では、退職金や貯蓄が、事業資金の中心になる場合があります。事業が、思うように進まなかった場合に、備えて、生活費や、老後の資金は、事業の資金とは、別に確保しておくことが大切です。

2. 健康や、体力を、考える

起業すると、会社員のときよりも、長時間の働き方になる場合があります。健康面や、体力を考えて、無理のない規模で、始めることも、選択肢のひとつです。

3. 事業の将来を、考えておく

将来、後継者に引き継ぐのか、事業を整理するのかなど、出口のイメージも、考えておくと、安心です。

4. 公的年金や、社会保険の手続きを確認する

会社を退職すると、健康保険や、年金の手続きが、必要です。期限が短い手続きもあります。退職後の手続きは、別の記事「起業のための退職手続きは?退職前後のチェックリスト」で、解説しています。

50代・60代の起業で、使える融資制度

50代・60代の起業で、使える融資制度

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」には、年齢に関する優遇があります。公庫の案内によると、女性の方、35歳未満または55歳以上の方が必要とする資金(原則として、土地にかかる資金を除く)は、特別利率Aの対象とされています。

項目 内容
対象 新たに事業を始める方、または、事業開始後おおむね7年以内の方(適正な事業計画を策定し、計画を遂行する能力が十分あると認められる方に限る)
融資限度額 7,200万円
返済期間 設備資金は20年以内、運転資金は10年以内(いずれも、据置期間は5年以内)
担保・保証人 相談しながら決める(創業期の方は、原則として、無担保・無保証人で、利用できる)
年齢に関する利率の優遇 55歳以上の方は、特別利率Aの対象

詳しい条件は、別の記事「定年後の起業で使える融資制度は?シニア向けの優遇を解説」で、解説しています。

50代・60代の起業の、準備のポイント

50代・60代の起業の、準備のポイント

1. 事業の内容を、慎重に選ぶ

これまでの経験や、人脈を、生かせる事業を選ぶと、立ち上げがスムーズです。未経験の分野で始める場合は、勉強や、現場での経験を、積んでから始めると、リスクを抑えられます。

2. 事業計画書を作成する

売上の見込みや、必要な資金、返済の見通しを、数字で、整理します。事業計画書は、融資の申し込みでも、必要です。

3. 資金計画を、立てる

起業に必要な資金は、事業の内容によって、大きく異なります。日本政策金融公庫総合研究所の調査では、開業費用の平均値は975万円、中央値は600万円でした。資金の目安は、別の記事「株式会社で起業するのに必要な資金は?内訳と目安を解説」で、解説しています。

4. 家族と、話し合う

起業は、家族の生活にも、影響します。事業のリスクや、資金の使い方について、家族と、よく話し合い、理解を得ておくことが、大切です。

5. 専門家に相談する

会社設立や、税務、融資、社会保険など、起業に関する手続きは、多岐にわたります。税理士などの専門家に、早めに、相談すると、スムーズです。

開業の動機と、事業を決めた理由

開業の動機と、事業を決めた理由

日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」によると、開業した人の、動機などは、次のとおりです。

項目 結果
開業動機(三つまでの複数回答) 「自由に仕事がしたかった」59.7%、「収入を増やしたかった」44.9%、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」41.1%
現在の事業に決めた理由 「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」が最多で、43.8%。次いで「身につけた資格や知識を生かせるから」20.6%、「地域や社会が必要とする事業だから」14.3%
開業直前の勤務先の離職理由 「自らの意思による退職」が89.0%
経験年数の平均 勤務経験が21.1年、現在の事業に関連する仕事の経験(斯業経験)が15.3年

多くの開業者が、これまでの仕事の経験や技能を生かして、事業を決めていることが分かります。また、実務経験の年数も長く、経験を積んだ人が、独立している傾向が見られます。50代・60代の方は、長い経験があるため、この点で、有利に働く場合があります。

女性の開業者の割合

女性の開業者の割合

同じ調査では、開業者に占める、女性の割合は、25.7%と、調査開始以来の最高水準を、4年連続で更新したとされています。性別や年齢を問わず、さまざまな人が、起業にチャレンジしています。女性や、シニアの方向けの、優遇制度も、設けられています。

開業の準備スケジュールの目安

開業の準備スケジュールの目安

50代・60代の方が、起業する場合の、準備のスケジュールの例を、示します。事業の内容や、状況によって、期間は異なります。

時期 主な準備
退職の1年前〜半年前 事業の内容の検討、情報収集、事業計画書の作成、家族との話し合い、専門家への相談
退職の半年前〜3か月前 資金計画の作成、融資の相談、取引先や、仕入先との調整、許認可の確認
退職の3か月前〜退職 勤務先への、退職の申し出、引き継ぎ、会社設立や、開業の準備
退職後 健康保険や年金の手続き、開業の届出、事業の開始

