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起業
2018.11.13 起業

副業から起業するときの注意点は?就業規則・税金を解説

副業から起業するときの注意点は?就業規則・税金を解説

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会社員が、副業として、起業を始めるとき、「会社の許可は、必要なのか」「勤務先に、知られたくないが、どうすればよいのか」と、悩む方は、多くいます。収入の見通しが立つまでは、会社を辞めずに、副業の形で、始めたいと考えるのは、自然なことです。

この記事では、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」や、国税庁の公表情報をもとに、会社員が、副業として起業するときの、注意点と手続きを、整理します。勤務先の就業規則の確認、住民税や、確定申告の扱い、会社設立の場合の注意点を、解説します。

なお、「会社に知られない方法」を、保証するものではありません。税金や社会保険の仕組み上、勤務先に、知られる可能性は、あります。この記事は、2026年10月時点の公表情報をもとにしています。実際の判断では、勤務先の就業規則を確認し、専門家にご相談ください。

副業・兼業をめぐる、国の考え方

副業・兼業をめぐる、国の考え方

厚生労働省は、副業・兼業について、企業や、働く人が、現在の法令のもとで、どのような事項に、留意すべきかを、まとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を、2018年1月に作成しています。その後、2020年9月と、2022年7月に、改定されました。

ガイドラインでは、原則として、副業・兼業を、認める方向で、検討するよう、企業に求めています。また、厚生労働省の、モデル就業規則も、副業・兼業を、許可制から、届出制の考え方に、改めています。

企業が、副業を制限できる場合

ガイドラインによると、企業が、副業・兼業を、禁止または制限できるのは、次の場合です。

制限できる場合 内容
本業への支障 長時間労働などで、本業の、労務の提供に、支障がある場合
秘密の漏えい 業務上の秘密が、漏れるおそれがある場合
名誉・信用の毀損 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を壊す行為がある場合
競業 競業によって、会社の正当な利益を害する場合

つまり、会社が副業を認めている場合でも、本業への支障、秘密の漏えい、競業などがあれば、制限される可能性があります。起業する事業が、勤務先の事業と、競合しないか、勤務先で知った情報を、使っていないかを、確認しておくことが重要です。

起業の前に、確認すること

起業の前に、確認すること

1. 勤務先の就業規則を確認する

副業・兼業のルールは、会社の就業規則や、社内の規程で、定められています。次の点を、確認しましょう。

  • 副業・兼業が、認められているか(許可制か、届出制か、禁止か)
  • 許可や、届出の手続きが、必要か(申請の方法、時期)
  • 競業や、秘密保持に関する定めが、あるか
  • 会社の役員になることや、会社を設立することに、制限があるか
  • 副業の内容や、時間に、条件があるか

会社が、副業を認めているとしても、起業(会社の設立や、事業の開始)まで含めて、認められているとは、限りません。判断に迷う場合は、人事部門に、確認する方法があります。

2. 競業や、秘密保持に注意する

勤務先と、同じ分野で起業する場合や、勤務先の取引先を、顧客にする場合は、競業に当たる可能性があります。また、勤務先で知った、顧客情報や、ノウハウを、起業した事業に使うことは、秘密保持義務に、違反するおそれがあります。トラブルを、避けるために、事業の内容や、取引先を、慎重に選びましょう。

3. 本業に、支障が出ないようにする

副業の時間が、長くなると、体調を崩したり、本業の仕事に、影響が出たりするおそれがあります。また、労働基準法第38条により、事業場が異なる場合でも、労働時間は、通算されます。副業を、雇用(アルバイトなど)で行う場合は、労働時間の通算に、注意が必要です。個人事業主として、事業を行う場合は、労働時間の通算の対象には、ならないのが、一般的です。

税金と、副業の収入

税金と、副業の収入

確定申告が、必要な場合

国税庁のタックスアンサーNo.1900によると、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が、源泉徴収の対象となる場合に、給与所得・退職所得以外の、各種の所得金額の合計額が、20万円を超える人は、確定申告が必要です。20万円は、収入ではなく、収入から必要経費を差し引いた、所得の金額で判断します。詳しくは、別の記事「副業の確定申告はいくらから?20万円ラインと住民税を解説」で、解説しています。

