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2018.11.12 起業

起業準備期間はどれくらい?会社員がやる6つのステップ

起業準備期間はどれくらい?会社員がやる6つのステップ

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会社員として働きながら、いつか独立したいと考えている方は多いものの、「準備にどれくらいの期間がかかるのか」「何から始めればよいのか」が分からず、一歩を踏み出せないという声をよく聞きます。

結論からいうと、会社員が起業を思い立ってから会社を設立するまでの起業準備期間は、半年から1年程度が一般的な目安です。ただし、事業の内容や必要な資金、許認可の有無によって、期間は大きく変わります。

この記事では、起業準備期間の目安と、準備期間中にやるべきことを6つのステップで解説します。あわせて、退職前に確認しておきたい手続きや、会社設立にかかる費用、2026年時点の資金調達の考え方、起業後すぐに必要になる税金の届出まで、順を追ってまとめました。

起業準備期間はどれくらい?会社員の目安は半年から1年

起業準備期間はどれくらい?会社員の目安は半年から1年

起業の準備期間は、一般的に半年から1年程度とされています。この期間には、事業内容を固めること、自己資金を貯めること、取引先や協力者を探すこと、会社設立の手続きを行うことが含まれます。

準備期間が短くなるのは、すでに副業などで事業の経験があり、取引先の見込みがある場合や、許認可が不要な事業の場合です。反対に、飲食店や介護事業のように許認可や物件の確保が必要な事業、大きな設備投資が必要な事業では、1年以上かかることもあります。

準備期間が長くなりやすいケース

次のようなケースでは、準備に時間がかかりやすくなります。

  • 事業の内容がまだ決まっておらず、市場の調査から始める場合
  • 自己資金が少なく、資金を貯める期間や、融資の準備期間が必要な場合
  • 許認可や資格が必要で、取得までに期間がかかる場合
  • 店舗や事務所の物件を探し、内装工事を行う場合
  • 仕事が忙しく、平日に準備の時間を取りにくい場合

期間を決めずに始めると進みにくい

起業を考えている方の多くは、「いつ独立するか」で迷います。準備期間を長くとりすぎると、気持ちが薄れたり、環境が変わったりして、そのまま起業に至らないことも少なくありません。最初に期限を決めて、そこから逆算して動くことが、準備を進めるための大きなポイントです。

最初に決めるのは「会社の退職日」

最初に決めるのは「会社の退職日」

起業を思い立ったときに、最初に決めてほしいのが退職日です。退職日を決めてから動いている方は、計画的に会社を辞めて起業しています。一方で、退職日を決めない方や、決めた日を気軽に変えてしまう方は、起業に踏み出せないケースが多く見られます。

経営者になると、「この事業をやるかどうか」「いつ実行するか」を日々決めていく必要があります。退職日を決めることは、経営者としての最初の決断です。

「選べる道を一つに絞る」ことの効果

道が二つあると、どちらに進むべきか迷います。サラリーマンという立場を捨ててまで、本当に起業する必要があるのかという迷いが、いつまでも続いてしまいます。

道が一つなら、進むしかありません。その道に起伏があっても、どう乗り越えるかだけに集中して考えられます。退職日を決めるのは、自分の選べる道を絞り、迷う時間を準備に使うための方法です。

退職日を決めるときに確認すること

退職日は、感覚だけで決めるのではなく、次の点を確認したうえで決めましょう。

  • 就業規則で定められた退職の申し出の時期(多くの会社は1か月から2か月前)
  • 賞与や退職金の支給時期と、支給の条件
  • 有給休暇の残日数と、引き継ぎに必要な期間
  • 退職後の収入がない期間を、自己資金でどれだけ耐えられるか

特に、賞与や退職金の支給時期は、受け取れる金額に影響します。退職日を決める前に、必ず確認しておきましょう。

起業までにやる6つのステップ

起業までにやる6つのステップ

半年から1年の準備期間の中で、会社を設立するまでに、次の6つのステップを順に進めていきます。

ステップ1:会社の退職日を決める

前の章で説明したとおり、最初に退職日を決めます。退職日から逆算して、いつまでに何を終えるかのスケジュールを作ります。たとえば、退職日の半年前に事業の内容を固め、3か月前に資金の見通しを立て、1か月前に会社設立の準備に入る、というように月ごとの目標に分けておくと、進み具合を確認しやすくなります。