退職の前に、融資の相談を始めたり、取引先との話し合いを、進めたりしておくと、退職後の、事業の立ち上げが、スムーズになります。ただし、勤務先の就業規則(競業避止、副業、秘密保持など)は、必ず、守ってください。

年齢を理由に、あきらめないために

年齢を理由に、あきらめないために

起業は、年齢だけで、成否が決まるものではありません。事業の内容、準備の状況、資金計画、これまでの経験、家族の理解など、さまざまな要素が、関係します。

50代・60代の方は、経験や人脈という、強みがある一方で、体力や、老後の資金など、気をつけるべき点も、あります。強みを生かし、リスクを抑える、計画を立てれば、年齢に関わらず、起業にチャレンジできます。

起業後の働き方と、収支のイメージ

起業後の働き方と、収支のイメージ

起業すると、毎月の給与が、保証されなくなります。売上から、経費を差し引いた、利益が、自分の収入になります。事業が軌道に乗るまでは、収入が、少ない期間があることも、想定しておきましょう。

そのため、起業前に、生活費の、必要額を、洗い出し、事業の収入が少なくても、生活できるように、準備しておくことが、大切です。また、年金を受給している場合は、年金の収入も、含めて、生活費の見通しを、立てておきましょう。

事業を続けるための、経理と税金の基本

事業を続けるための、経理と税金の基本

起業すると、税金や、経理の手続きが、必要になります。個人事業の場合は、確定申告、法人の場合は、決算と申告を、行います。帳簿の作成や、領収書の保管は、日頃から、こまめに行っておくことが、大切です。会計ソフトを活用したり、税理士に、依頼したりする方法も、あります。

税金の手続きは、年齢に関係なく、必要です。慣れていない場合は、早めに、専門家に相談し、本業に集中できる環境を、整えましょう。

家族に、起業を伝えるときのポイント

家族に、起業を伝えるときのポイント

起業は、家族の生活に、影響する決断です。家族の理解を得るためには、次の点を、整理して、伝えると、納得してもらいやすくなります。

  • 起業する理由と、どのような事業を、行うのか
  • 必要な資金と、その調達の方法(退職金を、どこまで使うか)
  • 事業が、思うように進まなかった場合の、対応策(撤退の条件など)
  • 生活費の見通しと、老後の資金の確保の方法

具体的な数字を示して、話し合うことで、不安を、減らせます。専門家の意見を、一緒に聞く方法も、あります。家族が、事業を手伝う場合は、役割や、報酬の扱いも、事前に、決めておくと、安心です。

始めやすい起業の形

始めやすい起業の形

50代・60代の起業では、次のような形が、選ばれることがあります。

  • 経験を生かした、コンサルティングや、研修、講師業
  • 専門資格や、技術を生かした、サービス業
  • 在宅や、小規模な事務所で始める、ひとり起業
  • これまでの取引先を、顧客とする、事業の独立

設備や在庫が少ない事業は、開業費を抑えやすく、事業が思うように進まなかった場合の、リスクも小さくできます。

相談できる窓口

相談できる窓口

起業の準備では、公的な窓口や専門家に、相談する方法があります。日本政策金融公庫の国民生活事業では、全国152支店に、「創業サポートデスク」が、設置されており、創業計画書の立て方や、融資の申し込みの流れ、融資制度などについて、案内を受けられます。このほか、税理士や、商工会議所、自治体の創業支援窓口なども、相談先になります。

よくある質問

よくある質問

Q1. 50代・60代で起業するのは、遅いですか?

遅いということはありません。公庫の調査では、開業時の平均年齢は43.9歳ですが、50歳代の割合は3年連続で上昇しており、60歳以上の開業者もいます。大切なのは、年齢よりも、事業計画や、経験、準備の内容です。

Q2. 融資は、受けられますか?

年齢の上限は、公庫のホームページの案内には、示されていません。適正な事業計画を策定し、計画を遂行する能力が、十分あると認められる場合が、対象です。55歳以上の方は、特別利率の対象にもなります。

Q3. 退職金は、全額、事業に使うべきですか?

全額を事業に使うことは、おすすめできません。老後の生活資金を、残したうえで、事業に使う金額を、決めてください。

Q4. 起業の準備は、いつから始めればよいですか?

退職の前から、準備を進めると、スムーズです。事業計画書の作成や、資金計画、取引先の確保などを、早めに進めておきましょう。

50代・60代の起業のご相談はストラーダグループへ

50代・60代の起業のご相談はストラーダグループへ

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※本記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。統計や制度は更新されることがあるため、手続きの前に、日本政策金融公庫などの公式情報をご確認ください。

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この記事の監修者
山田 直輝
税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
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