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2026.11.4 税務知識

年末の経費精算と電子帳簿保存法の確認ポイント【税理士無料相談】

年末の経費精算と電子帳簿保存法の確認ポイント【税理士無料相談】

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この記事の結論:年末は、経費精算の締めと領収書の整理をまとめて見直しやすい時期です。メールやWebで受け取った請求書・領収書などの電子取引データは、2024年1月1日から電子データのまま保存することが求められており、紙に印刷しただけでは原則として認められません。紙で受け取った書類は紙のまま保存するか、スキャナ保存を選ぶ形になります。保存方法と社内の精算ルールを年内に確認しておくと、決算や申告の準備が進めやすくなると考えられます。

12月に入ると、多くの会社や個人事業主の方が年末の締め作業に追われます。売上や在庫の確認と並んで、手間がかかりやすいのが経費精算と領収書の整理です。従業員が立て替えた交通費や備品代の精算が残っていたり、机の引き出しに領収書がたまっていたりすることは、決して珍しくありません。

あわせて確認しておきたいのが、電子帳簿保存法への対応です。特に、メールで届いた請求書やネットショップでダウンロードした領収書など、電子的にやり取りした書類の扱いは、ここ数年で大きく変わりました。「とりあえず印刷してファイルに綴じている」という運用のままになっている場合は、一度立ち止まって見直す価値があります。

この記事では、年末の経費精算と領収書整理の進め方、電子帳簿保存法のうち電子取引データの保存について確認したい点を、一般的な注意事項としてまとめます。個別の取引や会社ごとの判断が必要な部分は、顧問税理士などの専門家にご相談ください。

Contents

年末に経費精算と領収書整理を見直す理由

年末に経費精算と領収書整理を見直す理由

年末に見直す理由は、その年の経費を漏れなく正しく計上し、決算や確定申告の準備をスムーズに進めるためです。あわせて、電子帳簿保存法に沿った保存ができているかを確認する機会にもなります。

1.経費の計上漏れや二重計上を防ぐため

経費精算が年をまたいで滞ると、本来その年の経費として扱うべきものが翌年に回ってしまったり、逆に同じ支出を二度精算してしまったりするおそれがあります。特に、従業員の立替払いは本人の手元に領収書が残ったままになりやすく、年末にまとめて提出されるケースが多い傾向にあります。

年内に精算の締め日を設けて、立替払いや未処理の領収書を集めておくと、決算作業の際に「この支出はいつのものか」「誰が立て替えたのか」を確認する手間を減らしやすくなります。

2.保存方法のルールが変わっているため

電子帳簿保存法は、帳簿や書類を電子データで保存するためのルールを定めた法律です。近年の改正により、電子的に受け取った請求書や領収書の保存方法について、以前とは異なる対応が求められるようになっています。

数年前に決めた社内ルールのまま運用している場合、現在のルールと合っていない部分が残っている可能性があります。年末は書類を整理するタイミングでもあるため、保存方法が今の制度に沿っているかを点検するのに向いた時期といえます。

3.税務調査や問い合わせに備えるため

税務署から問い合わせがあった際や税務調査の際には、帳簿の記載内容とその根拠となる領収書・請求書などを確認されるのが一般的です。書類が見つからない、あるいは保存方法がルールに沿っていない場合、説明に時間がかかったり、経費として認められるかどうかが問題になったりすることがあります。

日頃から整理された状態にしておくことが、結果として会社を守ることにつながります。

電子帳簿保存法の基本と三つの保存区分

電子帳簿保存法の基本と三つの保存区分

電子帳簿保存法の対象は、大きく「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データの保存」の三つに分けて考えるのが一般的です。このうち、電子取引データの保存は、すべての事業者に関係する点が特に重要です。

1.電子帳簿等保存

会計ソフトなどで作成した帳簿や、パソコンで作成した決算関係書類などを、紙に出力せずに電子データのまま保存する方法です。これは事業者が任意で選ぶ仕組みとされています。

以前は、この方法を採用するために税務署長への事前承認が必要でした。しかし、2022年の改正で、電子帳簿等保存やスキャナ保存に必要だった税務署長への事前承認は廃止されています。現在は、要件を満たせば事前の手続きなしで始められる仕組みになっています。具体的な要件は、国税庁の公表資料で確認することをおすすめします。