ステップ2:どのような事業をするかを決める

どのような事業を行い、何で生計を立てていくのかを決めます。これまでの仕事の経験や、強みが活かせる分野から考えると、取引先や顧客につながりやすくなります。

事業の内容を考えるときは、次の3つを書き出してみましょう。

  • 誰に(顧客となる相手)
  • 何を(提供する商品やサービス)
  • いくらで(価格と、1か月に必要な売上)

この3つが具体的に書けない状態では、事業計画も資金計画も作れません。書き出す中で足りない情報が見つかったら、調べたり、人に聞いたりして埋めていきます。

ステップ3:自己資金を貯める

どのような事業でも、起業にはお金が必要です。必要な資金は、大きく次の2つに分けられます。

  • 設備資金:事務所や店舗の契約費用、内装工事、機械や備品の購入にかかるお金
  • 運転資金:仕入、家賃、人件費、広告費など、事業を続けるために毎月かかるお金

起業したばかりの時期は、思ったように売上が立たないことがあります。そのため、少なくとも半年分の運転資金は用意しておくと安心です。あわせて、自分と家族の生活費も、会社の資金とは別に確保しておきましょう。

資金が足りない場合は、金融機関や日本政策金融公庫の融資を利用する方法があります。ただし、融資を受けるときにも、自己資金は大切な評価の対象になります。コツコツと自己資金を貯めておくことが、起業の土台になります。

ステップ4:人脈を作る

会社員のころは、社内の人との交流が中心だったのではないでしょうか。起業後は、社外の人との接点を増やすことが大切です。

一人でできることには限りがあります。事業を行うと、知らないことや、自分にはできないことが沢山出てきます。そのようなときに、周りの人が協力してくれることがあります。次のような相手とのつながりを、準備期間中から作っておきましょう。

  • 取引先や顧客になってくれそうな人
  • 同じ業界で働く先輩や、すでに起業している人
  • 税理士、司法書士、行政書士などの専門家
  • 金融機関の担当者

退職してから人脈を作り始めると、収入のない状態で営業をしなければならず、焦りが出やすくなります。会社に在籍している間に、少しずつつながりを広げておくのが理想です。

ステップ5:商品やサービスを検証する

ステップ2で事業を決めたら、多くの人にその事業について話してみてください。本当に需要があるのか、事業として成り立つのかを、実際の反応から確かめます。

可能であれば、会社に在籍している間に、小さく試してみるのも有効です。ただし、会社の就業規則で副業が禁止されていないか、また競業避止義務(同じ分野の事業をしてはいけないという義務)に触れないかを、事前に確認してください。会社の仕事で得た顧客情報や、機密情報を使うことは避けましょう。

ステップ6:会社を設立する

1から5がおおむねクリアできたら、会社の設立に進みます。会社設立には、書類の準備から登記の完了まで、おおむね2週間から1か月の期間がかかります。次の章で、設立の流れと費用を説明します。

会社設立の流れと費用の目安

会社設立の流れと費用の目安

会社設立は、次の流れで進みます。株式会社を設立する場合を例に説明します。

設立の主な流れ

順番 内容
1 会社の基本事項(商号、事業目的、本店所在地、資本金、役員など)を決める
2 定款(会社のルールを書いた書類)を作成する
3 公証役場で定款の認証を受ける
4 資本金を発起人の口座に払い込む
5 法務局で設立の登記を申請する
6 税務署などに設立後の届出を行う

株式会社の設立にかかる費用

株式会社を設立するときには、主に次の費用がかかります。

費用 目安
登録免許税 資本金の0.7%(最低15万円)
定款認証の手数料 数万円(資本金の額などにより異なる)
定款の謄本代 約2,000円
定款の収入印紙代 紙の定款は4万円、電子定款は不要

