確定申告書は、税務署の窓口に持参するほか、郵送で提出することもできます。税務署に足を運ばずに済む便利な方法ですが、同封する書類や送り方、提出日の扱いを間違えると、期限に間に合わなかったり、手続きのやり直しが必要になったりすることがあります。
この記事では、確定申告を郵送で行うときの必要書類、封筒の書き方や送り方、提出期限と消印の関係、申告書の控えの扱いなど、郵送ならではの注意点を分かりやすく解説します。2025年(令和7年)1月から変わった、申告書の控えへの収受日付印の扱いについても紹介します。
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確定申告を郵送で行う場合の必要書類
確定申告を郵送で行う場合、主に次の書類を同封します。
- 確定申告書(第一表・第二表など)
- 青色申告決算書または収支内訳書(事業所得や不動産所得がある場合)
- 各種控除を受けるための証明書類(国民年金保険料や生命保険料の控除証明書など)
- 医療費控除の明細書やセルフメディケーション税制の明細書(該当する場合)
- マイナンバー(個人番号)の確認書類と本人確認書類の写し
控除証明書などの添付書類は、「添付書類台紙」に貼り付けて、申告書と一緒に提出します。添付書類台紙は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作成して印刷すると一緒に出力されるほか、税務署でも入手できます。
源泉徴収票や医療費の領収書の添付は不要
以前は給与所得の源泉徴収票を申告書に添付する必要がありましたが、2019年(平成31年)4月1日以後に提出する確定申告書からは、源泉徴収票の添付や提示は不要になりました。ただし、申告書を作成するときには源泉徴収票の金額を使うため、手元に保管しておきましょう。
医療費控除についても、医療費の領収書の代わりに「医療費控除の明細書」を添付します。領収書は提出しない代わりに、確定申告期限から5年間、自宅で保存する必要があります。
必要経費の領収書は提出せずに保管する
事業所得などの必要経費の領収書も、確定申告書に添付する必要はありません。ただし、税務署から説明を求められたときに提示できるよう、帳簿とあわせて保存しておく必要があります。青色申告や白色申告で保存が必要な期間は書類によって異なり、原則として5年から7年です。
マイナンバーの確認書類を忘れずに
郵送で提出する場合は、窓口で本人確認ができないため、マイナンバーと本人確認のための書類の写しを同封する必要があります。マイナンバーカードを持っている場合は、カードの表と裏の両面の写しを、持っていない場合は、通知カード(記載内容が最新のもの)やマイナンバーが記載された住民票の写しと、運転免許証などの本人確認書類の写しを同封します。
確定申告書を郵送するときの封筒の書き方と送り方

宛先は所轄の税務署を確認する
確定申告書の送付先は、原則として住所地を所轄する税務署です。ただし、税務署によっては、申告書の受付や入力の事務を「業務センター」でまとめて行っており、郵送の宛先が業務センターになっている場合があります。送付先は、国税庁ホームページで所轄の税務署を調べたうえで確認しておきましょう。
封筒の表面には送付先の住所と「〇〇税務署 御中」などの宛名を書き、「確定申告書在中」と朱書きしておくと分かりやすくなります。裏面には自分の住所と氏名を記載します。郵便番号や部屋番号まで正確に書いておくと、税務署から問い合わせがあった場合にも連絡がスムーズです。
封筒のサイズと同封の仕方
封筒のサイズに決まりはありませんが、申告書を折らずに入れられるA4サイズが入る角形2号の封筒などを使うと安心です。複数の書類を同封するときは、申告書、決算書、添付書類台紙の順にまとめ、クリップなどでとめておくと、受け取る側も確認しやすくなります。
郵便または信書便で送る
確定申告書は「信書」にあたるため、郵便(普通郵便、簡易書留、特定記録など)または信書便で送る必要があります。宅配便やメール便では送れないため注意しましょう。もちろん、送付には郵便料金分の切手が必要です。重さによって料金が変わるため、書類が多い場合は郵便局の窓口で計量してもらうと確実です。
確実に届いたことを確認したい場合は、追跡ができる特定記録郵便や、受け取りの記録が残る簡易書留を利用すると安心です。
確定申告の提出期限と消印の関係

所得税の確定申告の期限は、原則として翌年の3月15日(土日祝日の場合は翌平日)です。2026年(令和8年)分の確定申告であれば、2027年2月16日(火)から3月15日(月)までが申告期間になります。
郵送の場合は消印の日付が提出日になる
郵便や信書便で提出した場合は、郵便物に押された通信日付印(消印)の日付が提出日とみなされます。そのため、期限当日の3月15日の消印であれば、期限内の申告として扱われます。
ポストへの投函は集荷時間に注意
注意したいのは、期限の直前に郵便ポストへ投函する場合です。ポストに投函した郵便物は、その日の集荷時間を過ぎていると翌日の集荷になり、消印も翌日の日付になってしまいます。期限が迫っているときは、郵便局の窓口に持参して、その場で消印を押してもらうと確実です。
期限を過ぎてから申告すると「期限後申告」となり、納める税金がある場合は無申告加算税や延滞税がかかることがあります。郵送する場合は、余裕を持って早めに送りましょう。
納税の期限にも注意
申告書を郵送しても、納税まで自動で行われるわけではありません。納める税金がある場合は、申告期限と同じ3月15日までに納付する必要があります。振替納税を利用する場合は、口座振替依頼書を提出しておくと、4月中旬から下旬ごろに指定した口座から引き落とされます。初めて振替納税を利用する場合は、口座振替依頼書を申告書と一緒に郵送するか、e-Taxで提出しておきましょう。このほか、ダイレクト納付やクレジットカード、スマホアプリ、コンビニでの納付など、さまざまな方法で納税できます。
確定申告書を郵送する前のチェックリスト