2.スキャナ保存

紙で受け取った領収書や請求書を、スキャナやスマートフォンなどで読み取り、画像データとして保存する方法です。こちらも任意の制度で、紙のまま保存することも認められています。

スキャナ保存を選ぶ場合には、読み取りのタイミングや画像の解像度、検索のしやすさなど、一般にいくつかの要件があるとされています。どのような要件があるかは国税庁の公表資料で確認し、自社の運用で無理なく続けられるかを検討するとよいでしょう。

3.電子取引データの保存

メールの添付ファイルで受け取った請求書、Webサイトからダウンロードした領収書、クラウドサービス上でやり取りした見積書など、取引に関する情報を電子的に授受した場合の保存ルールです。

前の二つとは異なり、電子取引を行った事業者は、そのデータを電子のまま保存することが求められます。法人だけでなく個人事業主も対象になる点に注意が必要です。

電子取引データの保存で確認したいこと

電子取引データの保存で確認したいこと

電子取引データは、2024年1月1日から電子データのまま保存することが義務となっており、紙に印刷して保存しただけでは国税関係書類として認められないのが原則です。まずは、自社でどのような電子取引があるかを洗い出すことから始めます。

1.宥恕期間はすでに終了している

電子取引データの保存については、一定の条件のもとで紙に出力した保存を認める宥恕期間が設けられていました。しかし、この宥恕期間は2023年12月31日で終了しています。

そのため、2024年1月1日以降に行った電子取引については、データそのものを保存することが原則です。「メールで届いたPDFを印刷してファイルに綴じ、元のデータは削除している」という運用をしている場合は、見直しを検討する必要があります。

2.「2022年1月1日に義務化」という説明には注意

インターネット上の解説記事などで、「電子取引データの保存は2022年1月1日に義務化された」と書かれているものを見かけることがあります。2022年1月1日に改正法が施行されたことは事実ですが、その後に宥恕措置が設けられたため、実務上の完全な義務化は2024年1月1日からと整理するのが分かりやすいと考えられます。

古い記事や情報を参考にすると、「すでに猶予があるはず」「まだ紙でもよいはず」といった誤解につながることがあります。制度の時期については、最新の国税庁の公表資料で確認するようにしてください。

3.自社の電子取引を洗い出す

電子取引といっても、どの書類が該当するのか分かりにくいと感じる方も多いと思います。一般には、次のようなものが電子取引に当たると考えられています。

  • メールに添付されて届いた請求書や領収書のPDF
  • ネットショップや通販サイトの購入履歴画面からダウンロードした領収書
  • クラウド型の請求書発行サービスを通じて受け取った請求書
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  • 取引先とWeb上でやり取りした見積書や注文書

これらがどの部署で、どの担当者のメールアドレスやアカウントに届いているかを把握することが、保存ルールを整える第一歩になります。個々の書類が電子取引に当たるかどうか判断に迷う場合は、国税庁の公表資料で確認するか、税理士に相談してください。

4.保存先と検索のしやすさを決める

電子取引データは、ただパソコンに置いておけばよいというわけではなく、一般には、改ざんを防ぐための措置や、日付・金額・取引先などで検索できる状態にしておくことが求められるとされています。

具体的な方法としては、専用のシステムやクラウドサービスを利用する方法のほか、ファイル名のつけ方や保存フォルダのルールを社内で決めて運用する方法などが紹介されています。どの方法が自社に合うかは、取引量や社内の体制によって異なります。要件の詳細は国税庁の公表資料で確認し、無理のない方法を選ぶことが大切です。

5.保存しなかった場合のリスク

電子取引データを適切に保存していなかった場合、帳簿の内容を裏付ける資料が不足していると判断されるおそれがあります。その結果、一般的な注意として、経費の内容が確認できないとして推計課税が行われたり、追徴課税を受けたりする可能性が考えられます。

罰則の有無や具体的な取り扱いは状況によって異なるため、ここでは詳しく触れませんが、「印刷したから大丈夫」と考えず、データそのものを残しておく意識を持つことが重要です。