電子定款を利用すると、収入印紙代の4万円がかからないため、費用を抑えられます。全体としては、株式会社の設立には、法定の費用だけで20万円強がかかるのが目安です。このほか、会社の印鑑の作成費用や、専門家に依頼する場合の報酬が別にかかります。法定費用の金額は、法務局や公証役場の案内で最新の内容を確認してください。

株式会社と合同会社の違い

会社の形は、株式会社のほかに、合同会社を選ぶこともできます。合同会社は、設立時の登録免許税が最低6万円で、定款の認証も不要なため、株式会社よりも費用を抑えられます。一方で、株式会社のほうが、取引先や金融機関からの信用を得やすいと考える方も多くいます。事業の内容や、取引先の見込みに合わせて選びましょう。

個人事業主として始める方法もある

起業の形は、会社の設立だけではありません。最初は個人事業主として開業し、売上が安定してから法人化する方法もあります。個人事業主の開業は、税務署に開業届を出すだけで済み、費用もかかりません。

どちらを選ぶかは、見込まれる利益の額、取引先から求められる信用、社会保険の負担などで変わります。迷う場合は、設立の前に税理士へ相談すると、比較しやすくなります。

退職前後に必要な手続きと注意点

退職前後に必要な手続きと注意点

会社員が起業する場合は、退職に伴う手続きも必要です。準備の段階から把握しておくと、慌てずに済みます。

健康保険と年金の切り替え

会社を辞めると、会社の健康保険と厚生年金から外れます。そのため、次のいずれかを選んで、手続きを行う必要があります。

  • 会社の健康保険を、退職後も最長2年間続ける(任意継続)
  • 国民健康保険に加入する
  • 起業した会社の社会保険(健康保険と厚生年金)に加入する

退職後の年金は、国民年金への切り替えが必要です。法人を設立して役員になると、その会社の社会保険に加入する義務が生じます。保険料の負担が変わるため、事前に金額を確認しておきましょう。

雇用保険の失業給付について

会社を辞めたあとにもらえる失業給付(基本手当)は、「働く意思と能力があり、仕事を探している状態」の人が対象です。起業の準備をしているだけでは、原則として受給の対象になりません。会社の設立や、個人事業の開業を行うと、受給できなくなるのが一般的です。起業を前提に退職する場合は、失業給付に頼らずに資金計画を立てておきましょう。

住民税の支払い

住民税は、前の年の所得に対してかかります。退職した翌年は、収入が少なくても、前年の所得に応じた住民税を納める必要があります。退職後の最初の年に思わぬ負担になることがあるため、資金計画に入れておきましょう。

2026年時点の資金調達の考え方

2026年時点の資金調達の考え方

起業の資金は、自己資金だけでなく、融資や補助金を活用して調達する方法があります。

日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫には、創業する方や、事業を始めてから間もない方向けの融資制度があります。2024年4月に、それまでの新創業融資制度が「新規開業・スタートアップ支援資金」に統合され、融資の申し込みに必要だった自己資金の要件(創業資金の総額の10分の1以上)はなくなりました。

ただし、要件がなくなっても、審査では自己資金の有無や、コツコツと貯めてきた過程が見られます。自己資金が少ないと、希望した金額から減額されることもあります。融資の条件や金利は変更されることがあるため、申し込み前に公庫の公式サイトで確認してください。

創業計画書の準備

融資を申し込むときには、創業計画書を提出します。創業計画書には、創業の動機、経営者の略歴、取扱う商品やサービス、取引先、必要な資金と調達方法、売上と利益の見通しなどを記載します。会社員としての経験が、どのように事業に活きるのかを、具体的に書くことが大切です。

創業時に使える補助金や支援制度

創業時に活用できる補助金や支援制度には、小規模事業者持続化補助金の創業型のような国の制度や、自治体の創業支援があります。制度の内容や公募の時期は、年度ごとに変わります。使えそうなものがないか、起業する地域の自治体や商工会議所に、早めに問い合わせてみましょう。