住民税と、勤務先への通知

副業の所得があると、住民税の額が、増えます。会社員の住民税は、通常、勤務先が給与から天引きして納める「特別徴収」です。副業の所得に、係る住民税の納付方法は、副業の内容や、お住まいの市区町村の運用によって、異なります。

確定申告書の第二表には、住民税の納め方を、選ぶ欄があります。ただし、希望どおりになるかは、市区町村の判断によります。会社に知られないことを、前提に、計画を立てるのは、おすすめできません。勤務先に、副業を、届け出たうえで、進める方法が、トラブルを避けやすくなります。

赤字になった場合

個人事業主として、副業を行い、赤字になった場合は、給与所得と、損益通算できる所得の区分か、どうかによって、扱いが異なります。損益通算した結果、住民税が、減ることもあります。その場合は、勤務先への通知額が、変わるため、気づかれる可能性があります。副業の所得区分や、損益通算の可否は、事業の実態によって、異なるため、税理士に確認してください。

会社を設立して、副業する場合の注意点

会社を設立して、副業する場合の注意点

副業として、会社(法人)を設立して、起業する方もいます。この場合は、次の点に、注意が必要です。

1. 役員報酬と、社会保険

法人を設立して、代表者になると、役員報酬を受け取る場合、原則として、健康保険や、厚生年金保険に加入する必要があります。すでに、会社員として、社会保険に、加入している場合は、複数の事業所で、社会保険に関する手続きが、必要になることがあります。手続きや保険料の取り扱いは、年金事務所などで、確認してください。

2. 登記される事項

会社を設立すると、代表取締役や、取締役の氏名や、本店の所在地などが、登記され、法務局で、誰でも、確認できます。登記の内容から、副業が分かる可能性は、あります。登記される事項の、取り扱いは、法務局の案内を、確認してください。

3. 他の人の名前で、会社を設立する方法は、避ける

勤務先に、知られないように、配偶者や、家族の名前で、会社を設立する方法が、紹介されることがあります。しかし、実質的に、自分が経営していて、名義だけを、借りる形は、さまざまなリスクが、あります。

  • 名義上の代表者が、法的な責任(会社の債務や、手続きの責任など)を、負うことになる
  • 税務や、社会保険の手続きで、実態と、書類の内容が、食い違う可能性がある
  • 後から、代表者を、変更する場合に、手続きや、費用がかかる
  • 就業規則に違反する場合、副業が、発覚したときの影響が、大きくなる

実態と異なる形での、会社設立は、おすすめできません。起業の形は、実態に合わせて、決めてください。

個人事業と、法人の、選び方

個人事業と、法人の、選び方

副業として起業する場合に、個人事業主と、法人の、どちらにするかは、事業の内容や、収入の規模によって、異なります。

項目 個人事業主 法人(会社)
始めやすさ 開業の届出のみで、始められる 定款の作成、登記など、設立の手続きと費用が必要
税金 所得税・住民税(超過累進税率) 法人税・法人住民税など。役員報酬には、所得税がかかる
社会保険 本業の社会保険に、加入している場合は、原則として、そのまま 役員報酬を受ける場合は、原則として、社会保険に加入
登記 不要 代表者の氏名などが、登記され、公開される
信用面 事業の規模による 取引先や、金融機関からの、信用面で、有利な場合がある

副業の段階では、個人事業主として、小さく始めて、収入が増えてから、法人化を、検討する方法も、あります。法人化のメリットとデメリットは、「フリーランスが法人化するメリットとは?税金・信用・社会保険を解説」などの記事で、解説しています。

副業の収入と、経費を管理する

副業の収入と、経費を管理する

副業で、起業するときは、本業の収入と、副業の収入を、きちんと分けて、記録しておくことが、大切です。

  • 副業専用の、銀行口座や、クレジットカードを、用意する
  • 収入と、経費の、証拠書類(請求書、領収書など)を、保管する
  • 会計ソフトなどで、日々の取引を、記帳する
  • 事業用と、私用の、支出を、区別する