紙で受け取った領収書の整理と保存

紙で受け取った領収書の整理と保存

紙で受け取った領収書や請求書は、紙のまま保存するか、スキャナ保存を選ぶかのいずれかになります。どちらを選ぶ場合でも、後から探しやすい状態に整理しておくことが基本です。

1.紙のまま保存する場合

紙のまま保存する場合は、月ごとや取引先ごとなど、社内で決めた順番に並べてファイリングしておくと、後から確認しやすくなります。年末には、その年の分がそろっているか、日付順に並んでいるかを確認しておくとよいでしょう。

感熱紙のレシートは、時間がたつと文字が薄くなって読めなくなることがあります。保管場所を直射日光や高温を避けた場所にするなど、一般的な工夫をしておくと安心です。

2.スキャナ保存を選ぶ場合

スキャナ保存を選ぶと、紙の保管スペースを減らしたり、データとして検索しやすくしたりする効果が見込まれます。一方で、読み取りの期限や画像の品質など、一般に一定の要件を満たす必要があるとされています。

スキャナ保存を始める前に、国税庁の公表資料で要件を確認し、社内で誰がいつ読み取るのかを決めておくことをおすすめします。読み取った後の紙の原本をどう扱うかについても、要件を確認したうえで判断してください。

3.紙と電子が混在する場合の注意

実際の現場では、同じ取引先から紙の請求書が届く月と、メールで届く月があるなど、紙と電子が混在することがよくあります。このような場合、紙で受け取ったものは紙またはスキャナ保存、電子で受け取ったものは電子取引データとして保存、というように、受け取った方法に応じて扱いを分ける必要があります。

担当者ごとに判断がばらつかないよう、「受け取り方法ごとの保存先」を社内で一覧にしておくと、年末の整理がしやすくなります。

経費精算の社内ルールと承認フロー

経費精算の社内ルールと承認フロー

経費精算の社内ルールで大切なのは、誰が・いつ・何に支出したのかを記録し、上長などが内容を確認したうえで承認する流れを決めておくことです。領収書の保存方法も、このルールの中に組み込んでおくと運用が安定します。

1.領収書の提出と保存のルールを決める

経費精算の際に提出してもらう領収書について、紙で受け取ったものはどこに提出するのか、電子で受け取ったものはどのフォルダやシステムに保存するのかを、あらかじめ決めておくことが大切です。

特に電子取引データは、従業員個人のメールボックスやスマートフォンの中に残ったままになりやすい点に注意が必要です。個人の端末に保存したままにせず、会社として管理できる場所に集めるルールを設けておくと、保存漏れを防ぎやすくなります。

2.承認フローを明確にする

経費精算の申請を誰が確認し、誰が承認するのかを明確にしておくことも重要です。承認者が不在で処理が止まったり、確認が形式的になったりすると、私的な支出が紛れ込んだり、同じ領収書で二重に精算されたりするリスクが高まります。

一般的には、申請者が内容と目的を記入し、上長が業務との関連を確認し、経理担当者が領収書と金額を照合する、といった段階を設けることが多いようです。会社の規模によって最適な形は異なるため、自社の体制に合わせて無理のないフローを検討してください。

3.従業員の立替払いを記録する

従業員が会社の経費を立て替えた場合は、立て替えた日付、金額、支払先、目的などを記録しておくことが大切です。記録があいまいなままだと、後から経費の内容を説明することが難しくなる場合があります。

立替払いの精算は、月ごとなど定期的に行うのが望ましいと考えられます。年末にまとめて精算する運用になっている場合は、年内の締め日を早めに周知し、提出漏れがないか確認するとよいでしょう。退職予定の従業員がいる場合は、退職前に精算を済ませてもらうよう声をかけておくと安心です。

4.ルールは文書にして共有する

経費精算のルールは、口頭で伝えるだけでなく、社内規程やマニュアルとして文書にまとめておくことをおすすめします。新しく入社した従業員にも同じ説明ができ、担当者が替わっても運用がぶれにくくなります。

電子帳簿保存法への対応として、電子取引データの保存方法を定めた事務処理規程を整える方法も紹介されています。どのような規程が必要かは、国税庁の公表資料で確認するか、税理士に相談してください。