また、市区町村が認定する創業支援の事業を受けて、一定の要件を満たすと、会社設立時の登録免許税が軽減される制度もあります。利用できる場合があるため、設立の前に自治体の窓口で確認しておくと安心です。

起業後すぐに必要な税金の届出

起業後すぐに必要な税金の届出

会社を設立したら、税務署や自治体などに、期限までに届出をする必要があります。届出を忘れると、本来受けられるはずの優遇を受けられなくなることがあります。

法人設立後に出す主な届出

届出 提出先 期限の目安
法人設立届出書 税務署、都道府県税事務所、市区町村 設立の日から2か月以内
青色申告の承認申請書 税務署 設立から3か月以内、または最初の事業年度の終了日のうち早い日の前日まで
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 開設の日から1か月以内
源泉所得税の納期の特例の承認申請書 税務署 必要なとき(承認を受けると、納付が半年ごとになる)
健康保険・厚生年金保険の新規適用届 年金事務所 設立後、速やかに

青色申告の承認を受けると、赤字を翌期以降に繰り越して、黒字と相殺できるなどの優遇があります。期限を過ぎると、最初の事業年度は承認を受けられないため、特に注意が必要です。

消費税とインボイス制度の注意点

消費税は、資本金が1,000万円未満の新しい会社の場合、原則として最初の2年間は納税が免除されます(親会社の規模などによる例外があります)。ただし、インボイス(適格請求書)の発行事業者として登録すると、その時点から消費税の納税が必要になります。取引先が、インボイスを求めるかどうかを確認して、登録するかどうかを決めましょう。

なお、インボイス制度の導入に伴い、免税事業者から登録した事業者の納税額を、売上にかかる消費税の2割に抑える「2割特例」がありました。法人は、2026年9月30日を含む課税期間までで、この特例は終わっています。2026年10月以降に設立する法人は、簡易課税制度を選ぶか、原則の方法で計算するかを検討する必要があります。簡易課税を選ぶには、期限までに届出が必要です。

税金や届出は、会社の形や事業の内容によって変わります。設立前から税理士に相談しておくと、有利な選択をしやすくなります。

起業準備でよくある誤解

起業準備でよくある誤解

起業の準備については、次のような誤解がよく見られます。

  • 準備が完璧になってから、退職日を決めればよい → 準備は終わりがないため、退職日を決めないと進みません。先に期限を決めて、逆算して進めます。
  • 自己資金がなくても、融資を受ければ起業できる → 自己資金の要件はなくなりましたが、審査では自己資金の有無が評価されます。生活費の確保も含めて、自己資金を貯めておくことが大切です。
  • 退職したら、すぐに失業給付をもらえる → 起業の準備をしているだけでは、原則として対象になりません。退職後の生活資金は、自分で確保する必要があります。
  • 会社を作れば、すぐに事業が軌道に乗る → 設立は準備の区切りであり、売上が立つまでの期間も必要です。半年分の運転資金を目安に用意します。
  • 届出は、あとでまとめて出せばよい → 届出には期限があり、遅れると優遇を受けられなくなる場合があります。

起業・会社設立のお悩みはストラーダグループへ

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ストラーダグループでは、起業を考えている会社員の方から、設立後の税務・経理の支援まで、グループの専門家が連携してサポートしています。会社設立では、事業の内容や資金の計画をお聞きしたうえで、お客様に合った形の会社を、オーダーメイドで設立します。初回のご相談は無料です。

融資の申し込みや創業計画書の作成、設立後の届出、税務や社会保険の手続きも含めて、一貫して相談できます。「いつ退職すればよいか」「会社と個人事業のどちらが合っているか」といった、起業前の段階のご相談もお受けしています。お気軽にご相談ください。

※本記事は、2026年10月時点の情報をもとに作成しています。制度の内容や金額は変更されることがあるため、手続きの前に、国税庁、日本政策金融公庫、法務局などの公式情報をご確認ください。

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この記事の監修者
山田 直輝
税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
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