記録を整えておくと、確定申告のときの、負担が、減ります。また、融資を申し込む場合や、独立後の、事業計画を作る場合にも、役立ちます。

副業として、起業を始める、手順

副業として、起業を始める、手順

会社員が、副業として起業するときの、おおまかな手順は、次のとおりです。

手順 内容
1 勤務先の就業規則を確認し、必要な許可・届出を行う
2 事業の内容を決め、競業や、秘密保持に抵触しないか確認する
3 事業計画書を作成し、必要な資金を試算する
4 個人事業主として始めるか、会社を設立するかを、決める
5 開業の届出(税務署など)、または、会社設立の手続きを行う
6 収入と経費を記録し、確定申告の準備をする
7 事業が軌道に乗ったら、独立(退職)の時期を、検討する

個人事業主として始める場合の届出

国税庁のタックスアンサーNo.2090によると、個人が、新たに事業を始めた場合には、所得税などに関する、各種の届出が、必要です。代表的な届出は、次のとおりです。

  • 個人事業の開廃業等届出書(事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで)
  • 所得税の青色申告承認申請書(原則として、青色申告をしようとする年の3月15日まで。その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業開始の日から2か月以内)

副業から、独立するタイミング

副業から、独立するタイミング

副業の収入が、安定してきたら、会社を辞めて、独立することを、考える時期が、来ます。目安として、次の点を、確認しましょう。

  • 副業の収入が、安定して、生活費を、まかなえる見込みがある
  • 独立後の、社会保険料や、税金の負担を、試算した
  • 運転資金(数か月分)と、生活費を、確保した
  • 取引先や、顧客が、ある程度、確保できている
  • 家族の理解が、得られている

退職の手続きについては、別の記事「起業のための退職手続きは?退職前後のチェックリスト」で、解説しています。

勤務先に、相談するときの、ポイント

勤務先に、相談するときの、ポイント

副業や、起業を、勤務先に伝えるときは、本業に、支障が出ないことを、具体的に、説明すると、理解を得やすくなります。たとえば、副業に使う時間帯(勤務時間外であること)、事業の内容(競業や、取引先の重複がないこと)、勤務先の情報を使わないことなどを、伝えます。就業規則に、届出の様式が、ある場合は、その手続きに、従ってください。

よくある質問

よくある質問

Q1. 副業が認められていれば、起業しても問題ありませんか?

副業を認めている場合でも、競業や、秘密保持、本業への支障がある場合は、制限される可能性があります。また、会社の設立や、役員への就任が、認められているかは、就業規則を、確認してください。

Q2. 住民税で、副業は、必ず会社に知られますか?

副業の内容や、お住まいの市区町村の運用によって、異なります。確定申告書の第二表で、住民税の納め方を選ぶ欄がありますが、希望どおりになるとは、限りません。勤務先に、届け出たうえで、進める方法が、安心です。

Q3. 副業で、法人を設立しても、よいですか?

可能ですが、役員報酬を受ける場合は、社会保険などの手続きが、必要になります。また、登記される事項は、誰でも、確認できます。就業規則も確認し、必要な手続きを、行ってください。

Q4. 副業の収入が、20万円以下なら、確定申告は不要ですか?

所得税の確定申告は、原則として、不要です。ただし、住民税の申告が、必要な場合があります。20万円は、収入ではなく、所得(収入から必要経費を差し引いた額)で判断します。

副業での起業のご相談はストラーダグループへ

副業での起業のご相談はストラーダグループへ

ストラーダグループでは、会社員の方が、副業から起業するときの、会社設立や、開業の届出、税金のご相談を、税理士などの専門家が、お受けしています。副業の所得区分、確定申告、法人化のタイミングまで、状況に合わせて、サポートします。初回のご相談は無料です。お気軽にご相談ください。

※本記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。制度や運用は変更されることがあるため、手続きの前に、厚生労働省、国税庁などの公式情報をご確認ください。

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この記事の監修者
山田 直輝
税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
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