年末までに進めたい確認チェックリスト

年末までに進めたい確認チェックリスト

年末までに進めたいのは、未精算の経費を集めること、電子取引データの保存状況を点検すること、来年に向けたルールを確認することの三つです。以下のチェックリストを参考に、できるところから進めてみてください。

1.経費精算に関するチェック

  • 年内の経費精算の締め日を決め、従業員に周知したか
  • 従業員の手元に未提出の領収書や立替払いが残っていないか
  • 同じ領収書で二重に精算されているものがないか
  • 承認者の確認が済んでいない申請が残っていないか
  • 支出の目的や内容が分かるように記録されているか

2.電子取引データの保存に関するチェック

  • メールやWebで受け取った請求書・領収書を洗い出したか
  • 電子取引データを印刷しただけで、元のデータを削除していないか
  • データが会社として管理できる場所に保存されているか
  • 日付・金額・取引先などで探せる状態になっているか
  • 保存方法の要件を国税庁の公表資料で確認したか

3.紙の書類と来年の運用に関するチェック

  • 紙の領収書が月別や取引先別に整理されているか
  • 感熱紙のレシートが読める状態で保管されているか
  • スキャナ保存を導入するかどうか検討したか
  • 経費精算や保存方法のルールを文書にして共有しているか
  • 判断に迷う点を税理士に相談する準備ができているか

すべてを一度に整えるのは負担が大きいかもしれません。まずは、電子取引データを消さずに残すことと、未精算の経費を年内に集めることから始めるだけでも、決算や申告の準備は進めやすくなります。

よくあるご質問

よくあるご質問

Q1.メールで届いた請求書を印刷して保存すれば問題ありませんか?

メールなどで電子的に受け取った請求書は電子取引データに当たり、2024年1月1日から電子データのまま保存することが求められています。紙に印刷しただけでは国税関係書類として認められないのが原則のため、元のデータも保存しておくことをおすすめします。

Q2.電子帳簿保存法は2022年1月1日に義務化されたのではないのですか?

2022年1月1日に改正法が施行されましたが、電子取引データの保存には宥恕期間が設けられ、2023年12月31日で終了しました。そのため、完全な義務化は2024年1月1日からと整理するのが分かりやすいと考えられます。最新の情報は国税庁の公表資料で確認してください。

Q3.紙で受け取った領収書もスキャンしなければいけませんか?

紙で受け取った書類は、紙のまま保存するか、スキャナ保存を選ぶ形になります。スキャナ保存を選ぶ場合は一般に一定の要件があるとされているため、国税庁の公表資料で確認したうえで検討してください。

Q4.スキャナ保存を始めるには税務署の承認が必要ですか?

2022年の改正で、電子帳簿等保存やスキャナ保存に必要だった税務署長への事前承認は廃止されました。ただし、保存方法には一般に要件があるとされているため、国税庁の公表資料で確認し、個別の判断が必要な場合は税理士にご相談ください。

経費精算や電子帳簿保存法のお悩みは、ストラーダグループへ

経費精算や電子帳簿保存法のお悩みは、ストラーダグループへ

経費精算や領収書の保存方法についてのお悩みは、税理士に相談することで、自社の状況に合った進め方を整理しやすくなります。

年末の経費精算や領収書の整理、電子帳簿保存法への対応は、会社の規模や業種、取引の方法によって適した進め方が異なります。「どの書類が電子取引に当たるのか分からない」「今の保存方法で問題がないか不安がある」「スキャナ保存を始めるべきか迷っている」といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

税務に関する個別の判断は、税理士が行うものです。ストラーダグループでは、税理士法人として、日々の経理の進め方から決算・申告まで、お客様の状況をうかがいながらご相談をお受けしています。経費精算のルールづくりや電子取引データの保存方法の見直しについても、お気軽にお問い合わせください。

※本記事は、2026年11月時点の情報をもとに作成しています。制度の内容は改正される場合がありますので、最新の情報は国税庁の公表資料等でご確認ください。個別の取引や税務上の判断については、税理士にご相談ください。

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この記事の監修者
山田 直輝
税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
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