郵送で提出した後に不備が見つかると、税務署から連絡が来たり、書類を送り直したりする手間がかかります。封をする前に、次の点を確認しておきましょう。
- 申告書の氏名・住所・マイナンバーの記載に漏れや誤りがないか
- 還付を受ける場合、振込先の口座(本人名義)が正しく書かれているか
- 第一表と第二表、決算書の金額が一致しているか
- 控除証明書などの添付書類を添付書類台紙に貼っているか
- マイナンバーカードの両面の写し(または番号確認書類と本人確認書類の写し)を同封したか
- 自分用の控え(コピー)を作成したか
- 提出用の封筒に必要な郵便料金の切手を貼ったか
発送した日と送付方法は、手帳やカレンダーなどに記録しておきましょう。特定記録郵便や簡易書留で送った場合は、受領証も保管しておくと、提出した事実を確認するときに役立ちます。
還付申告や申告内容の訂正を郵送で行う場合

還付申告は1月から提出できる
医療費控除やふるさと納税などで税金が戻ってくる「還付申告」は、確定申告の期間を待たずに、対象となる年の翌年1月1日から提出できます。また、還付申告は5年前の分までさかのぼって提出することも可能です。
還付金が振り込まれるまでの期間は、書面で提出した場合はおおむね1か月から1か月半程度とされており、e-Taxで提出した場合よりも時間がかかる傾向があります。早く還付を受けたい場合は、申告期間が混み合う前の早い時期に送るとよいでしょう。
郵送した申告書に誤りが見つかった場合
郵送した後に申告書の誤りに気づいた場合でも、申告期限内であれば、正しい内容の申告書を改めて提出し直すことができます(訂正申告)。この場合は、最後に提出した申告書の内容が有効になります。
申告期限を過ぎてから誤りに気づいた場合は、納める税金が少なすぎたときは「修正申告」、多すぎたときは「更正の請求」の手続きを行います。修正申告は、税務署から調査の通知を受ける前に自主的に行えば、過少申告加算税がかからないか、軽くなる場合があります。
確定申告書の控えの扱い(2025年1月から変更)

以前は、申告書の控えと切手を貼った返信用封筒を同封して郵送すると、税務署の収受日付印が押された控えが返送されてきました。
しかし、国税庁は税務手続きのデジタル化を進める観点から、2025年(令和7年)1月から、申告書の控えへの収受日付印の押なつを取りやめました。現在は、書面で提出する際には提出用の申告書だけを送ればよく、控えは必要に応じて自分で作成し、提出した日付とあわせて記録・保管することが求められています。
なお、当分の間の対応として、切手を貼った返信用封筒を同封した場合には、申告書を受け付けた日付と税務署名を記載したリーフレットが返送されます。提出した事実を確認できる書類が必要な場合は、返信用封筒を同封しておくとよいでしょう。
金融機関の融資や補助金の手続きなどで申告書の控えを求められた場合は、自分で保管している控えのほか、e-Taxの受信通知や「納税証明書」などで代わりになるかを、提出先に確認しましょう。
郵送より便利なe-Taxでの提出も検討しよう

確定申告書を郵送する代わりに、e-Tax(電子申告)で提出する方法もあります。e-Taxには、次のようなメリットがあります。
- 自宅から24時間いつでも提出できる(メンテナンス時間を除く)
- 源泉徴収票や控除証明書などの添付書類の提出を省略できるものが多い
- 受付の記録(受信通知)がデータで残り、提出した事実をいつでも確認できる
- 還付金が郵送や窓口での提出より早く振り込まれる傾向がある
- 青色申告の場合、e-Taxで申告すると最高65万円の青色申告特別控除を受けられる(一定の要件あり)
マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から申告書を作成して、そのまま提出することができます。マイナポータルと連携すれば、控除証明書などの情報を自動で入力することもできるため、書類の準備や郵送の手間を大きく減らせます。
郵送・窓口・e-Taxの提出方法を比較

確定申告書の提出方法には、郵送のほか、税務署の窓口への持参とe-Taxがあります。それぞれの特徴を比べてみましょう。
| 提出方法 | 提出日の扱い | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 郵送 | 消印(通信日付印)の日 | 出向く必要がないが、同封書類の不足や郵送料に注意 |
| 窓口に持参 | 税務署が受け付けた日 | 確定申告の時期は混雑しやすい。開庁時間外は時間外収受箱を利用できる |
| e-Tax | データが送信された日 | 24時間提出でき、添付書類の省略や還付の早さなどのメリットがある |
税務署の開庁時間外でも、多くの税務署には「時間外収受箱」が設置されており、申告書を投函して提出することができます。ただし、時間外収受箱では、その場で書類の不足や記載漏れを確認してもらうことはできません。投函した日の扱いなどの詳細は、所轄の税務署の案内を確認しておきましょう。
なお、郵送した申告書が税務署に届いたかどうかを確認したい場合は、特定記録郵便や簡易書留の追跡サービスで配達状況を確認できます。返信用封筒を同封していれば、受付日が記載されたリーフレットが返送されるため、それで受付を確認することもできます。
確定申告の郵送は早めの準備で確実に

確定申告書は郵送でも提出でき、税務署に出向く手間を省けます。郵送する場合は、マイナンバーの確認書類の写しを同封すること、郵便または信書便で送ること、消印の日付が提出日になることを押さえておきましょう。
また、2025年1月からは申告書の控えに収受日付印が押されなくなったため、控えは自分で作成し、提出した日付とあわせて保管することが大切です。郵送の手間や期限の心配を減らしたい場合は、e-Taxでの提出も検討してみてください。
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