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2023.10.5 税務知識

納税管理人とは?必要なケースや申告方法を分かりやすく解説

海外に居住していても、日本で納税義務が発生する可能性があります。納税に関する通知書等を受け取れないからといって放っておくと、損失が発生する可能性があるため注意が必要です。

この記事では、海外居住中に日本国内の税務手続きを依頼できる納税管理人について解説します。

海外にいても日本の納税義務を果たせるように、環境を整えてから出国しましょう。

納税管理人とは?

納税管理人とは、海外に居住していたり、長期の入院をしていたり、自分での納税が困難な方に代わり納税の手続きを行う人です。

海外に出国して、納税通知書の受領や納税ができない場合は、出国前に納税管理人を定めて税務署への申告が必要です。

納税管理人はどのようなときに必要?

納税管理人は、以下のような場合に選定が必要です。

  • 海外に居住していて日本で不動産などの所得がある
  • 海外に居住していて日本で贈与税税や贈与税などの納税義務がある
  • 海外に居住していて住民税や固定資産税などの地方税の納付義務がある
  • 資産が1億円以上あり海外に移住する(出国税)

上記の他にも、日本国内での株式売却や、日本の企業から配当金を受け取った場合も対象になる可能性があります。

ただし、租税条約により免税になるケースもあるため、出国前に税理士に相談するのがおすすめです。

納税管理人になる条件

納税管理人になるのに資格は必要なく、日本に居住していることだけが条件です。親戚や親しい友人に依頼しても問題ありません。

ただし、納税関係の書類受け取りだけでなく、確定申告書の作成や税務相談なども依頼する場合は、税理士資格を有する人を選任する必要があります。

確定申告書の作成や税務相談は、税理士の独占業務となっているためです。

税理士へのスポット相談については、こちらの記事「税理士にスポット相談したときの費用・料金の相場はいくら?」で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

納税管理人の申告方法

納税管理人を選定する際は、出国日までに管轄の税務署に納税管理人届出書を提出します。e-Taxを利用して、オンラインでの提出も可能です。

地方税の場合は、自治体の窓口に提出してください。

納税管理人の届出書は、以下のページからダウンロードできます。

納税管理人の届出書には、「納税管理人を定めた理由」を記載する必要があります。「海外へ移住するため」「海外転勤のため」など、納税管理人が必要な理由をそのまま記載してください。

まとめ

納税管理人とは、海外に居住していたり、長期の入院をしていたり、納税が困難な方の代わりに納税手続きを行う人です。仕事の都合で海外に転勤をする・海外移住で日本の住所がなくなる場合などに選定が必要です。

納税管理人は日本国内に居住していることが条件ですが、資格等は必要ありません。

ただし、税務関係書類の受け取りだけでなく、確定申告や税務相談も依頼する場合は、税理士資格保有者を選定する必要があります。

海外に出国しているときに、税務手続きをすべて任せたいのであれば、税理士に依頼するのがおすすめです。

良い税理士の探し方は「失敗したくない人必見!良い税理士の選び方のポイントとは?」で分かりやすく解説しているので、参考にしてみてください。

この記事の監修者
中田 卓哉
税理士公認会計士
2012年を中央大学商学部卒業し、同年公認会計士試験に合格。2013年に東証一部上場企業に入社し、単体決算、連結決算に従事。2017年にPwCあらた有限責任監査法人に入所し、メーカー、サービス業等の東証一部上場会社の法定監査、IFRS監査、米国基準監査に従事。その後、2021年よりストラーダグループに参画。クライアントを深く理解し、クライアントの立場に立ったサービス提供することをモットーとしている。趣味は、愛猫と遊ぶこと。
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