ChatGPTなどAIの進化により、さまざまな仕事が無くなると言われていますが、税理士もそのひとつです。
そこで今回は、本当に税理士の仕事が無くなるのか、実際にChatGPTに質問してみました。ChatGPTは税務申告に使えるのかなど、専門家から見た信頼度を解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
ChatGPTで税理士の仕事はなくなる?
まず、ChatGPTに税務関係の質問をして、どれくらいの精度があるのか見てみましょう。
確定申告の期限について質問したところ、毎年2月16日との回答がありました。正しくは、2月16日~3月15日なので、不正確な回答です。
また、納付期限を過ぎた場合は、「遅滞税」が発生しますが、ChatGPTの回答は税率が異なっています。正しくは、以下の通りです。
- 納付期限の翌日から2か月以内に完納:原則年率7.3%
- 納付期限の翌日から2か月を超えて納付した場合:原則年率14.6%
その他の質問もしてみましょう。
事業主が悩みがちな、食事代の経費への参入について質問しました。
日本語は少し怪しいですが、回答の内容はおおむね問題ありません。ただ、一人当たり5,000円以下の食事費用は、会議費などで処理できるなどの節税面についての内容は含まれていません。
これらの回答を見る限りでは、現段階では税理士の仕事はなくならないと言えるでしょう。
しかし、AIの進歩は凄まじく、将来的には正確な回答を得られる可能性は高いです。AIが仕訳や税務相談に対する回答、確定申告書の作成などを正確にできるようになったら、税理士の仕事は減ると考えられます。
特に事業規模が小さい個人事業主は、複雑な会計処理が少なく、税務申告も難しくないため、ChatGPTなどのAIを活用すれば税理士に依頼する必要は無くなるでしょう。
実際にIT先進国であるエストニアは、政府が進めた電子化や税制の簡素化により、個人向け税理士はほぼいなくなりました。
ChatGPTを使った税金の相談については、別記事の「ChatGPTで税金の相談はできる?税理士の代わりになるのか?」で解説しているので、ご覧になってみてください。
ChatGPTが進化した将来の税理士の役割は?
将来的にChaTGPTなどのAIが進化すると、税務作業や会計処理などの作業的な仕事は無くなる可能性が高いです。
ただ、税理士の仕事は幅広く、経営コンサルタントやM&Aなど多岐に渡ります。AIは過去のデータから判断して回答を導き出すため、データだけでは判断できない作業は苦手です。
会計処理など作業的な意味合いが強い仕事はAIに任せて、税理士はコンサルなど付加価値が高い仕事に専念すれば、より顧客の発展に繋がるでしょう。
また、こちらの記事「税務アドバイザリーと税務顧問の違いとは?それぞれの業務内容・メリットを解説」で税務アドバイザリーと税務顧問の業務内容の違いについて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
現時点でChatGPTに税務や会計処理について質問すると、不正確な回答が多いです。仕事に活用しようと考えている人は、参考程度にとどめておき、最終的には税理士や税務署などに確認してください。
ただ、将来的にはデータの蓄積などにより、正確な回答を得られる可能性が高いです。AIが進化すると、税務申告や会計処理などの作業的な仕事はAIが行い、税理士の仕事が減ってしまうでしょう。
しかし、データだけでは正解を導き出せない、経営コンサルタントやM&Aなど、付加価値の高い仕事は税理士が向いています。作業的な仕事はAIに任せて、空いた時間は付加価値が高い仕事に専念して、顧客の発展に繋げられる税理士が生き残っていくでしょう。
こちらの記事「税理士のできることとは?メリットなどを分かりやすく解説」で、税理士にしかできないメリットなどを解説しているので、あわせてご覧になってください。